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本編
226話
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「では、王妃様、行って参ります。王妃様も無理をなさらずに」
馬車の用意ができたと連絡があり、身支度を整えていた俺達は馬車停めへと向かった。
その先には数人の侍女と王妃様が待っていた。
「ありがとう、今夜くらいは大丈夫よ、レオンも執務が終わったら来てくれると言っているし。たまにはふたりでゆっくりと星を見ても良いわね」
新月だから見えるかしらと笑いながらも、少し不安そうに目を伏せた。
「できるだけ早く帰ってきますね?では、すみませんお願いします」
リルとレヴィと3人で馬車に乗り込み、先ずは自宅へ。
ルーファスさんやミトさん、ミラにも立ち会って欲しい旨を伝えていた。
「リル……レヴィ……」
「大丈夫だって、昨日見たら元気に育ってたぜ?他よりちょっとデカイんじゃねぇかなってくらいにな?」
「あぁ、リルも俺もそう感じたからな……きっと元気な子が産まれるだろうよ」
ふたりに挟まれるようにして座る馬車は狭いけれど、それでもぬくもりを感じるだけで安心できた。
「そうだな、どんな子でも可愛いだろう……な?リクト心配するな」
左右の手をリルとレヴィに繋がれてこくりと頷く。
家族が増えるのだから不安がってはいけないと、唇を噛み締めた。
ガタンと馬車が揺れて止まったのは自宅の門の前。
御者が扉を開けてくれた先にはルーファスさん、ミトさん、ミラが待っていてくれた。
「お帰りなさいリクトちゃん、お疲れ様」
「リクト、無理はするんじゃないぞ?」
「りーうー」
三人がそれぞれそう言ってくれて、俺はリルの手を借りて馬車を降りた。
「お父さんお母さん無理を言ってすみません……聖樹のところに行きましょうか」
リルの手を離してからルーファスさん、ミトさんの順番でハグをしてからミラを撫でた。
「歩いて行くのかしら?」
「はい、馬車で六人は流石に」
「じゃあ行きましょう?ミラはアタシに抱っこ?」
「やー、りーうーいー」
「あら、リクトちゃんの抱っこがいいの?」
ミラの小さな手が逃がさないと言うように俺のシャツを掴んだ。
「おいでミラ……俺でいいの?」
ひょいとミトさんからミラを受けとるとずしりと重い気がした。
それは驚くスピードで大きくなる獣人の子だから?もしかしたらこれが普通の早さなのかもしれないけれど。
俺はリルを抱き上げた。
帰ってくるときはきっと別の赤子を抱いているだろう。
俺は腕の中のミラと産まれてくるであろう自分の子供に思いを馳せてミラの額に軽くキスをした。
馬車の用意ができたと連絡があり、身支度を整えていた俺達は馬車停めへと向かった。
その先には数人の侍女と王妃様が待っていた。
「ありがとう、今夜くらいは大丈夫よ、レオンも執務が終わったら来てくれると言っているし。たまにはふたりでゆっくりと星を見ても良いわね」
新月だから見えるかしらと笑いながらも、少し不安そうに目を伏せた。
「できるだけ早く帰ってきますね?では、すみませんお願いします」
リルとレヴィと3人で馬車に乗り込み、先ずは自宅へ。
ルーファスさんやミトさん、ミラにも立ち会って欲しい旨を伝えていた。
「リル……レヴィ……」
「大丈夫だって、昨日見たら元気に育ってたぜ?他よりちょっとデカイんじゃねぇかなってくらいにな?」
「あぁ、リルも俺もそう感じたからな……きっと元気な子が産まれるだろうよ」
ふたりに挟まれるようにして座る馬車は狭いけれど、それでもぬくもりを感じるだけで安心できた。
「そうだな、どんな子でも可愛いだろう……な?リクト心配するな」
左右の手をリルとレヴィに繋がれてこくりと頷く。
家族が増えるのだから不安がってはいけないと、唇を噛み締めた。
ガタンと馬車が揺れて止まったのは自宅の門の前。
御者が扉を開けてくれた先にはルーファスさん、ミトさん、ミラが待っていてくれた。
「お帰りなさいリクトちゃん、お疲れ様」
「リクト、無理はするんじゃないぞ?」
「りーうー」
三人がそれぞれそう言ってくれて、俺はリルの手を借りて馬車を降りた。
「お父さんお母さん無理を言ってすみません……聖樹のところに行きましょうか」
リルの手を離してからルーファスさん、ミトさんの順番でハグをしてからミラを撫でた。
「歩いて行くのかしら?」
「はい、馬車で六人は流石に」
「じゃあ行きましょう?ミラはアタシに抱っこ?」
「やー、りーうーいー」
「あら、リクトちゃんの抱っこがいいの?」
ミラの小さな手が逃がさないと言うように俺のシャツを掴んだ。
「おいでミラ……俺でいいの?」
ひょいとミトさんからミラを受けとるとずしりと重い気がした。
それは驚くスピードで大きくなる獣人の子だから?もしかしたらこれが普通の早さなのかもしれないけれど。
俺はリルを抱き上げた。
帰ってくるときはきっと別の赤子を抱いているだろう。
俺は腕の中のミラと産まれてくるであろう自分の子供に思いを馳せてミラの額に軽くキスをした。
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