香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く 

液体猫(299)

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金明《ジンミン》妃の侍女

香死《かし》を辿って

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 香 麗然コウ レイランは白くて可愛らしい二匹のシマエナガを連れてきた。
 部屋の前で待つ曹朱ツァオジュと目を合わせて、彼に下がるように頼む。彼は大人しく部屋から離れ、近くにある柱へと移動した。
 それは確認した彼女は部屋の中を指さし、二匹のシマエナガに、中に入るように促す。シマエナガはジュリリと鳴き、白い翼を広げて中へと入っていった。

『いやー、あんた。よくこんな死臭が強いところに入れたわね。体調悪くなったんじゃないの?』

 二匹のうち、部屋の天井をぐるぐる飛ぶシマエナガの方が喋る。もう一匹は木箱の上に乗り、のんきに眠りこけていた。
 あまりにも自由すぎる鳥たちに、香 麗然コウ レイランは苦笑いしか浮かんでこない。

「もう。遊んでる場合じゃないでしょ? さっさと、浄化しなさい」 

 部屋の中には入らず、廊下で注意した。

 すると空中を飛び回っていた方が、木箱の上で寝ている鳥を足で摘まむ。どちらも可愛らしくジュリリと鳴き、一匹ずつ部屋の左右にわかれて、空中で羽をばたつかせた。
 次の瞬間、二匹はくちばしを大きく開ける。そして蚊の鳴くような声で歌い始めた。低音と高音が混じる、美しい二重奏ができあがる。同時に、部屋の温度がぐっと下がっていった。
 よく見てみれば二匹の口から、白い粒のようなものが無数に出ている。

 香 麗然コウ レイランはそれを手のひらの上に乗せた。白い粒は彼女の体温に負け、一瞬で溶けていく。

「……相変わらず不思議よね。何で、口から雪が出てくるのよ?」
 
 香 麗然コウ レイランにとっては見慣れた景色だ。さして驚く様子もなく、手のひらの上で溶けていく雪をじっと見つめている。

 蚊帳の外だった曹朱ツァオジュが、彼女の隣に立った。部屋の中へと手を伸ばし、それが雪であることを確認する。

「……本当だ。これは雪だな。しかし、なぜ雪なんだ?」

 二人は寒さに震えることもなく、ただ、ジッと二匹を見つめていた 吐く息は白く、手の指先から徐々に体温が奪われていく感覚を覚える。
 それでも二人は目をそらすことなく、ことの成り行きを見守っていた。
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