【BL】かつて大聖女様と呼ばれていた俺は現在男ですが何か。

梅花

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120話

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「ミゲル様、俺にはこんなに不要ですから」
さっきから、見るもの全てを購入する勢いなミゲル様のお財布を取り上げた。
たくさんもっているのはわかってるけどね。
「ミゲル様のお金なんですから!」
「なら、早く結婚するか?そうすれば、俺の収入もサハルが使える」
「だから、そういう問題じゃなく!結婚したってミゲル様の収入はミゲル様のものなんです!そりゃもしかしたら何か買ってもらう物も出てくるかもしれませんけど……」
だからってそういう事じゃない。
「ミゲル様、俺ミゲル様がお金持ってなくても、騎士団長じゃなくてもちゃんと好きですから。もし収入無くなっても贅沢させられませんが頑張って働きますし……」
俺の気持ちはどうやって伝えたらいいのだろう。
悩みながらそう告げた。こんな場所で言うのもなんだが。
「そんなつもりは……」
「ですよね?ミゲル様。だから、俺はちゃんと欲しいものは伝えます。何でもかんでもは俺が我儘になっちゃいますからね?」
ミゲル様の大きな手にそっと財布を返す。
「サハルを我儘にしたい。今まで大変だった分、大切にしたいんだ」
そう食い下がるミゲル様に、苦笑する。
「お金が全てじゃありませんから。ミゲル様がたくさん俺を愛してくれれば、俺は幸せです。一緒に過ごすとか寝るとか……してくれるのだって、俺は今までそんなこと無かったので幸せなんです」
そう言い切って俺はミゲル様を見上げた。
「もちろん、このリングとかピアスとか嬉しいですよ?でも、それは高いものだからではなくて、ミゲル様が下さったから……リングが高価な銀でなくたって、俺はミゲル様と繋ぐものだから。例えそれが糸だって幸せなんです」
次の瞬間、ミゲル様に抱きしめられた。
ふわりと香るミゲル様の石鹸の香り。
「サハル……」
「はい?ミゲル様、人前ですよ?早いですが、騎士団に帰りますか?」
「…………サハルは他に見たいものとかは…………」
「今はありませんが、また一緒にでかけて下さるのでしょう?ですから、今直ぐに買いたいものはありませんので、見たいものは今すぐでなくても大丈夫です」
「なら、ゆっくりしたい……」
「わかりました、ミゲル様そこのお店で食べるものを購入してから帰りましょうか、作って貰うのも大変でしょうから」
出掛けるために食事はいらないと申請してあるのだ。それを急に食べるとなると、厨房担当が慌てるだろう。
「そうだな、そうしようか……軽くつまめるものでも買おうか」
賛成してくれたミゲル様と一緒に店に入ると、様々なおかずが並び、購入する重さで値段が決まるようだった。
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