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145話
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「はー…………」
ミゲル様が馬上で大きく息を吐き出した。
「ミゲル様、お祖父様の所に行かなくてもいいですよ?」
「いや、こういうのは後にしたら余計に気まずくなるからな」
そう言われてしまえば、俺はそうですかとしか言えない。
「サハル、悪いな……こんなみっともない姿を見せたい訳じゃないんだが」
ミゲル様が小さめの声で吐き出す。
弱音と言うか、愚痴と言うかそんなものをミゲル様が吐いたのを聞いたことがない俺は少し驚きながらミゲル様を見てしまう。
「見えてきたな」
伯爵であるお祖父様が構える屋敷はそれなりに広いため、かなり王宮からも遠い。
いや、それでも近い方に分類されるのだが、それぞれの敷地が広すぎるのだ。
これが普通なのだと聞くとやっぱり貴族の感覚は良くわからない。
「大丈夫ですよ、少し降りて歩きますか?」
「そうだな、そうするか」
ミゲル様が先に馬を止めると下に降り、俺の馬の手綱を掴んでくれる。
慣れない高さから何とか降りると、俺は馬の鼻先を撫でてやる。
それから、ポクポクと馬を歩かせながら門まで辿り着くと、ミゲル様は慣れた手付きで門を開く。
本当ならば門番がいたり、執事が出迎えてくれたりするものなのじゃないかなと思いながら、これまた慣れた足取りで玄関ではなく馬小屋へと向かうミゲル様。
空いた馬房にそれぞれの馬を繋いで鞍を外し、餌と水を与えるまでの速さたるや……
「いらっしゃいませミゲル様、お帰りなさいサハル」
背後から掛かった声はマーサだった。
「帰りました」
「伯爵は……」
「首を長くしてお待ちですよ?どうぞ?」
マーサが俺達を促して玄関へと向かう。そして開けられた扉から中へと入った。
「サハル、大変でしたね……父から聞きましたが」
「いえ、俺は何も」
「お父様、サハルとミゲル様がいらっしゃいました」
「入ってもらえ」
応接間、そこに既に伯爵はゆったりとしたソファーに腰掛けていた。
「サハル、お帰り」
「戻りましたお祖父様」
手を広げるお祖父様に近寄り、抱き締めてもらうとそっとその頬にキスをする。
「ミゲル……」
俺を離したお祖父様は、にこりと笑った後に口元を引き締めてからミゲル様を見やる。
「本日は、報告に参りました」
ミゲル様はそっと膝を折り頭を垂れた。
「うむ、まぁ聞こう」
「…………サハルと、縁をむすびました……事後の報告になり、申し訳ございません」
少しだけ、ミゲル様の声が震えている気がした。
ミゲル様が馬上で大きく息を吐き出した。
「ミゲル様、お祖父様の所に行かなくてもいいですよ?」
「いや、こういうのは後にしたら余計に気まずくなるからな」
そう言われてしまえば、俺はそうですかとしか言えない。
「サハル、悪いな……こんなみっともない姿を見せたい訳じゃないんだが」
ミゲル様が小さめの声で吐き出す。
弱音と言うか、愚痴と言うかそんなものをミゲル様が吐いたのを聞いたことがない俺は少し驚きながらミゲル様を見てしまう。
「見えてきたな」
伯爵であるお祖父様が構える屋敷はそれなりに広いため、かなり王宮からも遠い。
いや、それでも近い方に分類されるのだが、それぞれの敷地が広すぎるのだ。
これが普通なのだと聞くとやっぱり貴族の感覚は良くわからない。
「大丈夫ですよ、少し降りて歩きますか?」
「そうだな、そうするか」
ミゲル様が先に馬を止めると下に降り、俺の馬の手綱を掴んでくれる。
慣れない高さから何とか降りると、俺は馬の鼻先を撫でてやる。
それから、ポクポクと馬を歩かせながら門まで辿り着くと、ミゲル様は慣れた手付きで門を開く。
本当ならば門番がいたり、執事が出迎えてくれたりするものなのじゃないかなと思いながら、これまた慣れた足取りで玄関ではなく馬小屋へと向かうミゲル様。
空いた馬房にそれぞれの馬を繋いで鞍を外し、餌と水を与えるまでの速さたるや……
「いらっしゃいませミゲル様、お帰りなさいサハル」
背後から掛かった声はマーサだった。
「帰りました」
「伯爵は……」
「首を長くしてお待ちですよ?どうぞ?」
マーサが俺達を促して玄関へと向かう。そして開けられた扉から中へと入った。
「サハル、大変でしたね……父から聞きましたが」
「いえ、俺は何も」
「お父様、サハルとミゲル様がいらっしゃいました」
「入ってもらえ」
応接間、そこに既に伯爵はゆったりとしたソファーに腰掛けていた。
「サハル、お帰り」
「戻りましたお祖父様」
手を広げるお祖父様に近寄り、抱き締めてもらうとそっとその頬にキスをする。
「ミゲル……」
俺を離したお祖父様は、にこりと笑った後に口元を引き締めてからミゲル様を見やる。
「本日は、報告に参りました」
ミゲル様はそっと膝を折り頭を垂れた。
「うむ、まぁ聞こう」
「…………サハルと、縁をむすびました……事後の報告になり、申し訳ございません」
少しだけ、ミゲル様の声が震えている気がした。
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