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24話

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気力が充実していると身体も動くようで、あれからフェンリエッタはぐんぐんと歩けるようになった。
食事量も増えて、小さいが花を咲かせられるようにもなった。

「これで明日は出掛けられるわ」

ベルナルドが帰ってから、フェンリエッタはもう少し歩こうと中庭へと向かった。

☆☆☆☆☆☆☆

翌日、快晴。
お出かけ日和。
フェンリエッタは動きやすい膝下丈のワンピース。
ベージュとモスグリーンの落ち着いたデザインに、足元は履き慣れた焦げ茶の班長靴ショートブーツ
モスグリーンのリボンをあしらった少し広い鍔の帽子とスクエアバッグ。
少し良いところのお嬢様風を選び、髪はキラリと光るガラス細工のバレッタで、ハーフアップ。
自室から広間に向かうと、その先のソファーでベルナルドが既に待っていた。

「ベルナルド様、申し訳ありません」
「いえ、知らせなくていいと言っておいたので…ただ、まだ時間には早いですよ?」

ちらりと壁掛け時計を見上げると、まだ予定よりは少し早かった。

「ベルナルド様こそ…」
「楽しみで気が急いてしまいまして。それにしても今日も可愛らしいですね」
「ありがとうございます」

笑みを浮かべたフェンリエッタだったが、ベルナルドの姿も素敵だと思う。
伝えたのは出かける事だけで、服装などについては何も言わなかったのだが、ベルナルドは落ち着いた白いシャツに黒いジレ、濃紺のトラウザーズ。
シンプルな出で立ちだが、見る人が見れば布の上等さや、シャツに入った刺繍などで高貴な人間だとわかるだろう。

「行きましょうか」

差し出された手を取りながらふとフェンリエッタはベルナルドを見た。

「ベルナルド様、近しい人は私をフェンと呼びますのよ?」
「では、フェン、行きましょうか」
「はい」
「私をベルと呼んでくださいますか?」
「喜んで」

某王子にすら、愛称て呼ぶことを許さなかった…あちらは許していないのに勝手に呼んではいたが…
それだけ気心が知れたと思う。

「フェン、今日の目的は何?それとも何かを探している?」

ベルナルドが聞いてくる。

「欲しいものはありますけと…ゆっくり見てまわりますわ。ね?」

いつものよりは少し簡易な馬車に乗り込むと、車輪が回る。
ふたりのお出かけは始まったばかり。
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