690 / 692
番外編
リクト子供化SS④
しおりを挟む
あれから、俺たちは三人で出掛けた。
レヴィに抱っこされたまま。
行く先、行く先で可愛いねとか、何歳?とか聞かれ。
俺は曖昧に笑うと、リルもレヴィも俺たちの伴侶だと言ってくれる。
見知らぬ婦人たちは、おやまぁと笑いながら将来安泰ねと頭を撫でてくれた。
リクトを知ってる獣人には、親戚の子だと言ってくれた。
急に人型になれるようになったから、慌てて服を買いに来たと言いながら、子供用の服売り場に来ると、そこには獣人用の服ばかり。
いつ獣化した姿から人型になっても大丈夫なように、直ぐにスナップボタンのようなもので外れるようになっている布だ。
「リクトなら、このサイズか。色はどうしたい?」
レヴィが俺をそっと肩から下ろして見やすい位置に抱いてくれている。
降りれると言っても、靴がないから駄目だと断られた。
こんなことなら靴屋を先に行けばよかったと後悔しても仕方ない。
俺は適当に青系の上下を選ぶと、それと同じサイズの服をリルとレヴィが色違いで買ってくれる。
「ふたりとも、そんなにいらな……」
「洗濯するだろ?」
「うん……」
そう言われてしまうと、俺は仕方ないかなと諦めた。
「おれ、じぶんでかう」
「買ってやりたいんだって、リクトは本当に無欲すぎるんだよ」
「そうだ、リクトが喜ぶのって俺たちが食う食材とかだろ?」
リルもレヴィもそう言ってくる。
二人に挟まれるようにしながら愛でられるのが恥ずかしいが、俺はありがとうとレヴィの頬にチュッとキスをするとリルが俺も俺もと寄ってくる。
子供の俺以上に子供みたいな二人がとても好きだった。
「ありがと、ふたりとも」
こんな姿になっても好きだと言ってくれる懐の深さに有難く思いながら甘えることにする。
「おぅ」
リルが支払いをしてくれ、荷物を持ってから靴を買いに行く。
「レヴィ、どっちが靴を買う?」
「二人で一足ずつだろう」
と、会話をしながら互いに頷くと靴を選び始める。
この世界での靴は婚約指輪や告白と同じ意味。
「いっかい、もらってるんだよ?」
「何度でも買ってやるから。サンダルもいいけど、しっかり足首を固定できるのがいいよなぁ?」
「サンダルだと脱げるだろ?」
「だよなぁ?」
二人でそう言いながら決めたのは、踵のあるサンダルに似た靴だった。
クロックスのような、踵に引っ掛けるようにできるもの。
色違いで二足。
とても履きやすいそれは、大人の時の俺も愛用していたものだ。
購入した靴の一足、白いサンダルを店の前のベンチで左右を履かせて貰ったのが、まるでプロポーズのように二人が膝をつくのが恥ずかしかったが嬉しかった。
それから数日後、俺の身体は何も無かったように元に戻った。
あれは何だったのかと三人で笑いながら、二人に買って貰った服と靴は大切にクローゼットの中にしまってある。
その服を使うことになるのはもう少し後の話。
完
レヴィに抱っこされたまま。
行く先、行く先で可愛いねとか、何歳?とか聞かれ。
俺は曖昧に笑うと、リルもレヴィも俺たちの伴侶だと言ってくれる。
見知らぬ婦人たちは、おやまぁと笑いながら将来安泰ねと頭を撫でてくれた。
リクトを知ってる獣人には、親戚の子だと言ってくれた。
急に人型になれるようになったから、慌てて服を買いに来たと言いながら、子供用の服売り場に来ると、そこには獣人用の服ばかり。
いつ獣化した姿から人型になっても大丈夫なように、直ぐにスナップボタンのようなもので外れるようになっている布だ。
「リクトなら、このサイズか。色はどうしたい?」
レヴィが俺をそっと肩から下ろして見やすい位置に抱いてくれている。
降りれると言っても、靴がないから駄目だと断られた。
こんなことなら靴屋を先に行けばよかったと後悔しても仕方ない。
俺は適当に青系の上下を選ぶと、それと同じサイズの服をリルとレヴィが色違いで買ってくれる。
「ふたりとも、そんなにいらな……」
「洗濯するだろ?」
「うん……」
そう言われてしまうと、俺は仕方ないかなと諦めた。
「おれ、じぶんでかう」
「買ってやりたいんだって、リクトは本当に無欲すぎるんだよ」
「そうだ、リクトが喜ぶのって俺たちが食う食材とかだろ?」
リルもレヴィもそう言ってくる。
二人に挟まれるようにしながら愛でられるのが恥ずかしいが、俺はありがとうとレヴィの頬にチュッとキスをするとリルが俺も俺もと寄ってくる。
子供の俺以上に子供みたいな二人がとても好きだった。
「ありがと、ふたりとも」
こんな姿になっても好きだと言ってくれる懐の深さに有難く思いながら甘えることにする。
「おぅ」
リルが支払いをしてくれ、荷物を持ってから靴を買いに行く。
「レヴィ、どっちが靴を買う?」
「二人で一足ずつだろう」
と、会話をしながら互いに頷くと靴を選び始める。
この世界での靴は婚約指輪や告白と同じ意味。
「いっかい、もらってるんだよ?」
「何度でも買ってやるから。サンダルもいいけど、しっかり足首を固定できるのがいいよなぁ?」
「サンダルだと脱げるだろ?」
「だよなぁ?」
二人でそう言いながら決めたのは、踵のあるサンダルに似た靴だった。
クロックスのような、踵に引っ掛けるようにできるもの。
色違いで二足。
とても履きやすいそれは、大人の時の俺も愛用していたものだ。
購入した靴の一足、白いサンダルを店の前のベンチで左右を履かせて貰ったのが、まるでプロポーズのように二人が膝をつくのが恥ずかしかったが嬉しかった。
それから数日後、俺の身体は何も無かったように元に戻った。
あれは何だったのかと三人で笑いながら、二人に買って貰った服と靴は大切にクローゼットの中にしまってある。
その服を使うことになるのはもう少し後の話。
完
422
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまで
ChaCha
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したことに気づいたアイナ・ネルケ。
だが彼女はヒロインではない――ただの“モブ令嬢”。
「私は観る側。恋はヒロインのもの」
そう決めて、治癒魔術科で必死に学び、気合いと根性で仲間を癒し続けていた。
筋肉とビンタと回復の日々。
それなのに――
「大丈夫だ。俺が必ず君を守る」
野外訓練で命を救った騎士、エルンスト・トゥルぺ。
彼の瞳と声が、治癒と共に魂に触れた瞬間から、世界が静かに変わり始める。
幼馴染ヴィルの揺れる視線。
家族の温かな歓迎。
辺境伯領と学園という“日常の戦場”。
「……好き」
「これは恋だ。もう、モブではいたくない」
守られるだけの存在ではなく、選ばれる覚悟を決めたモブ令嬢と、
現実しか知らない騎士の、静かで激しい溺愛の始まり。
これは――
モブでいたはずの私が、ただひとりに溺愛されるまでの物語。
※溺愛表現は後半からです。のんびり更新します。
※作者の好みにより筋肉と気合い…ヤンデレ落ち掛けが踊りながらやって来ます。
※これは恋愛ファンタジーです。ヒロインと違ってモブは本当に大変なんです。みんなアイナを応援してあげて下さい!!
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
【完結】名前のない皇后 −記憶を失ったSubオメガはもう一度愛を知る−
社菘
BL
息子を産んで3年。
瀕死の状態で見つかったエリアスは、それ以前の記憶をすっかり失っていた。
自分の名前も覚えていなかったが唯一所持品のハンカチに刺繍されていた名前を名乗り、森の中にひっそりと存在する地図上から消された村で医師として働く人間と竜の混血種。
ある日、診療所に運ばれてきた重病人との出会いがエリアスの止まっていた時を動かすことになる。
「――お前が俺の元から逃げたからだ、エリアス!」
「本当に、本当になにも覚えていないんだっ!」
「ととさま、かかさまをいじめちゃメッ!」
破滅を歩む純白竜の皇帝《Domアルファ》× 記憶がない混血竜《Subオメガ》
「俺の皇后……」
――前の俺?それとも、今の俺?
俺は一体、何者なのだろうか?
※オメガバース、ドムサブユニバース特殊設定あり(かなり好き勝手に詳細設定をしています)
※本作では第二性→オメガバース、第三性(稀)→ドムサブユニバース、二つをまとめてSubオメガ、などの総称にしています
※作中のセリフで「〈〉」この中のセリフはコマンドになります。読みやすいよう、コマンドは英語表記ではなく、本作では言葉として表記しています
※性的な描写がある話数に*をつけています
✧毎日7時40分+17時40分に更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる