昼の蟷螂 ネタバレ

歌川ピロシキ

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昼の蟷螂

其の十三

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 昨日ようやく主人公二人が出会ったと思ったら秒で逃げ出しました……orz
いやまぁ、人間の倍速で動く生物をつかまえるなら、罠にかけるか合意を得るしかありませんな。

 閑話休題。
 今回は巻き込まれてしまった少年をオーウェンが連れ帰るシーンです。今回、少年がアザットとのかかわりをざっと話すところまで行きたかったのですが、長くなったので途中で切りました<(_ _)>

 どうしても描きたかったのは、一つ目は、ハリスのようなこの国の為政者の側の人間が持つ傲慢さと偏見。貧しいものや身分の低い者、異種族を蔑んでおり、踏みにじっても平然としています。オーウェンは小さなころから神殿で神官としての修行を積んでから騎士になったのでピュアなままですが、一般的な貴族はハリスみたいな人が多いです。

 ちなみに以前もちらっと出てきましたが、この国は秩序と公正を司る神テフィーヌを奉じており、教皇が国を治めています。そのため、教会に都合の悪い存在は差別と排除の対象となってきました。草原妖精も排除の対象となり、ほとんどの者は国外に逃れましたが、逃げ遅れた者や何らかの事情で国内に残った者は殺されたことになっています。同じく体質的に神託を聞くができない森妖精も蔑視の対象ですが、草原妖精のように迫害や虐殺には遭っていません。

 今回描いておきたかったもう一つは貧民街で生まれ育った人々の現状ですね。詳しくは描けませんでしたが、保護した少年は物心ついた時にはもう親の姿はなく、自分の名前も知らないままです。
 幼少時から教会で育っているオーウェンは、清貧の中で育ってはいるものの、そういった賤しい立場の人々の苦境は理解していませんでした。今回、貧民の少年と接した事でこの国の持つ歪みを実感して悩んでいることでしょう。

 さて、明日こそ少年にアザットとの関係を話してもらって、もう一度本人に登場していただく所存です。

 ……今度こそちゃんとしゃべってほしいなぁ……
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