【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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68話

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サディ様の天幕から漸く解放されて、俺はまた調理場へ戻る。
食事をした者から、討伐隊は帰還を始め、調査隊は森へ入るらしい。

「サハル…様、本当に大丈夫ですか?」

ふらりと近寄って来たラーシュ様に、大丈夫てす!と、トレイを渡す。
たぶん他の方は撤退準備に忙しいから、さっさと食べて貰おう。
なんて思っていたら、周りの騎士達がザワッとした。

「ラーシュ様、宜しくお願いします。こちらお茶ですから。俺は大丈夫ですよ、ミゲル様に宜しくお伝えください」

あちらでどうぞと任せてしまうと、騎士達が慌ててトレイを持ちますや、お茶を運びますとラーシュ様に言い始めてしまった!と後悔した。

「すみませんラーシュ様、俺、運びますね?」

隣の騎士に任せてトレイを受け取ろうと手を出すと、大丈夫と笑われてしまう。

「このくらいはできるぞ?サハルこそ無理をしないでくれ。何かあったらミゲル様に俺とサディが怒られるからな」

優しく笑うラーシュ様に、はい。と、返事をして俺は再び配膳に戻る。
ラーシュ様はあとから来たクルガン様やサディ様と食事を始めていた。
配膳は途中から調査隊の調理班と交代して食事を取ってから洗い物をしつつ帰路につく予定らしい。
皆が少しずつ声を掛けてくれるのが嬉しかった。

気をつけて帰ってね?

そう言いながら食事を渡して。
自分のを確保してから後は任せる。
調理場の傍でささっと食べてしまおうと腰を下ろすと今頃になって疲れが出てきた。
午後からは調査隊の一部が森へ入るから、井戸水を貰って来なきゃなと思いながら食事をしながら船を漕いでしまい、気付いたら眠っていた。

ハッと目を覚ますとそこは天幕の中で一瞬何処かわからなくて飛び起きた。

「何処…」

そう呟くも答えはない。
そろそろと起き出すと、漸く自分の置かれた状況を思い出した。
寝ちゃってた…。

ちゃんと皆をお見送りしたかったのに。
凹んでもしょうがない。
気を取り直して仕事を探そうと天幕を外に出た。
気をつけてくださいね…そう祈らずにはいられない。


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