香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く 

液体猫

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金明《ジンミン》妃の侍女

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 侍女の服に着替えた香 麗然コウ レイランは、同期の楊凛ヨウリンとともに金明ジンミン妃の元へと訪れた。

「お待たせしました金明ジンミン妃、これから宜しくお願いいたします」

 礼儀正しく拱手する。けれど……

 (……んん?)

 なぜだろうか。皆の視線が痛い。そう思えるほどに、その場にいる人たちからの熱心な視線を受けていた。侍女たちはもちろん、金明ジンミン妃ですら顔を赤らめて、両目を見開いている。侍女たちが「負けた」だの、「何を食べたらそんなに育つの?」だのと、涙ながらにひそひそ話をしてあた。 
 香 麗然コウ レイランは首を傾げ、どうしたのかと皆に尋ねる。すると楊凛ヨウリンが、こっそりと耳打ちをしてきた。

香 麗然コウ レイランは、かなり……その……大きい、んですね?」

「大きい? 何が?」

 身長は十五歳の平均と言われている。体重もそうだ。では、何が大きいと言うのか。香 麗然コウ レイランには、最後までそれがわからなかった。

 □ □ □ ■ ■ ■

 謎の視線が地味に精神に来たようで、香 麗然コウ レイランは園でぐったりとしていた。園の中枢にある東屋で、盛大なため息をつく。丸い机に伏せって、うーうー唸った。

 (何だったんだろう? 大きいって、何が?)
  
 初日でこれでは、明日から思いやられる。香 麗然コウ レイランは、しくしくと泣きたくなってしまっていた。

「──香 麗然コウ レイラン、こんなところで何をしている?」

「……あっ」

 悩む彼女の横に、整った顔立ちの青年、曹朱ツァオジュが座る。腰の剣を外し、ジッと見つめてきた。
 香 麗然コウ レイランはきょとんとしながら、見つめ返す。

曹朱ツァオジュ! 私ね、金明ジンミン妃の侍女になったのよ!」

 伝えなければならないと思い、笑顔で話した。彼は表情を崩すことなく、おめでとうと言ってくれる。
 そのことに気をよくした香 麗然コウ レイランは彼の手を握った。

「ありがとう! 曹朱ツァオジュが応援してくれたから、受かったんだよ。しかも、目的の妃の元にだよ?」

「そう……か…………うっ!」
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