【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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80話

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「んぅ…あれ?」

俺は目を覚ましたが、見慣れない景色に飛び起きようとして身体に何か重いものを乗せられている感覚に再び寝台に戻される。
恐る恐る横を向くと、其処に居たのはミゲル様だった。
俺の身体に乗っているのはミゲル様の腕。
静かに眠るミゲル様の寝顔を見ながら昨夜の事を思い出す。
酒場で飲み慣れない酒が美味しくて、つい飲んでしまいながら、楽しく食事をしたことまでは覚えているが…。

その先を知らない。

「あ、あの...…ミゲル様…...此処は何処なんでしょうか…」

目を覚まさないミゲルを揺さぶりながら、俺は何時だろうと部屋の中を見回した。
まだ、朝日が登り始めたばかりなのか、窓の外はまだぼんやりと明るくなっているだけで、自分は休みだがミゲル様には仕事があるのを思い出して慌てる。

「ミゲル様、ミゲル様…...お仕事ありますから」
「ん、サハル…...もう少し...…」

そう呟いたミゲル様に腕を引かれて倒れ込むようにしてミゲル様の胸の中に抱き込められた。
ミゲル様の上半身はいつものように裸体。
ミゲル様は眠るときは薄着になるのは知っているが、朝はいつも普通に起きてくることが多い。
きっちりと着込んで起きてきてくださるので、俺はただ朝のお茶をいれて待つだけ。

「ミゲル様...…」

温もりを求めるような仕種に、しかたないなぁと俺はそっとミゲル様を抱き締めた。
まだ夜が完全に明けるまでには時間がある。


☆☆☆☆☆☆☆

「サハル…すまなかった」

あの後、何とか起こしたミゲル様は顔面蒼白になりながら謝ってきた。

「いえ、たぶん俺が酔い潰れたんですよね?」

あの部屋は酒場が経営する隣接の宿だった。
酔った俺を歩かせるには忍びないとミゲル様が一緒に泊まってくれたらしい。
本当に申し訳ないのはこっちだよと思いながらも、俺達は下の階に向かっている。
朝食を貰いそのまま帰る為だ。

こんな経験は初めてだから、凄く楽しい。
誰かと眠ったことも数えるくらいしかないし。
お酒は美味しかった。
また来たい。
次のお休みはいつだったかな…。
そう思いながら、自然と足は軽くなっていた。
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