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本編
445話
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「リル、後日お伺いさせていただくことになると思いますが、レオン陛下に手紙を書いてもらえる?シャーラが根付けばここを譲渡していただきたいと言うこと」
「おぅ」
「レヴィは、シャーラを植えてあげるから庭師さんのお手伝いをお願いできる?」
「あぁ」
「ルスとライは危ないかもしれないけど、シャーラに頑張れって言ってあげてね」
「「うん!」」
そうして、シャーラ植え替えプロジェクトは始まった。
もう日が落ちかけて暗くなる時間。
「ラディットさん、子供たちをお願いできますか?それと、夕食は遅くなってしまうかもとお伝えいただけますか?」
「かしこまりました」
子供たちは楽しそうにラディットさんと手を繋いで一旦建物に入って行った。
「レヴィ、シャーラを植える先を見に行こう?」
「俺は手紙を書いてくる」
リルも建物に入る。
俺たちはそれぞれやらなければならない事に動き出す。
「あの、すみませんどなたか庭師さんいらっしゃいますか?」
俺は小さな小屋の扉を叩いた。
「すみません」
扉が開くと出てきたのは小さな丸い灰色の耳に細長い尻尾をもつ獣人さんで、どうやらネズミの獣人さんのようだった。
「なんだね?」
「すみません、聖樹が元気がなくなってしまっているように感じて……植え替えてたっぷりと水をあげたいんです。噴水脇に広めの土地があると聞いて……お願いしたいのですが」
「慌てなさんな、直ぐにどうのはないけどな根付くかどうかは賭けだぞ?やるのか?」
ネズミの獣人さんは、俺を頭の先からつま先まで見てからちらりと家の中を見る。
「はい!」
本当は太陽の下でたくさん日光を浴びさせながら植え替えをしてあげたい。
けれど、その時は少しでも早くと思ってしまったのだ。
「待ってろ、おい仕事だ穴を掘るぞ!」
小屋の中に声を掛けると、ゾロゾロと同じくネズミの獣人さんだろうか、何人かが出てきたのだった。
手に手に大きなスコップを持っている。
「親方、何処に穴を掘るんですかい?」
職人気質のべらんめぇ口調が可愛らしい見た目に似合わない。
「おぅ、噴水の脇……よりは、四阿の脇の方がいいだろ」
「了解っす」
「おぅ、ガタイのいい熊の兄ちゃんも手伝えや」
レヴィに、ポイッと大きなスコップをなげてきて、突貫の穴掘りが始まった。
その速さたるもの、場所が決まると一気にその場所に人がはいれるだけの穴を掘ってしまう。
いつの間にか庭の様々な所に置かれている外灯に明かりがともり、建物の部屋という部屋からは明かりが漏れていた。
「俺、何をしたらいい?」
結局何も出来ずにいる俺に、庭師の一人が笑う。
「あんちゃんは聖樹のとこにいてやれよ、穴が出来るまでな?」
「は、はい」
そう言われて俺は慌ててシャーラに駆け寄った。
「おぅ」
「レヴィは、シャーラを植えてあげるから庭師さんのお手伝いをお願いできる?」
「あぁ」
「ルスとライは危ないかもしれないけど、シャーラに頑張れって言ってあげてね」
「「うん!」」
そうして、シャーラ植え替えプロジェクトは始まった。
もう日が落ちかけて暗くなる時間。
「ラディットさん、子供たちをお願いできますか?それと、夕食は遅くなってしまうかもとお伝えいただけますか?」
「かしこまりました」
子供たちは楽しそうにラディットさんと手を繋いで一旦建物に入って行った。
「レヴィ、シャーラを植える先を見に行こう?」
「俺は手紙を書いてくる」
リルも建物に入る。
俺たちはそれぞれやらなければならない事に動き出す。
「あの、すみませんどなたか庭師さんいらっしゃいますか?」
俺は小さな小屋の扉を叩いた。
「すみません」
扉が開くと出てきたのは小さな丸い灰色の耳に細長い尻尾をもつ獣人さんで、どうやらネズミの獣人さんのようだった。
「なんだね?」
「すみません、聖樹が元気がなくなってしまっているように感じて……植え替えてたっぷりと水をあげたいんです。噴水脇に広めの土地があると聞いて……お願いしたいのですが」
「慌てなさんな、直ぐにどうのはないけどな根付くかどうかは賭けだぞ?やるのか?」
ネズミの獣人さんは、俺を頭の先からつま先まで見てからちらりと家の中を見る。
「はい!」
本当は太陽の下でたくさん日光を浴びさせながら植え替えをしてあげたい。
けれど、その時は少しでも早くと思ってしまったのだ。
「待ってろ、おい仕事だ穴を掘るぞ!」
小屋の中に声を掛けると、ゾロゾロと同じくネズミの獣人さんだろうか、何人かが出てきたのだった。
手に手に大きなスコップを持っている。
「親方、何処に穴を掘るんですかい?」
職人気質のべらんめぇ口調が可愛らしい見た目に似合わない。
「おぅ、噴水の脇……よりは、四阿の脇の方がいいだろ」
「了解っす」
「おぅ、ガタイのいい熊の兄ちゃんも手伝えや」
レヴィに、ポイッと大きなスコップをなげてきて、突貫の穴掘りが始まった。
その速さたるもの、場所が決まると一気にその場所に人がはいれるだけの穴を掘ってしまう。
いつの間にか庭の様々な所に置かれている外灯に明かりがともり、建物の部屋という部屋からは明かりが漏れていた。
「俺、何をしたらいい?」
結局何も出来ずにいる俺に、庭師の一人が笑う。
「あんちゃんは聖樹のとこにいてやれよ、穴が出来るまでな?」
「は、はい」
そう言われて俺は慌ててシャーラに駆け寄った。
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