【R18】お盆

トキどき

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2.下心

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「滑りやすいから、足元気をつけて」
「ありがと」

 彼女を連れてきたのは、海水浴場からは少し離れた岩場だった。
 歩きづらいだろうと差し出した手を、彼女は迷わずぎゅっと握る。
 
 岩肌に当たって跳ねた波が、時々足元にかかり、逸る熱を冷ましてくれた。
 しばらく歩いた先、少し奥まったところへと誘導する。
 そこには小さな洞窟があった。

「すごーい、こんなトコあるんだ」
「波が削って作ったんだって」

 反響する自分の声を楽しんでいる彼女を、後ろから抱きすくめ、首筋にキスを落とす。

「あっ…」

 ついばむようなキスを繰り返しながら、俺は身体のラインに沿ってゆっくりと手を這わせていった。
 白い布の上にたどり着き、形を確かめるように優しく揉むと、うっすら焼けた小さな手が重なる。

「ん…ちょっと」
「なに?」

 重なった手を恋人つなぎに直して、指先にもキスを贈る。
 彼女の視線が指に集中している間に、もう片方の手を布の内側に滑り込ませた。
 敏感な部分を優しくなぞると、彼女は一際甘い声で啼く。

「っあ…だって、ここで…?」
「したかったんだろ。普段と違うコト」

 耳元で囁くと、彼女の体がふるりと震えた。
 唇を指から甲へ、肘へと動かしていく。
 腕を取られた彼女は、キスの位置が変わるごとに、少しずつ身体をこちらへと向け始めた。

 肩にたどり着いたころには完全に向かい合う形になる。
 キスの合間に押しのけた布は、彼女の胸とは反対に、その上で窮屈そうに縮こまっている。
 すでに硬くなった胸の先端を、俺はぱくりと口に含んだ。

「あぁっ」

 本能的に漏れ出た声が反響して、耳に届く。
 先端を丁寧に舐めまわしながら、ショーツの中へ手を進めると、ぬるりとした感触が指にまとわりついてきた。

「ふっ、ぅん…」
「声、我慢しないで。もっと聞かせてよ」

 わざと水音をたてるように指の動きを早めると、抑えきれないのか、彼女の声は次第に大きく大胆になっていった。
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