【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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67話

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「ふふ、いいのよ…わからなくてね」

サディ様は優雅にお茶を飲む。
綺麗に整えられた爪が貝のようにピンクなのが印象に残った。

「ほら、これも食べて?甘いの好きでしょ?」

ついっと差し出された缶をいただきますと開くと、中にはキラキラとした焼き菓子や砂糖菓子の詰め合わせで、食べるのが勿体無いくらいだった。
その中の1つを選んで指先で摘まみ上げる。
可愛らしいウサギの形をした砂糖菓子だった。
俺はそれを口にはいれずに、飲みかけのカップに入れてゆっくりとかき混ぜる。

「あら、珍しい飲み方を知っているのね」

サディ様がふふっと笑う。
俺はハッとして手を止めた。

普通ならばこの砂糖菓子は口に入れる人間が多いが、上流階級ではこうして紅茶等に入れて楽しむこともする。
そもそもが、上流階級でなければ騎士になって初めてこのようなお茶を口にすることになる。

「あ、はい…」

俺は戸惑ったように視線を泳がせてしまう。

「サハルちゃんはミゲル団長が連れてきたから私たちも何も言わないわ。けどね、気になってるのが、あの朴念仁がどこでこんな可愛い子を引っ掛けてきたのかなのよ!
悪いことされてなぁい?何かされそうになったら、お姉さんの所にいらっしゃい。守ってあげるわ?」

綺麗な笑みを浮かべたサディ様にありがとうございますと頭を下げつつも、団長とはそういうのはありませんのでと申告してしまうと、何故だか凄く残念そうな顔をされた。

「だって、弟よ?今までずっと避けてきた制度なのに、今になって弟騎士を連れてきたって言うし…だから、てっきり懇ろな仲なのかと…でも、違うならまずいわね…サハルちゃん、絶対一人になっちゃ駄目よ?
どうしようかしら…私、大丈夫と思って連れてきちゃったのよね…できるだけ、私が傍にいるから、早く王都に帰りましょうね?」

矢継ぎ早に喋るサディ様に、俺ははぁ。と、気の抜けた返事をするしかなかった。
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