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第16 ばってん
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「 みんな席について。
今日は留学生を紹介するよ。
選出者のりなこさんです」
まほ 先生の合図で教室に入ります。
男子が13人に女子が10人というところでしょうか。
男子の方が多いですね。
チートがない人達ですから、むしろ女子10人はそれなりの数かもしれませんね。
いや。
チートはいました。
魔王のももちゃんと死神のですよちゃんです。
ももちゃんは笑顔で手を振ってくれました。
ありがとうございます。
おかげで緊張が解けました。
「 初めまして、井手りなこです。
親しい人にはでこちゃんと呼ばれています。皆さん、仲良くしてください」
にっこり。
女子の全員、歓迎ムードです。
男子の方は......。
一人の男子が席から立って、私を指差しました。
「 お前を俺様の女にしてやるぞ!」
金髪碧眼で、背は百七十センチくらいでしょうか。
一人称が俺様の人って、実在するんですね。
ぞんざいな態度は男子らしいと言えばらしいのですが 。
心ない告白はもうたくさんなんですよ。
「 自己紹介もできない人とはお付き合いしたくありません」
「 いいだろう。聞いて驚け。
俺様はふぇるなんです、たーれい。たーれい家の 子爵令息だ」
素直に聞き分けるのはいいことです。
でも。
やっぱり、俺様な態度なんですね。
「 さあ、名乗ったぞ。俺様のものになれ!」
「 お断りします」
「 なぜだ!?」
「いや、 お遊びには付き合いきれませんよ」
「 俺様は本気だ!」
「 具体的に本気度を示して下さい」
「 高魔力保持者は優遇するぞ。
なんなら、本妻にしてやってもいいからな」
複数の女性に手を出すような言い方ですね。
貴族の嗜みなのでしょうか。
私はふぇるなんとか君をすっかり嫌いになりました。
「 どんなにお金があっても、思いやりがなければすぐに破綻しますよ。
それに。
あなたが家をついたら、あっという間に没落しそうじゃないですか。
だから、跡目争いに敗れて 冒険者学校に入学したんですよね?」
「 なぜそれを......!?」
やはり。
図星でした。
貴族なら貴族学校に通うものです。
他には、騎手学校か魔法学校といったところでしょうか。
なんにしても。
貴族の後継が冒険者になることはありません。
それなのに。
冒険者に乗ることを前提とした学校に通っているということは、つまり子爵となる資格がないということです。
ところが。
ふぇるなんとか君は 首を横に振りました。
「いや、俺様がたーれい子爵家を継ぐんだ!」
「 どうやってですか?」
「 高魔力の女を嫁に出来れば、たーれい家は俺様のものになるんだ」
どやっ。
「 自力で掴み取るくらいの気概を見せて下さいよ」
「 一番最初に結婚した者が家を継ぐことになるんだ。
姉様にはすでに彼氏がいるが、婿入りを渋っている。
今がチャンスなんだ!」
「はあ、 そうですか」
まるで別世界ですね。
あっ。
ここは地球とは別世界でした。
それにしても。
政略結婚が当たり前だなんて、あまりにも常識が違いますね。
「あのー......」
まほ 先生がおずおずと右手をあげました。
「 そろそろ席にもついて欲しいな。もうすぐ授業が始まるよ」
「 わかりました」
授業はまじめに取り組まないといけませんよね。
......。
............。
..................。
ふつーの魔法が覚えられませんでした。
しくしく。
ペルソナ のせいでしょうか。
いえ。
ぷりんちゃんが 言っていましたね。
『 でこちゃんは普通の魔法が使えない代わりに、特別な魔法を習得することが可能なのじゃ』
と。
............。
あほまほは他にもあるということでしょうか。
今は微妙なラインアップですけど、中には役立つまほまほも存在するのでしょうか。
わからないことはまほ先生に聞きましょう。
私は右手をあげました。
「 はい!まほ先生、質問があります」
「なあに?」
「 あほまほについて教えてください」
「 あほまほ......?」
「えっと......亜方 魔法についてです」
「あるば、とぅーろす 大魔道士様が編み出した、対邪神魔法のことね。
つまり、でこちゃんは......。
頑張ってね」
にっこり。
「いやいや! 詳しく教えてくださいよ」
「 そう言われても、でこちゃん以外にはあるば様しか使い手がいないのよ。
ごめんなさいね」
「 そうですか......」
まほ 先生は、あほまほだけは何も分からないようです。
そして。
あほまほ使いのあるばさん......あほう先生は山に引きこもっておられます。
こんなことで、ランキング一位になれるのでしょうか。
授業が終わると、ふぇるなんとか君は再び私を口説いてきました。
「 でこちゃんは、ふぃんじゃくと違って本物の勇者だったんだな。
俺の嫁になれ!」
「 またですか......」
なんとなく、また絡まれる事は予想していました。
今度はちゃんと断る理由を考えてありますよ。
「 私は魔力値?なんです。
高魔力とは限らないので、条件を満たしませんよ」
「いや、 それでもいい!」
「では、 他をあたってください」
「 でこちゃんじゃないとダメなんだ!」
「 どうしてですか?」
「 それは......」
「 でこちゃんに一目惚れしたのよね?」
にやにや。
ももちゃんが口を挟みます。
ふぇるなんとか君......へたれ君は、 顔を真っ赤にして否定しました。
「 ち、違うぞ!
でこちゃんが勇者だからだ」
選出者はチートだから、勇者扱いされるんですよね。
一応、二星にも勇者がいるんですよ。
でも。
勇者は[精霊の加護]持ちなんです。
もうお分かりですね。
精霊のいない二星では全くの役立たずなのですよ。
選出者の方が英雄扱いされるのは無理のないことなのでしょう。
@へたれ君の 告白は無視するのか?
罰ゲームよりかはましですけど、気持ちをごまかしている時点でダメダメですからね。
それより。
ちらっと名前が出ていたひんじゃく君の方が気になりますよ。
それに対して、きゅーと君が 反応してきました。
「ひんじゃく君が 勇者だからだよね!?
それ以外にいるわけはないよね!?」
「............」
にっこり。
「 まさか、好きになったの!?」
猫でも涙目になるんですね。
なんて。
やっぱり、いじめ過ぎでしょうか。
今日は留学生を紹介するよ。
選出者のりなこさんです」
まほ 先生の合図で教室に入ります。
男子が13人に女子が10人というところでしょうか。
男子の方が多いですね。
チートがない人達ですから、むしろ女子10人はそれなりの数かもしれませんね。
いや。
チートはいました。
魔王のももちゃんと死神のですよちゃんです。
ももちゃんは笑顔で手を振ってくれました。
ありがとうございます。
おかげで緊張が解けました。
「 初めまして、井手りなこです。
親しい人にはでこちゃんと呼ばれています。皆さん、仲良くしてください」
にっこり。
女子の全員、歓迎ムードです。
男子の方は......。
一人の男子が席から立って、私を指差しました。
「 お前を俺様の女にしてやるぞ!」
金髪碧眼で、背は百七十センチくらいでしょうか。
一人称が俺様の人って、実在するんですね。
ぞんざいな態度は男子らしいと言えばらしいのですが 。
心ない告白はもうたくさんなんですよ。
「 自己紹介もできない人とはお付き合いしたくありません」
「 いいだろう。聞いて驚け。
俺様はふぇるなんです、たーれい。たーれい家の 子爵令息だ」
素直に聞き分けるのはいいことです。
でも。
やっぱり、俺様な態度なんですね。
「 さあ、名乗ったぞ。俺様のものになれ!」
「 お断りします」
「 なぜだ!?」
「いや、 お遊びには付き合いきれませんよ」
「 俺様は本気だ!」
「 具体的に本気度を示して下さい」
「 高魔力保持者は優遇するぞ。
なんなら、本妻にしてやってもいいからな」
複数の女性に手を出すような言い方ですね。
貴族の嗜みなのでしょうか。
私はふぇるなんとか君をすっかり嫌いになりました。
「 どんなにお金があっても、思いやりがなければすぐに破綻しますよ。
それに。
あなたが家をついたら、あっという間に没落しそうじゃないですか。
だから、跡目争いに敗れて 冒険者学校に入学したんですよね?」
「 なぜそれを......!?」
やはり。
図星でした。
貴族なら貴族学校に通うものです。
他には、騎手学校か魔法学校といったところでしょうか。
なんにしても。
貴族の後継が冒険者になることはありません。
それなのに。
冒険者に乗ることを前提とした学校に通っているということは、つまり子爵となる資格がないということです。
ところが。
ふぇるなんとか君は 首を横に振りました。
「いや、俺様がたーれい子爵家を継ぐんだ!」
「 どうやってですか?」
「 高魔力の女を嫁に出来れば、たーれい家は俺様のものになるんだ」
どやっ。
「 自力で掴み取るくらいの気概を見せて下さいよ」
「 一番最初に結婚した者が家を継ぐことになるんだ。
姉様にはすでに彼氏がいるが、婿入りを渋っている。
今がチャンスなんだ!」
「はあ、 そうですか」
まるで別世界ですね。
あっ。
ここは地球とは別世界でした。
それにしても。
政略結婚が当たり前だなんて、あまりにも常識が違いますね。
「あのー......」
まほ 先生がおずおずと右手をあげました。
「 そろそろ席にもついて欲しいな。もうすぐ授業が始まるよ」
「 わかりました」
授業はまじめに取り組まないといけませんよね。
......。
............。
..................。
ふつーの魔法が覚えられませんでした。
しくしく。
ペルソナ のせいでしょうか。
いえ。
ぷりんちゃんが 言っていましたね。
『 でこちゃんは普通の魔法が使えない代わりに、特別な魔法を習得することが可能なのじゃ』
と。
............。
あほまほは他にもあるということでしょうか。
今は微妙なラインアップですけど、中には役立つまほまほも存在するのでしょうか。
わからないことはまほ先生に聞きましょう。
私は右手をあげました。
「 はい!まほ先生、質問があります」
「なあに?」
「 あほまほについて教えてください」
「 あほまほ......?」
「えっと......亜方 魔法についてです」
「あるば、とぅーろす 大魔道士様が編み出した、対邪神魔法のことね。
つまり、でこちゃんは......。
頑張ってね」
にっこり。
「いやいや! 詳しく教えてくださいよ」
「 そう言われても、でこちゃん以外にはあるば様しか使い手がいないのよ。
ごめんなさいね」
「 そうですか......」
まほ 先生は、あほまほだけは何も分からないようです。
そして。
あほまほ使いのあるばさん......あほう先生は山に引きこもっておられます。
こんなことで、ランキング一位になれるのでしょうか。
授業が終わると、ふぇるなんとか君は再び私を口説いてきました。
「 でこちゃんは、ふぃんじゃくと違って本物の勇者だったんだな。
俺の嫁になれ!」
「 またですか......」
なんとなく、また絡まれる事は予想していました。
今度はちゃんと断る理由を考えてありますよ。
「 私は魔力値?なんです。
高魔力とは限らないので、条件を満たしませんよ」
「いや、 それでもいい!」
「では、 他をあたってください」
「 でこちゃんじゃないとダメなんだ!」
「 どうしてですか?」
「 それは......」
「 でこちゃんに一目惚れしたのよね?」
にやにや。
ももちゃんが口を挟みます。
ふぇるなんとか君......へたれ君は、 顔を真っ赤にして否定しました。
「 ち、違うぞ!
でこちゃんが勇者だからだ」
選出者はチートだから、勇者扱いされるんですよね。
一応、二星にも勇者がいるんですよ。
でも。
勇者は[精霊の加護]持ちなんです。
もうお分かりですね。
精霊のいない二星では全くの役立たずなのですよ。
選出者の方が英雄扱いされるのは無理のないことなのでしょう。
@へたれ君の 告白は無視するのか?
罰ゲームよりかはましですけど、気持ちをごまかしている時点でダメダメですからね。
それより。
ちらっと名前が出ていたひんじゃく君の方が気になりますよ。
それに対して、きゅーと君が 反応してきました。
「ひんじゃく君が 勇者だからだよね!?
それ以外にいるわけはないよね!?」
「............」
にっこり。
「 まさか、好きになったの!?」
猫でも涙目になるんですね。
なんて。
やっぱり、いじめ過ぎでしょうか。
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