【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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13話

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「サハル、こっちも」
「これも!」
乾いた洗濯物を取り込んで新しいものを干していると、また新しい洗い物が追加される。
流石に何度も洗い物をしていると、水の冷たさにガサガサになった手が気になりを自分の指に回復をかける。
自分に魔力を使うのは本当は良くない。何故か理由はわからないが同じように直すのにも使う力の量が違うのだ。だけど、筆頭聖女となるだけあって俺の力は少なくはない。
前世の時よりは少なくはあるが、それでも8割ほどは戻っている。
指先に回復をさせると痛みは無くなった。
俺ははぁい。と、返事をしてから再び洗濯物と一緒に水に手を入れる。
傷は治っても、冷たさや痛みは感じるのだ。
そんな仕事をして、自室に帰ると机の上に丸い小さな缶が置かれているのに気付いた。
何だろうと手にすると、それは軟膏だった。
爽やかな香りのするそれはどう考えても俺の物ではないし、誰かが間違えたのだろうかと俺は元に戻した。
俺の部屋は4人部屋で、他の3人も軍医見習いなのだ。
だが、身分は同じでもやることは全く違う。
3人は治療の手伝い等を1日ずっとしているため、その疲労は半端ではない。
だから俺は3人が帰ってくると食事の前までは全身のマッサージをしてやる。
聖女になる前に、日銭を稼ぐためやっていたことだ。
できるかなと不安だったが、身体は覚えてくれていたようで、他の3人が毎日やってくれと頼むため、俺は大忙しだ。
ただ、食事の時に3人が少しずつおかずを分けてくれるようになった。
身体が軽くなるらしい。
そうだよ、調整しながら回復をかけてるからね。
わからないくらい微量な力になるように加減して。
だから、今回の軟膏も誰かがくれたのかな?なんて思っていた。
だけど、3人の誰でもない……じゃあ、誰なの?
怖いんだけど。
せめて何かメモでもいいから残してくれていたらいいのに。
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