410 / 668
本編
414話
しおりを挟む
「美味いな」
リルとレヴィだけでなく双子も御者さんたちも食べる食べる。
「ルスもライも食べたいものがある?卵焼きはどう?タルタルソースも持ってきてるよ」
「タルタルほしい」乗せて
「ほしー」
幼い双子も次第に食べるのは上手になってきていて、サンドイッチは手掴みだけれど子供用に小さくしたのが良かったようだ。
大人の一口サイズにしたおにぎりも、楽しそうに食べている。
御者さんたちは、食べ慣れないおにぎりにおっかなびっくり手を出していた。
「ゆっくりね?」
可愛らしい姿を見ながら自分も野菜を中心に皿に取り分けた。
「そう言えば、何日くらいあっちに滞在するの?日帰りじゃなさそうだけど……」
ふと、俺はリルとレヴィを見た。
「だから、とりあえず四、五日分で詰めただろ?他の土地も回れたら回ってもいいし、観光も出来たらいいなと思ってな?」
「必要なものは買ってもいいし楽しもう。旅行だろ?」
リルもレヴィも大人しく食べているのを見ながら俺はちょっと引っ掛かりを感じた。
「そっか、楽しみ。何が美味しいかなぁ」
「街があるわけじゃねぇからな。俺らが住むようになってシャーラが根付いたら街ができるだろ」
「え?じゃあ、何処の土地に住んでも同じポツンと一軒家から始まるんだね」
俺がそう言うと、レヴィが静かに頷いた。
「ままー、おにく」
ルスのおねだりにハッとしてから、俺は唐揚げの小さいのを乗せてやる。
「良く噛んでね?ライは何が良い?」
「あまいたまご」
卵焼きを乗せる。ルスはリルに似てお肉が好き。ライはレヴィに似て甘いものが好きらしい。
「ご馳走様でした、あの子にも食事をさせてきますね」
御者の片方が立ち上がると、停めていた獣車を見る。
繋がれた魔獣を見て斜めに下げたバッグを開けた。
その中には丸く大きなリンゴが入っていた。
「あの子、リンゴを食べるんですか?俺もいくつか持ってきてますからこれを皆で食べてください。俺があげてきても大丈夫ですか?」
艶々としたリンゴを見ながら、俺は皮を剥いて切ってあるリンゴを器ごと取り出した。
「あの子は、知らない人からだと受け取らない可能性もありますから」
やんわりと拒否をされ、俺はそれもそうかと頷いた。
「近くで食べるのを見るのはダメですか?魔獣なんて見る機会がなくて……可愛いので」
馬に似た青い魔獣は今まで何度もお世話になったこともあるし、騎乗したこともある。
「構わないとは思います、じゃあ一緒に行きましょうか」
「リル、レヴィちょっと行ってくるね?ふたりをお願い」
取り出したカットリンゴと双子を頼みながら俺は魔獣を見に立ち上がった。
リルとレヴィだけでなく双子も御者さんたちも食べる食べる。
「ルスもライも食べたいものがある?卵焼きはどう?タルタルソースも持ってきてるよ」
「タルタルほしい」乗せて
「ほしー」
幼い双子も次第に食べるのは上手になってきていて、サンドイッチは手掴みだけれど子供用に小さくしたのが良かったようだ。
大人の一口サイズにしたおにぎりも、楽しそうに食べている。
御者さんたちは、食べ慣れないおにぎりにおっかなびっくり手を出していた。
「ゆっくりね?」
可愛らしい姿を見ながら自分も野菜を中心に皿に取り分けた。
「そう言えば、何日くらいあっちに滞在するの?日帰りじゃなさそうだけど……」
ふと、俺はリルとレヴィを見た。
「だから、とりあえず四、五日分で詰めただろ?他の土地も回れたら回ってもいいし、観光も出来たらいいなと思ってな?」
「必要なものは買ってもいいし楽しもう。旅行だろ?」
リルもレヴィも大人しく食べているのを見ながら俺はちょっと引っ掛かりを感じた。
「そっか、楽しみ。何が美味しいかなぁ」
「街があるわけじゃねぇからな。俺らが住むようになってシャーラが根付いたら街ができるだろ」
「え?じゃあ、何処の土地に住んでも同じポツンと一軒家から始まるんだね」
俺がそう言うと、レヴィが静かに頷いた。
「ままー、おにく」
ルスのおねだりにハッとしてから、俺は唐揚げの小さいのを乗せてやる。
「良く噛んでね?ライは何が良い?」
「あまいたまご」
卵焼きを乗せる。ルスはリルに似てお肉が好き。ライはレヴィに似て甘いものが好きらしい。
「ご馳走様でした、あの子にも食事をさせてきますね」
御者の片方が立ち上がると、停めていた獣車を見る。
繋がれた魔獣を見て斜めに下げたバッグを開けた。
その中には丸く大きなリンゴが入っていた。
「あの子、リンゴを食べるんですか?俺もいくつか持ってきてますからこれを皆で食べてください。俺があげてきても大丈夫ですか?」
艶々としたリンゴを見ながら、俺は皮を剥いて切ってあるリンゴを器ごと取り出した。
「あの子は、知らない人からだと受け取らない可能性もありますから」
やんわりと拒否をされ、俺はそれもそうかと頷いた。
「近くで食べるのを見るのはダメですか?魔獣なんて見る機会がなくて……可愛いので」
馬に似た青い魔獣は今まで何度もお世話になったこともあるし、騎乗したこともある。
「構わないとは思います、じゃあ一緒に行きましょうか」
「リル、レヴィちょっと行ってくるね?ふたりをお願い」
取り出したカットリンゴと双子を頼みながら俺は魔獣を見に立ち上がった。
524
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】もふもふ獣人転生
* ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。
本編、舞踏会編、完結しました!
キャラ人気投票の上位のお話を更新しています。
リトとジゼの動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
『伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします』のノィユとヴィル
『悪役令息の従者に転職しました』の透夜とロロァとよい子の隠密団の皆が遊びにくる舞踏会編は、他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きしているので、お気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
ジゼの父ゲォルグ×家令長セバのお話が『ずっと、だいすきです』完結済みです。
ジゼが生まれるお話です。もしよかったらどうぞです!
第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。
読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
応援ありがとうございます!
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる