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「ほかにも、貴方の誕生石のサファイア……このスターサファイアなんてどうかしら?たまにしか採掘されない紫のサファイアよ?」
青ではなく少し赤みの含まれたサファイアに星が入ると、稀少価値がぐんとあがる。
「紫なら貴方の瞳にも良く似合うわ……それと……珊瑚も、ルビーも、アレキサヲンドライトもいいわね……」
「お、お母様大丈夫ですから、そんなには……」
母が暴走しそうになるのを止めながら、ライラックは何でも詰め込もうとしたジュエルケースの蓋をした。
沢山宝石を持っているとはいえ母が父の財産を散財している訳では無いのだ。
「私の娘は貴方一人だもの、全て財産は貴方に引き継ぐものよ?」
さらりと母が言ってのけ、ライラックは目頭が熱くなる。
「だからね、全て貴方に残すものだからどういう風に使っても構わないわ。もし、インディーヴァラ伯爵様に何かあったらこれを使いなさいね?貴方がする事にわたしたちは反対はしないわ」
「ありがとうございます」
ぎゅうっと抱き着く母は小柄で可愛らしい。
「さて、後の支度は大丈夫かしら、大丈夫ならライラはわたしとお風呂にしちゃいましょ?磨きをかけなきゃならないものね!ほら、誰か手伝って頂戴」
母のよく通る声に、数名のメイドが集まってくる。
「お風呂の準備をお願いね?明日、伯爵がいらっしゃるかもしれないから隅々まで綺麗にしてあげて頂戴?」
母の号令にライラックはメイド達に湯殿に拉致をされた。
全裸にされると湯船に浸からされ身体が温まる頃を見計らって全身を洗い上げられた。
全身に塗り込められた香油には、ライラックが育てた香草が使われている。
「お綺麗ですね、ライラック様」
メイドに言われて、そうかしらとライラックは首を傾げた。
それなりの凹凸はあるつもりだが、エリック様にはそんな事を言われたことは一度も無かった。
「リリー様に良く似ていらっしゃって、この玉の肌に豊かな銀髪ですもの」
「でしょう?わたしに良く似ているでしょう?」
隣の長椅子に俯せになりながら母が気持ち良さそうに髪を洗って貰っている。
三人も子供を産んだように見えない綺麗な体型でいまだに父とラブラブな関係を築いている。
「自慢の娘よ?だから、辺境伯領に行ってダメだと思ったら我慢しないで直ぐに出戻りなさい?」
はっきりと物事を言う母に、ライラックは曖昧な苦笑を向けた。
娶っていただくのに出戻るなどという選択はないのだ。
何度も何度も全身に香油を擦り込まれ、何とか湯殿から出たライラックには絹のネグリジェ。
初夜でもあるまいにと思いながらも、まだ暖かい身体を部屋の中で冷ましていた。
テーブルに置かれた果実水は、酸味の強い果実が使われ乾かされた髪にもう一度香油を軽く塗られた。
「では、お食事の時間前にまた来てお支度をさせていただきますね?」
全員のメイドが部屋を辞していき、ライラックは一人取り残された。
一人でいる事は慣れているのだが、何となく落ち着かない。
本当にインディーヴァラ伯爵様は明日いらっしゃるのだろうか。
それとも数日後?
それともやはり婚約・結婚式は中止になるのではないかしら?
不安を抱えたライラックは軽く髪を纏めてから寝台へとダイブした。
ポスッとライラックの体重を受け止めた寝台は昔から使っているもので、大きめではある。
「枕は持って行っていいかしら……」
変わったら寝られなくなる訳では無いが、何となく持って行きたい。
そんな事を思いながら、ライラックは夕食までに時間を潰す。
暫くして、夕食の時間を告にライラックの部屋の扉がコンコンとノックをされたのだった。
青ではなく少し赤みの含まれたサファイアに星が入ると、稀少価値がぐんとあがる。
「紫なら貴方の瞳にも良く似合うわ……それと……珊瑚も、ルビーも、アレキサヲンドライトもいいわね……」
「お、お母様大丈夫ですから、そんなには……」
母が暴走しそうになるのを止めながら、ライラックは何でも詰め込もうとしたジュエルケースの蓋をした。
沢山宝石を持っているとはいえ母が父の財産を散財している訳では無いのだ。
「私の娘は貴方一人だもの、全て財産は貴方に引き継ぐものよ?」
さらりと母が言ってのけ、ライラックは目頭が熱くなる。
「だからね、全て貴方に残すものだからどういう風に使っても構わないわ。もし、インディーヴァラ伯爵様に何かあったらこれを使いなさいね?貴方がする事にわたしたちは反対はしないわ」
「ありがとうございます」
ぎゅうっと抱き着く母は小柄で可愛らしい。
「さて、後の支度は大丈夫かしら、大丈夫ならライラはわたしとお風呂にしちゃいましょ?磨きをかけなきゃならないものね!ほら、誰か手伝って頂戴」
母のよく通る声に、数名のメイドが集まってくる。
「お風呂の準備をお願いね?明日、伯爵がいらっしゃるかもしれないから隅々まで綺麗にしてあげて頂戴?」
母の号令にライラックはメイド達に湯殿に拉致をされた。
全裸にされると湯船に浸からされ身体が温まる頃を見計らって全身を洗い上げられた。
全身に塗り込められた香油には、ライラックが育てた香草が使われている。
「お綺麗ですね、ライラック様」
メイドに言われて、そうかしらとライラックは首を傾げた。
それなりの凹凸はあるつもりだが、エリック様にはそんな事を言われたことは一度も無かった。
「リリー様に良く似ていらっしゃって、この玉の肌に豊かな銀髪ですもの」
「でしょう?わたしに良く似ているでしょう?」
隣の長椅子に俯せになりながら母が気持ち良さそうに髪を洗って貰っている。
三人も子供を産んだように見えない綺麗な体型でいまだに父とラブラブな関係を築いている。
「自慢の娘よ?だから、辺境伯領に行ってダメだと思ったら我慢しないで直ぐに出戻りなさい?」
はっきりと物事を言う母に、ライラックは曖昧な苦笑を向けた。
娶っていただくのに出戻るなどという選択はないのだ。
何度も何度も全身に香油を擦り込まれ、何とか湯殿から出たライラックには絹のネグリジェ。
初夜でもあるまいにと思いながらも、まだ暖かい身体を部屋の中で冷ましていた。
テーブルに置かれた果実水は、酸味の強い果実が使われ乾かされた髪にもう一度香油を軽く塗られた。
「では、お食事の時間前にまた来てお支度をさせていただきますね?」
全員のメイドが部屋を辞していき、ライラックは一人取り残された。
一人でいる事は慣れているのだが、何となく落ち着かない。
本当にインディーヴァラ伯爵様は明日いらっしゃるのだろうか。
それとも数日後?
それともやはり婚約・結婚式は中止になるのではないかしら?
不安を抱えたライラックは軽く髪を纏めてから寝台へとダイブした。
ポスッとライラックの体重を受け止めた寝台は昔から使っているもので、大きめではある。
「枕は持って行っていいかしら……」
変わったら寝られなくなる訳では無いが、何となく持って行きたい。
そんな事を思いながら、ライラックは夕食までに時間を潰す。
暫くして、夕食の時間を告にライラックの部屋の扉がコンコンとノックをされたのだった。
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