504 / 669
本編
508話騎士
しおりを挟む
鍋でパスタを茹でながら皿を用意しているところで、レヴィが顔を出してくれた。
「レヴィ、スープと甘酢あんかけはインベントリーに入ってるから、取り分け皿をお願い。パスタが茹で上がったら持っていくけど、今日はミートソースだよ?」
俺の説明に、レヴィは了解したと取り分け皿やカトラリーを運んでくれた。
俺はパスタが茹で上がるのを待ち引き上げると、皿に盛り直してから運ぼうとして足を止めた。
せめて、お父さん達には食べてもらいたい。
鍋にお湯を沸かす準備をしてから、俺は茹で上がったパスタをリルたちの所に運び、先に食べていてとお願いをした。
子供たちをお願いと言うと、リルが任せろと笑い、レヴィも頷くのを確認してから俺は厨房に戻り、ベーコンと野菜を切り始めた。
フライパンで炒めると、ケチャップやソースと混ぜてから残っていたパスタをフライパンに投入すると、即席のナポリタン。
皿を二枚用意して出来上がったナポリタンを分けて、フォークを添えると俺は船長室へと向かった。
すれ違うクルーが、鼻をひくひくさせるのは嗅いだことのない匂いだからだろう。
「失礼します」
両手が塞がっているため、声を掛けると中からミトさんの返事があった。
「リクトちゃん、一歩下がって?そっち側に扉が開くわ」
そう言われると、俺は慌てて下がると扉がゆっくりと開いた。
「お父さん、お母さん……ミラに言われちゃいましたけど、俺たち食事にするついで、ナポリタンですけどいかがですか?」
「あら、ありがとう。いただくわ。でも、いいのよ無理しないでゆっくりして頂戴?」
ミトさんは俺から皿を受け取ってから、後ろに来ていたルーファスさんに渡す。
「リクトちゃん、今夜は絶対に部屋の中から鍵を掛けて寝なさいね?愚息二人がいるから大丈夫とは思うけど」
「は、はい?わかりました」
俺は、何を言われているかいまいちわからなかったが曖昧に頷いた。
「あの、スープもまだ厨房に残りがありますから、良かったら」
「後でいただくわ、ありがとうね」
ミトさんにふわりと抱き締められて久し振りの感覚に、俺は嬉しくなって目を伏せた。
「冷める前によかったら。おやすみなさいお母さん」
「おやすみ。外輪で動いているから少し煩いかもしれないけれど……」
優しく気遣ってくれるミトさんにありがとうございますとお礼を言うと、更にギュッと抱き締められた。
それから俺は直ぐに船室に戻ると、四人は食事をしてくれていた。
待っていてくれるのは嬉しいけれど、それはそれで申し訳ないし子供たちもいるからありがたい。
「ただいま」
「おぅ、先に食ってる」
リルが手を上げると、俺は頷いた。
「お父さんたちに軽く食事を持って行ったから」
「気にしなくて良かったのに、お袋が作るんじゃねぇの?親父だってあれで料理はしなくはねぇし」
「え、お父さんが?」
一緒に過ごすようになって、一度もそんな素振りを見せたことのないルーファスさん。
「あー……親父もお袋も、騎士団所属の時に叩き込まれたって言ってたしなぁ?」
「……待って、何その話」
俺は情報量過多で、驚きながら扉を閉めて床に座り込んだ。
「ん?何がだ?」
「騎士団所属って……」
俺はまた知らない情報に目をパチクリさせたのだった。
「レヴィ、スープと甘酢あんかけはインベントリーに入ってるから、取り分け皿をお願い。パスタが茹で上がったら持っていくけど、今日はミートソースだよ?」
俺の説明に、レヴィは了解したと取り分け皿やカトラリーを運んでくれた。
俺はパスタが茹で上がるのを待ち引き上げると、皿に盛り直してから運ぼうとして足を止めた。
せめて、お父さん達には食べてもらいたい。
鍋にお湯を沸かす準備をしてから、俺は茹で上がったパスタをリルたちの所に運び、先に食べていてとお願いをした。
子供たちをお願いと言うと、リルが任せろと笑い、レヴィも頷くのを確認してから俺は厨房に戻り、ベーコンと野菜を切り始めた。
フライパンで炒めると、ケチャップやソースと混ぜてから残っていたパスタをフライパンに投入すると、即席のナポリタン。
皿を二枚用意して出来上がったナポリタンを分けて、フォークを添えると俺は船長室へと向かった。
すれ違うクルーが、鼻をひくひくさせるのは嗅いだことのない匂いだからだろう。
「失礼します」
両手が塞がっているため、声を掛けると中からミトさんの返事があった。
「リクトちゃん、一歩下がって?そっち側に扉が開くわ」
そう言われると、俺は慌てて下がると扉がゆっくりと開いた。
「お父さん、お母さん……ミラに言われちゃいましたけど、俺たち食事にするついで、ナポリタンですけどいかがですか?」
「あら、ありがとう。いただくわ。でも、いいのよ無理しないでゆっくりして頂戴?」
ミトさんは俺から皿を受け取ってから、後ろに来ていたルーファスさんに渡す。
「リクトちゃん、今夜は絶対に部屋の中から鍵を掛けて寝なさいね?愚息二人がいるから大丈夫とは思うけど」
「は、はい?わかりました」
俺は、何を言われているかいまいちわからなかったが曖昧に頷いた。
「あの、スープもまだ厨房に残りがありますから、良かったら」
「後でいただくわ、ありがとうね」
ミトさんにふわりと抱き締められて久し振りの感覚に、俺は嬉しくなって目を伏せた。
「冷める前によかったら。おやすみなさいお母さん」
「おやすみ。外輪で動いているから少し煩いかもしれないけれど……」
優しく気遣ってくれるミトさんにありがとうございますとお礼を言うと、更にギュッと抱き締められた。
それから俺は直ぐに船室に戻ると、四人は食事をしてくれていた。
待っていてくれるのは嬉しいけれど、それはそれで申し訳ないし子供たちもいるからありがたい。
「ただいま」
「おぅ、先に食ってる」
リルが手を上げると、俺は頷いた。
「お父さんたちに軽く食事を持って行ったから」
「気にしなくて良かったのに、お袋が作るんじゃねぇの?親父だってあれで料理はしなくはねぇし」
「え、お父さんが?」
一緒に過ごすようになって、一度もそんな素振りを見せたことのないルーファスさん。
「あー……親父もお袋も、騎士団所属の時に叩き込まれたって言ってたしなぁ?」
「……待って、何その話」
俺は情報量過多で、驚きながら扉を閉めて床に座り込んだ。
「ん?何がだ?」
「騎士団所属って……」
俺はまた知らない情報に目をパチクリさせたのだった。
454
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
僕、天使に転生したようです!
神代天音
BL
トラックに轢かれそうだった猫……ではなく鳥を助けたら、転生をしていたアンジュ。新しい家族は最低で、世話は最低限。そんなある日、自分が売られることを知って……。
天使のような羽を持って生まれてしまったアンジュが、周りのみんなに愛されるお話です。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる