【BL】転生したら獣人の世界で何故か肉食獣に愛されています。

梅花

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本編

446話

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「シャーラ……もうちょっと頑張ってね?」
俺はそっとシャーラの隣に座り込み、その幹を撫でた。
やっぱり王都から離すべきじゃ無かったのかもしれない。
不安に苛まれながら俺はそっとシャーラに触れ続ける。
「リクト、ちょっと俺が行ってくるわ」
リルが外套を纏ってそこに立っていた。
「リル?」
慌てて俺は立ち上がる。
「いきなりの事だからな、行って説明してくるついでに書類とかも確認してくるな?まぁ、聖樹の事だから最重要議案だろ」
今から行きゃ明け方には着くだろうから、早くて明後日には帰ってこられるだろうと笑う。
「……王様に勝手なことをして申し訳ありませんって……伝えて」
「おぅ、アイツだって最初から下げ渡すつもりだったんだろうから、今更だろうけどな?」
チュッとキスをしてきたリル。
「んじゃ、リクト、シャーラ行ってくるからな?」
大きな手がシャーラの葉に触れる。
「リル、いってらっしゃい」
獣人で夜目が効くけれど、リルは昼間に魔獣討伐してきたばかりなのに無理をさせてしまう。
「あっ!リル待って……少しだけ時間を頂戴?」
「ん?」
「シャーラごめん、すぐ戻るね」
俺はシャーラに断りを入れてからリルの手を掴んで建物に入った。
向かった先は厨房。
先程まで使っていたコンロに乗せたままの土鍋を開けると炊けたご飯の匂いが広がる。
「余裕があるかわからないけど、おにぎり握るから休む時は食べて?それと、水……は、リルの事だから持ってるよね?」
俺はインベントリーからしゃもじと海苔、梅干しを取り出した。
本当は凝った具にしてあげたかったが、直ぐに握れる具はこれしかない。
中の種を除いてペースト状にしたものを中心に入れて大きめに握るのと塩をまぶすのを忘れない。
梅干しは疲労回復にもいいしと、野球ボールくらいのおにぎりを三個作ると俺はそれをお弁当箱に入れた。
「一個は今食いてぇな」
食いしん坊リルが発動される。
「じゃあ直ぐに握るね?」
追加でもう一個少し小さめに握ってやると、リルはありがとうなと受け取りモグモグと歩きながらおにぎりを頬張った。
「ん~酸っぺぇな。でも癖になる」
嬉しそうに食べ、リルが魔獣に跨り駆け出す姿を俺は見送ってからまたシャーラの傍に戻った。
「リクト、リルが行ったか?」
レヴィが額の汗を拭いながらやってくる。
「うん」
「だろうな」
「とりあえず、シャーラが根付いてくれたらと思うけど……ごめんね、いきなり決めちゃって」
「気にするな。今後はリルとも話し合えばいい……リクトの直感を信じろ」
俺の頭を撫でようとして、レヴィは自分の手が泥だらけなのに気付いて苦笑した。
「シャーラを移動させるからな、リクトも来てくれ」
そう言ってレヴィはシャーラを鉢ごと持ち上げたのだった。
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