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3話
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今、なんて言った? ヴィンセントさんは何と言ったのだろうか。
「え?」
フェイは聞き返してしまう。
「花街に行かないんだろ? フェイが嫌でなければ俺がするけど。ほらこの薬の事を内緒にしてくれるお礼にさ」
コトリと、ヴィンセントは瓶を机に置いた。
立ち上がりゆっくり近付いてくるヴィンセントをフェイは目で追う。
近い近い近い!
どんどん近付いてくるヴィンセントに視界が埋め尽くされてもフェイは視線を逸らせず動く事ができなかった。
「フェイの恋愛対象は男……だろ?」
低く腰に響く声。
骨張った指に顎を掴まれ顔を動かせなくて、視線だけ下を向く。
声が出ず、こくりと喉が鳴った。
今まで誰にも言ったことが無かったのに。
フェイは否定しなければと思えば思う程声にならなくてヴィンセントから視線を逸らすしかできなかった。
答えが無いのが間違っていないという答えになってしまっている。
「フェイ、間違ってはいないだろう?」
「……ぁ」
唇を指でなぞられると、背中にぞくりと言いようのない感覚が駆け上がってくる。
「ヴィン……セン……トさ……」
「見てればわかるさ、まあ、俺もそうなんだがな」
え。
僕は耳を疑った。
「フェイは俺の中で見た目がかなり好みなんだ……恋人になって欲しいと思っているが、先に身体の相性を確認してもいいかと思ってな? だから薬を頼んだんだ。フェイを満足させられるように……な」
にこりと笑うヴィンセントの目は笑っていない。
フェイの小さな顎に添えた手はそのままに、ヴィンセントは逆の手で机の上を手探りして先ほどの小瓶を手にして蓋を開く。
キュッポンと音がして蓋が外れると、ヴィンセントは一気にその中の液体を口にし嚥下た。
一気に全部飲み干したヴィンセントは無操作に飲み干した瓶を机に置いて、もう一本を取り出す。
まさか、もう一本飲むのかとフェイは慌ててその手を掴んだ。
「いけません!」
「ふ……フェイ、お前が飲むんだよ」
クスクス笑うとヴィンセントはもう一本を開けて中身を全部口に含むと、フェイはヴィンセントに口付けられてぬるりとしたもので唇を割開かれるとその隙間から液体が流れ込んできたのを感じた。
フェイは飲んではいけないとわかっているのにヴィンセントに腰をがっちりと抱かれて動けなくなって、その液体を飲み込むしか出来なかった。
「は……っあ」
甘ったるい味。とろりとした液体が喉を滑り落ちていく。
「これで、処理をしないといけなくなったな」
フェイの唇を親指で拭ったヴィンセントは、細くゆっくりと息を吐く。
「すげぇな、これが性欲剤……か」
飲んでから半刻ほどすると効果が現れると書いてあったのに、ヴィンセントは飲んでからすぐに熱い吐息を漏らした。
「悪いな、お前を満足させられたら恋人になってくれ、薬を頼るなんてしちゃ卑怯だとわかってるけどそれだけお前が欲しいんだ」
一歩間違えれば犯罪になる行為だが、フェイは心の隅でヴィンセントに抱かれたいと思っていた。
あの優しい声や、力強い腕に抱かれる女性は幸せだろうと思った。
十人並の容姿の自分は見向きもされないだろうと思っていたのに。
「は……あっ……薬なんて頼らなくても……僕、ヴィンセントさんを好き……でした。性欲剤なんて飲んでまで……抱きたい人がいるなんて、羨ましいってちょっと思ってたんです……そんなに何度も一晩で……んんッ」
胃の腑から下の辺りにぼんやりと火が灯ったようにあたたかくなったかと思った瞬間、ピクリと身体が跳ねた。
「や、熱い……」
足の間に熱が集まるような感覚。
試しに飲んでみた時とは全く違う強い快楽。
「身体が火照るな……フェイ、寝台を貸してくれ」
ヴィンセントの蕩けるような甘い声に、僕はそろそろと奥の部屋を指さす。
扉の向こうに本当に寝るだけの寝台がある。
だが、ふたりの体重をささえられるだろうか。
「行くぞ?」
ヴィンセントが軽々とフェイを横抱きに抱き上げ大股で寝室へと向かう。
フェイを抱いたまま、スパンと扉が横に開いたからきっとヴィンセントが器用に足で開けたのかもしれない。
綺麗にしてはいるつもりだが、誰かを入れたことのない寝室。
ヴィンセントはフェイを寝台に下ろすと、フェイは熱くなった上体をよじって枕元のランプを点けた。
ぼんやりと明るくなった室内。
「ふは、フェイらしい部屋だな」
ヴィンセントがシャツを脱ぎながら笑う。
「高く詰んだ本は薬草の本か? 一冊くらい中に春画本が混ざってるなんて事は……フェイにはねぇか?」
春画とは、夜の営みを描いた本だ。
「え、あの……」
「あるのか? フェイがどんなプレイが好きなのか気にはなるが」
ヴィンセントが笑うが、自分の性癖などわからないが男同士がどう交わるのか気になって買った本が一冊だけ寝台横の棚の引き出しに他人の目に付かないように入れてあった。
無意識に視線を送ってしまったのだろう、ヴィンセントはここか? とその引き出しを引いて中の本を取り出すとパラパラと捲る。
「あ」
フェイはそれを止めようとしたが、ヴィンセントの方が早い。
「へぇ、フェイはこんなのが好きなんだな?」
そうヴィンセントの声が降ってきて、フェイは顔を両手で被った。
恥ずかしいのだ。
「フェイは、大男に組み敷かれるのが好きなのか? どんな事を想像して、自分を慰める?」
ヴィンセントの口から零れる卑猥な言葉。
「ほら、こっちを見ろよ。春画よりいい思いをさせてやる」
パサリと本が閉じる音がして顔を覆っていた手にヴィンセントの手が触れたのだろう、他人の体温を感じた瞬間強い力でその手が頭の上に引っ張りあげられると纏めて拘束された。
「え?」
フェイは聞き返してしまう。
「花街に行かないんだろ? フェイが嫌でなければ俺がするけど。ほらこの薬の事を内緒にしてくれるお礼にさ」
コトリと、ヴィンセントは瓶を机に置いた。
立ち上がりゆっくり近付いてくるヴィンセントをフェイは目で追う。
近い近い近い!
どんどん近付いてくるヴィンセントに視界が埋め尽くされてもフェイは視線を逸らせず動く事ができなかった。
「フェイの恋愛対象は男……だろ?」
低く腰に響く声。
骨張った指に顎を掴まれ顔を動かせなくて、視線だけ下を向く。
声が出ず、こくりと喉が鳴った。
今まで誰にも言ったことが無かったのに。
フェイは否定しなければと思えば思う程声にならなくてヴィンセントから視線を逸らすしかできなかった。
答えが無いのが間違っていないという答えになってしまっている。
「フェイ、間違ってはいないだろう?」
「……ぁ」
唇を指でなぞられると、背中にぞくりと言いようのない感覚が駆け上がってくる。
「ヴィン……セン……トさ……」
「見てればわかるさ、まあ、俺もそうなんだがな」
え。
僕は耳を疑った。
「フェイは俺の中で見た目がかなり好みなんだ……恋人になって欲しいと思っているが、先に身体の相性を確認してもいいかと思ってな? だから薬を頼んだんだ。フェイを満足させられるように……な」
にこりと笑うヴィンセントの目は笑っていない。
フェイの小さな顎に添えた手はそのままに、ヴィンセントは逆の手で机の上を手探りして先ほどの小瓶を手にして蓋を開く。
キュッポンと音がして蓋が外れると、ヴィンセントは一気にその中の液体を口にし嚥下た。
一気に全部飲み干したヴィンセントは無操作に飲み干した瓶を机に置いて、もう一本を取り出す。
まさか、もう一本飲むのかとフェイは慌ててその手を掴んだ。
「いけません!」
「ふ……フェイ、お前が飲むんだよ」
クスクス笑うとヴィンセントはもう一本を開けて中身を全部口に含むと、フェイはヴィンセントに口付けられてぬるりとしたもので唇を割開かれるとその隙間から液体が流れ込んできたのを感じた。
フェイは飲んではいけないとわかっているのにヴィンセントに腰をがっちりと抱かれて動けなくなって、その液体を飲み込むしか出来なかった。
「は……っあ」
甘ったるい味。とろりとした液体が喉を滑り落ちていく。
「これで、処理をしないといけなくなったな」
フェイの唇を親指で拭ったヴィンセントは、細くゆっくりと息を吐く。
「すげぇな、これが性欲剤……か」
飲んでから半刻ほどすると効果が現れると書いてあったのに、ヴィンセントは飲んでからすぐに熱い吐息を漏らした。
「悪いな、お前を満足させられたら恋人になってくれ、薬を頼るなんてしちゃ卑怯だとわかってるけどそれだけお前が欲しいんだ」
一歩間違えれば犯罪になる行為だが、フェイは心の隅でヴィンセントに抱かれたいと思っていた。
あの優しい声や、力強い腕に抱かれる女性は幸せだろうと思った。
十人並の容姿の自分は見向きもされないだろうと思っていたのに。
「は……あっ……薬なんて頼らなくても……僕、ヴィンセントさんを好き……でした。性欲剤なんて飲んでまで……抱きたい人がいるなんて、羨ましいってちょっと思ってたんです……そんなに何度も一晩で……んんッ」
胃の腑から下の辺りにぼんやりと火が灯ったようにあたたかくなったかと思った瞬間、ピクリと身体が跳ねた。
「や、熱い……」
足の間に熱が集まるような感覚。
試しに飲んでみた時とは全く違う強い快楽。
「身体が火照るな……フェイ、寝台を貸してくれ」
ヴィンセントの蕩けるような甘い声に、僕はそろそろと奥の部屋を指さす。
扉の向こうに本当に寝るだけの寝台がある。
だが、ふたりの体重をささえられるだろうか。
「行くぞ?」
ヴィンセントが軽々とフェイを横抱きに抱き上げ大股で寝室へと向かう。
フェイを抱いたまま、スパンと扉が横に開いたからきっとヴィンセントが器用に足で開けたのかもしれない。
綺麗にしてはいるつもりだが、誰かを入れたことのない寝室。
ヴィンセントはフェイを寝台に下ろすと、フェイは熱くなった上体をよじって枕元のランプを点けた。
ぼんやりと明るくなった室内。
「ふは、フェイらしい部屋だな」
ヴィンセントがシャツを脱ぎながら笑う。
「高く詰んだ本は薬草の本か? 一冊くらい中に春画本が混ざってるなんて事は……フェイにはねぇか?」
春画とは、夜の営みを描いた本だ。
「え、あの……」
「あるのか? フェイがどんなプレイが好きなのか気にはなるが」
ヴィンセントが笑うが、自分の性癖などわからないが男同士がどう交わるのか気になって買った本が一冊だけ寝台横の棚の引き出しに他人の目に付かないように入れてあった。
無意識に視線を送ってしまったのだろう、ヴィンセントはここか? とその引き出しを引いて中の本を取り出すとパラパラと捲る。
「あ」
フェイはそれを止めようとしたが、ヴィンセントの方が早い。
「へぇ、フェイはこんなのが好きなんだな?」
そうヴィンセントの声が降ってきて、フェイは顔を両手で被った。
恥ずかしいのだ。
「フェイは、大男に組み敷かれるのが好きなのか? どんな事を想像して、自分を慰める?」
ヴィンセントの口から零れる卑猥な言葉。
「ほら、こっちを見ろよ。春画よりいい思いをさせてやる」
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