【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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62話

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「サハル…悪いが、この耳飾りに付与を」
「このリングに…」

所々で声がかかる。

「ごめんなさい、付与は帰ってから順番に」

たぶん、先発隊からの噂になったのだろう。
だって、今付与しても回復に戻ってこれるし、戻ってこれなくても俺行くからね?
小金稼ぎで有料で付与してる聖女がいなくはないけど、俺はそんなことしたことない。

「はぁ…」

小さな溜め息を吐いてから腕捲りをする。明るいうちに洗い物を済ませてしまいたい。
遠征7日めで、漸くドライアドの襲撃個体数が減ってきた。
上手くすれば近日中にドライアドの上位種が出てくるだろう。
それが倒せれば今回の遠征は終わり、後続隊が森へ調査に入る。
あ、後続隊へのアクセサリーを作っていないから…ミゲル様にまたお願いしなきゃ駄目かなぁ…。
作ったら直ぐに持ってくればいいか。
そう思いながら食器を洗っていると、上位種だ!そう叫ぶ声が聞こえた。

1本の気に人型が1体のモンスターがドライアドだが、上位種は人型が3体ついており、それぞれが状態異常を使うため、厄介なのだ。
騎士達がピリピリとする。

「陣形を組んで1人1太刀だ、切ったら離脱しろ!」

遠く聞こえるのはクルガン様の声。
支援部隊は手を止めて顔を上げる。
怪我人が出るだろう。

「うわっ!ドライアドが他にも来たっ!」

違う方向から声が上がる。
何体のモンスターがいるのか、ここからでは判別できない。

「誰か村に水を貰いに行ってください、俺は前線に出てきます!」

皿洗いの手を止めて立ち上がる。
状態異常者が増えるだろう。
俺だけで何とかなるだろうか。
しなければならないのだが。

両手で頬を叩くと俺は前を向いた。
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