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2章

14話

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「やっぱり少し水が足りないか」
乾燥した土地なのは気温や湿度でわかっていた。
それに適した野菜……。
そして水。
肥料。
俺の記憶しているものとは全く違う。
だけど、きっとこうしろと言っても今までやってきた人達にだってプライドはあるだろう。
「リャムルさん、この野菜はたくさん小さな実を付けますか?」
リャムルに聞いてみる。
親指と人差し指で丸を作るようにして聞いてみる。
俺の問い掛けに頷いたリャムルに、何本か腰くらいの長さの気の棒があるか聞くと、細いのならばと取りに行ってくれる。
その間にも他の野菜を見て回る。
「できればビニールシートが欲しいんだけどな……」
撒いた水が蒸発しないように土を覆いたい。
空を見上げると雲は無い。
雨はいつ降るのだろうか。
リャムルが暫くすると細い竹のような棒を何本か持ってきた。
それを俺は受け取って苗の横に刺す。
それに苗の先端を少し絡ませる。
「なっ!」
リャムルが驚くのと同時に俺は付いていた青い実を幾つかもぐ。
「なにをっ!」
掴み掛からんばかりの様子に、それをセラフィナが止めていた。
「ごめんなさい、取り敢えず俺にこの二本の苗を下さい。きっと隣の苗の実より大きいものができますよ」
そうして、もいでしまった青い実をポケットにしまう。
勿体無いからピクルスにでもしよう。
あと、あっちの野菜には座布団を敷かせたい。
それと、堆肥も見たいけれどリャムルにはもう案内してもらえないだろう。
けれどこういうものって結果を見せないとダメだと思うんだよね。
そう思いながら俺は苗の回りに手を使って溝を作る。
本当は植える前に畝を付くったり、肥料を入れて混ぜたりしたい。
できれば俺の畑が欲しいなぁなんて思ってしまってから、カミーユに頼んでみようかと思った。
何処かに耕していない土地でいいから貰えないかなって。
「セラフィナ、ごめんカミーユと逢えるのはいつになるかなぁ」
顔を上げるとセラフィナが側にいた。
「夜になればお戻りになるかと」
「わかった、じゃあ俺は草を抜いていくからセラフィナは日陰にいて?熱中症になるといけないからね」
「ネッチュウショウ?」
「あ、あぁ汗をたくさんかいて具合が悪くなるといけないよ?」
「なら、ミオリ様どうかミオリ様もお茶を飲んでから……」
「俺は大丈夫だよ少し畑にいるね」
セラフィナの言葉を遮って俺は畑の端から雑草を抜きにかかる。
こいつらにやる水分を少しでも野菜にまわしたい。
きっとリャムルとかも抜いてはいるのだろうけれど、少しの雨でどんどん生えてきてしまうのだから仕方ない。
俺は懐かしさもあって無心で雑草を抜いていくのだった。
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