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44.気づき
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「そういえば、買い物って何買ってきたの?」
「シードルです。隊長とお昼をご一緒した時に美味しかったので、友達に贈ろうと思って」
そう言うとユールが慌てだした。
「ごめん、俺、鞄しか持ってきてない」
「大丈夫です。後でトート宛に隊舎に送ってくれることになっているので」
取りに戻ろうとしたのか、椅子から腰を浮かせたかけたユールだったが、そのまま大人しく座り直す。
「よかった。酒場に置いてきたかと思って焦った…」
「そういえば、酔っている間、私大丈夫でした?ご迷惑おかけしてないですか?」
楽しかったことは覚えているが、何を話したとか、どれだけ飲んだかとか、ほとんど記憶にない。
「俺は店からここまで送ってきただけだから。ずっと機嫌よかったし、特に気になることはなかったよ。店の中の事は今度トートに聞いてみたらいいんじゃないかな。みんな楽しそうにしていたから、大丈夫だと思うけど」
ユールは何か思い出したようで、少しだけばつの悪そうな顔をした。
「そうですね。何か手土産持って謝ってきます。リックさんにも謝らなきゃ」
「リックはいいんじゃないかな」
ユールが即座に言った。
「そういうわけにはいきませんよ。魔羊も見たいですし」
「魔羊?」
急に出てきた『魔羊』の単語に、話の見えないユールは訝し気に問い返す。
「リックさんのお家、畜産業を営まれているそうなんです。魔羊や魔牛も扱っていて、見学させてくれるって言ってました」
嬉しそうに話すリントとは対照的に、ユールは苦虫をかみつぶしたような顔だ。
「それ、俺も行く」
「先輩も?」
嫌そうな顔をしているので、てっきり苦手なのかと思ったが違うのだろうか。
「うん。仕事の参考にもなるし。リックには俺から言っておくから」
「そう、ですか?」
なんだかユールに頼りっぱなしな気がして、ちょっと気が引ける。
躊躇しているリントに、ユールはさらに言葉を重ねた。
「ほら、俺の方が向こうも気兼ねなく話せるから、予定とか合わせやすいし。ね?」
「じゃぁ、お願いします」
「まかせといて」
ユールが笑顔で答える。
ちょうどお茶も空になったので、リントは『片付けますね』とソファから立ち上がった。
その背でユールが安堵のため息をついているなど、リントには思いもよらなかった。
お茶を入れてもらったので、片付けは全部するつもりだったのだが、いつの間にか洗うリントの隣にふきんを持ったユールが立っていた。
おかげであっという間に終わって、今は帰る準備をしている。
「これ、鞄」
「ありがとうございます」
「一応中身確認してくれる?無いものあったら困るし」
受け取った鞄を開き、上から覗き込む。
一番大事なIDカードに財布と筆記用具、少しの化粧品。
ちゃんと揃っている。
いつもは入っていない茶色の紙袋も潰れることなくそこにあった。
リントは紙袋をそっと持ち上げると、中身を取りだす。
「それ…」
リントの掌にちょこんと座る猫を見て、ユールが驚いている。
「かわいいですよね。羊毛フェルトっていうんだそうです。無性にこの子に惹かれて。衝動買いしてしまいました」
『触ってみます?』とリントはユールに向けて手を差し出した。
おそるおそる手を伸ばしたユールは、その出来に感動している。
「本当に、そっくりだね。びっくりした」
「気に入りました?持って帰ります?」
いろいろな角度から眺めているユールに、提案してみる。
「けど、これリントが気に入って買ってきたんでしょ?」
「そうですけど、先輩が喜んでくれるなら、私も嬉しいですから。…さっきの話ってそういうことですよね?」
言葉にしたことで、さきほどまで曖昧だったユールの話が、自分の胸にすとんと落ちた。
好きな人が自分の事を考えてくれたり、自分のしたことを喜んでくれたら、それはとても嬉しいことだ。
ただそれだけのことなのに、頭に掛かっていた靄が晴れ、すごくすっきりした気分になった。
けれど、そこで、ふと気がつく。
それだとユールが自分の事を好きみたいではないか。
それに自分も―。
思考が単語を形作る前に、リントは否定した。
違う。いや、全く違うわけではないが、正しくもない。
自分の感情はリリーに対するものと一緒だ。
親友とか、大事な人という意味で、他の意図はない。
そして、ユールのも違う。
あくまで、後輩として大事にしてくれているだけ。
「…た?」
「え?」
「いや、急に考え込んだから、どうしたのかと思って」
深刻な顔をしていたらしい。
リントは下手な笑顔で取り繕った。
「なんでもないです。そうだ、ここに置きませんか?そしたら先輩も私も見れるし、きっと癒されますよ」
リントの提案に、ユールは『いいね』と笑顔で応えた。
きっとお酒のせいだ。
まだ完全に抜けきっていないのだろう。
いつもは考えないようなことが頭に浮かぶのはそのせいに違いない。
リントはそう結論付けた。
自分の意志に反してつきんと痛む胸に、戸惑わずにはいられなかった。
・・・・・・
「みゃーぅ」
「ただいま。アンバー」
部屋の扉を開けると、アンバーと呼ばれた猫がユールの足元にすり寄ってきた。
ユールはひざを折り、猫の背中を優しくなでる。
年を取って動きは鈍くなったが、その凛々しさは変わらない。
名前と同じアンバーの瞳。
足と腹が白い、キジトラの毛色だった。
「シードルです。隊長とお昼をご一緒した時に美味しかったので、友達に贈ろうと思って」
そう言うとユールが慌てだした。
「ごめん、俺、鞄しか持ってきてない」
「大丈夫です。後でトート宛に隊舎に送ってくれることになっているので」
取りに戻ろうとしたのか、椅子から腰を浮かせたかけたユールだったが、そのまま大人しく座り直す。
「よかった。酒場に置いてきたかと思って焦った…」
「そういえば、酔っている間、私大丈夫でした?ご迷惑おかけしてないですか?」
楽しかったことは覚えているが、何を話したとか、どれだけ飲んだかとか、ほとんど記憶にない。
「俺は店からここまで送ってきただけだから。ずっと機嫌よかったし、特に気になることはなかったよ。店の中の事は今度トートに聞いてみたらいいんじゃないかな。みんな楽しそうにしていたから、大丈夫だと思うけど」
ユールは何か思い出したようで、少しだけばつの悪そうな顔をした。
「そうですね。何か手土産持って謝ってきます。リックさんにも謝らなきゃ」
「リックはいいんじゃないかな」
ユールが即座に言った。
「そういうわけにはいきませんよ。魔羊も見たいですし」
「魔羊?」
急に出てきた『魔羊』の単語に、話の見えないユールは訝し気に問い返す。
「リックさんのお家、畜産業を営まれているそうなんです。魔羊や魔牛も扱っていて、見学させてくれるって言ってました」
嬉しそうに話すリントとは対照的に、ユールは苦虫をかみつぶしたような顔だ。
「それ、俺も行く」
「先輩も?」
嫌そうな顔をしているので、てっきり苦手なのかと思ったが違うのだろうか。
「うん。仕事の参考にもなるし。リックには俺から言っておくから」
「そう、ですか?」
なんだかユールに頼りっぱなしな気がして、ちょっと気が引ける。
躊躇しているリントに、ユールはさらに言葉を重ねた。
「ほら、俺の方が向こうも気兼ねなく話せるから、予定とか合わせやすいし。ね?」
「じゃぁ、お願いします」
「まかせといて」
ユールが笑顔で答える。
ちょうどお茶も空になったので、リントは『片付けますね』とソファから立ち上がった。
その背でユールが安堵のため息をついているなど、リントには思いもよらなかった。
お茶を入れてもらったので、片付けは全部するつもりだったのだが、いつの間にか洗うリントの隣にふきんを持ったユールが立っていた。
おかげであっという間に終わって、今は帰る準備をしている。
「これ、鞄」
「ありがとうございます」
「一応中身確認してくれる?無いものあったら困るし」
受け取った鞄を開き、上から覗き込む。
一番大事なIDカードに財布と筆記用具、少しの化粧品。
ちゃんと揃っている。
いつもは入っていない茶色の紙袋も潰れることなくそこにあった。
リントは紙袋をそっと持ち上げると、中身を取りだす。
「それ…」
リントの掌にちょこんと座る猫を見て、ユールが驚いている。
「かわいいですよね。羊毛フェルトっていうんだそうです。無性にこの子に惹かれて。衝動買いしてしまいました」
『触ってみます?』とリントはユールに向けて手を差し出した。
おそるおそる手を伸ばしたユールは、その出来に感動している。
「本当に、そっくりだね。びっくりした」
「気に入りました?持って帰ります?」
いろいろな角度から眺めているユールに、提案してみる。
「けど、これリントが気に入って買ってきたんでしょ?」
「そうですけど、先輩が喜んでくれるなら、私も嬉しいですから。…さっきの話ってそういうことですよね?」
言葉にしたことで、さきほどまで曖昧だったユールの話が、自分の胸にすとんと落ちた。
好きな人が自分の事を考えてくれたり、自分のしたことを喜んでくれたら、それはとても嬉しいことだ。
ただそれだけのことなのに、頭に掛かっていた靄が晴れ、すごくすっきりした気分になった。
けれど、そこで、ふと気がつく。
それだとユールが自分の事を好きみたいではないか。
それに自分も―。
思考が単語を形作る前に、リントは否定した。
違う。いや、全く違うわけではないが、正しくもない。
自分の感情はリリーに対するものと一緒だ。
親友とか、大事な人という意味で、他の意図はない。
そして、ユールのも違う。
あくまで、後輩として大事にしてくれているだけ。
「…た?」
「え?」
「いや、急に考え込んだから、どうしたのかと思って」
深刻な顔をしていたらしい。
リントは下手な笑顔で取り繕った。
「なんでもないです。そうだ、ここに置きませんか?そしたら先輩も私も見れるし、きっと癒されますよ」
リントの提案に、ユールは『いいね』と笑顔で応えた。
きっとお酒のせいだ。
まだ完全に抜けきっていないのだろう。
いつもは考えないようなことが頭に浮かぶのはそのせいに違いない。
リントはそう結論付けた。
自分の意志に反してつきんと痛む胸に、戸惑わずにはいられなかった。
・・・・・・
「みゃーぅ」
「ただいま。アンバー」
部屋の扉を開けると、アンバーと呼ばれた猫がユールの足元にすり寄ってきた。
ユールはひざを折り、猫の背中を優しくなでる。
年を取って動きは鈍くなったが、その凛々しさは変わらない。
名前と同じアンバーの瞳。
足と腹が白い、キジトラの毛色だった。
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