54 / 162
54話
しおりを挟む
「おい、あれ…やっぱりそうだったみたいだな…」
ザワザワとする食堂の中をすり抜けて食事の配膳を終える。
また、上層部は会議をしながらの食事だろう。
昨夜、最初の通信が入り、今朝には魔方陣が組み上がるとの事であった。
魔方陣が組み上がれば転移できるため、あっという間にあちらに到着する。
ただ、この魔方陣は面倒なことに一方通行なのだ。
俺も訓練したら逆の魔方陣を書けば行き来できるようになるんじゃないだろうか。
そうすれば、食事も現地調達しなくていいし。
流石にスタンピードの時は時間を掛けて魔方陣を絵描き行き来できるようにしていたらしいのだが。
昔はどうだったのだろう…上手く思い出せないけれど、もしかしたら魔方陣を手直しできればやれるかもしれない。
ささっと食事を終えると、手慣れた様子でバットにお皿を返すようになってくれた騎士達以外の置いていった皿を片付け始める。
出立の支度は終えていた。
「さて…と、今日は洗い物までできるかな」
「サハル少し休めよ」
声を掛けて来てくれたのは、いつぞやのノア。
「あ、うん…でも、このあと行かなきゃならないからさ?やれるところまでやろうかなって…俺、ほかの隊には所属してないからこんなことやらないと友達できなくてさ…ミゲル様におんぶに抱っこじゃ不味いだろ?」
友達いないからさ。
気づかないよね…
「だから、ありがとうノア」
掴まれそうになった手を無意識に引いて、バットを片付けようと厨房へ歩き出そうとしてその腕を強く掴まれた。
「俺を避けるのかよ」
「ノア、何を?」
先日のにこやかな表情は何処へ行ったのか。
「これ、作業しちゃわなきゃ」
まだ食事中だった騎士達がなんだなんだと見てくるのを感じながら困ったなぁと苦笑した。
「サハル、悪いがお茶を」
食堂の向こうから良く通る声で呼ばれた。
「はい、団長!」
大きめの声で返事をすると、ノアの手がパッと離れる。
少しホッとして逃げるように片付けながら言われたようにお茶をもって会議室に入ると、既に会議は終わっていた。
「悪かったな、ありがとう…部屋で一緒に飲もうか」
ミゲル様の優しさにホッとした。
「先程、魔方陣が繋がったようだ…」
そう言われると、いよいよかと気持ちが引き締まっていく。
出陣。
それは快晴の空の下、暖かな日の事だった。
ザワザワとする食堂の中をすり抜けて食事の配膳を終える。
また、上層部は会議をしながらの食事だろう。
昨夜、最初の通信が入り、今朝には魔方陣が組み上がるとの事であった。
魔方陣が組み上がれば転移できるため、あっという間にあちらに到着する。
ただ、この魔方陣は面倒なことに一方通行なのだ。
俺も訓練したら逆の魔方陣を書けば行き来できるようになるんじゃないだろうか。
そうすれば、食事も現地調達しなくていいし。
流石にスタンピードの時は時間を掛けて魔方陣を絵描き行き来できるようにしていたらしいのだが。
昔はどうだったのだろう…上手く思い出せないけれど、もしかしたら魔方陣を手直しできればやれるかもしれない。
ささっと食事を終えると、手慣れた様子でバットにお皿を返すようになってくれた騎士達以外の置いていった皿を片付け始める。
出立の支度は終えていた。
「さて…と、今日は洗い物までできるかな」
「サハル少し休めよ」
声を掛けて来てくれたのは、いつぞやのノア。
「あ、うん…でも、このあと行かなきゃならないからさ?やれるところまでやろうかなって…俺、ほかの隊には所属してないからこんなことやらないと友達できなくてさ…ミゲル様におんぶに抱っこじゃ不味いだろ?」
友達いないからさ。
気づかないよね…
「だから、ありがとうノア」
掴まれそうになった手を無意識に引いて、バットを片付けようと厨房へ歩き出そうとしてその腕を強く掴まれた。
「俺を避けるのかよ」
「ノア、何を?」
先日のにこやかな表情は何処へ行ったのか。
「これ、作業しちゃわなきゃ」
まだ食事中だった騎士達がなんだなんだと見てくるのを感じながら困ったなぁと苦笑した。
「サハル、悪いがお茶を」
食堂の向こうから良く通る声で呼ばれた。
「はい、団長!」
大きめの声で返事をすると、ノアの手がパッと離れる。
少しホッとして逃げるように片付けながら言われたようにお茶をもって会議室に入ると、既に会議は終わっていた。
「悪かったな、ありがとう…部屋で一緒に飲もうか」
ミゲル様の優しさにホッとした。
「先程、魔方陣が繋がったようだ…」
そう言われると、いよいよかと気持ちが引き締まっていく。
出陣。
それは快晴の空の下、暖かな日の事だった。
107
あなたにおすすめの小説
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
悪役令息の兄って需要ありますか?
焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。
その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。
これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる