【恋愛】目覚めたら何故か騎士団長の腕の中でした。まさかの異世界トリップのようです?

梅花

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83話

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「ん、ベルゴッド……大丈夫ですから」

美南は抱き締められて驚きながら足を止めた。
美南のちょうど胸の下辺りに回された腕。
そのまま後ろに引かれるが、背中に触れたベルゴッドの胸にその力強さを感じた。

「ミナミ、濡れたら着替えればいいが、風邪をひいたらいけない」
「そんな、今日は暖かいですし」

そう美南は言うが、ドキドキと鼓動が早くなっているのがわかる。
ふわりと香るベルゴッドの香水。
布越しの体温。
肩口に触れるのはベルゴッドの顎だろうか。
こうしたスキンシップに慣れなくて美南はベルゴッドを見ることが出来ない。

「折れそうだ」

囁かれた言葉。

「ん……」

小さな声でも通る低音に、耳を擽られるような感覚に美南はビクッと身体を震わせた。
漏らした声にあわてて口を手で抑えるが、ベルゴッドにはバレてしまっただろう。
美南のくすぐったがりの体質。

「可愛いな、ミナミ……此処が外なのが悔やまれる」
「ベルゴッド……外じゃなくても駄目……此処はベルゴッドの自宅でしょう?お父様やお母様、シルヴィアや弟妹がいるのに」

何処で誰の目があるかわからない。
むしろメイドさんたちもいるのだから、見られるなんて絶対に嫌だ。

「父にも母にもミナミと恋人になったのだと、伝えてある。だが、二人にはお見通しだったようだ」
「え?」
「俺がミナミを愛していること。生涯の伴侶にしたい事……」
「待って、ベルゴッド。まだ早くないですか?」
「ミナミを手放すつもりなど無いからな」

言い切ったベルゴッド。

「もう、ベルゴッドってば……」

ベルゴッドの言葉に嬉しさ半分、恥ずかしさ半分。
美南はそっと背中を預ける。

「今夜、騎士団に帰る?次のお休みが重なる時は二人で出掛けない?」

デートしてみたいなと、美南はちらりとベルゴッドを見上げた。

「そうだな、行きたい所があれば。無ければ泊まりがけで観光もいいかもな」
「ベルゴッドは休めるの?」
「休むさ」
「うん、ベルゴッド……座ろう?」

立って話すのもどうかと言うと、ベルゴッドは回していた腕を解き、噴水の石造りの部分に座り自分の膝をポンポンと叩く。
え、まさかのそこに座れと言うの?
美南は動きを止める。

「ほら、ミナミこれならドレスが汚れないぞ」

それはわかるが、難易度が高くない!?
そう思うも満面の笑顔のベルゴッドを見てしまうと項垂れるしかなかった。
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