美女装さんに迫られているんだが!?

はなまる

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第1章 好みのタイプの女の子だと思ったら男だった件について!?

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 俺は背が高くも低くもなくて、 不細工でも かっこよくもない、フツメンの どこにでもいるような大学生だ。 大学のレベルも可もなく不可もなくというレベル。 絵に書いたような普通の男だ。
 そんな俺でも彼女が欲しい!
 合コンに一縷の望みをかけた。 結果から言う。 惨敗だった。
 だって、しょうがないだろ。 俺の周りにはなぜかイケメンばっかり集まって、 俺の存在感は皆無なんだよ!
 イケメンの友達を恨めればどんなにいいか。 でも 性格もイケメン揃いで、 そんな奴等を恨みでもしたら、 俺は自分を悪い奴だと自己嫌悪してしまうことだろう。
 俺は、友達とはスポーツで勝利した時に肩を抱いて喜びあったり、 飲み物回し飲みできる間柄なんだ。 間接キスだと冗談を言ったりして、 みんなで爆笑したこともあった。 俺たちには熱い友情があるんだ。
 これ以上惨めにはなりたくない。 友達のイケメンぶりを素直に認めることが、 俺の小さなたったひとつのプライドだ。
 俺と違ってみんなガツガツしてない。 スマートに女の子と接していた。
 普通の俺でも見習えるところはあるはずだよな。
 けど感情はついてこなくて、 ついつい飲み過ぎてしまった。 既に終電の時間は過ぎている。 タクシー代を支払えるだけの持ち合わせはない。 女の子とお楽しみの時間を過ごせないのに、 ホテルを利用する気にもなれない。
 酔っ払いのおっさんとか子供の頃は嫌いだったんだけどな。 まさか俺自身が千鳥足になる日が来るとは思いもしなかった。
 二十歳になって 、お酒が飲めるようになって調子に乗ってしまったな。

「 誰か俺のことを無条件に好きになってくれる可愛い子がいないかな」

 いるわけないけどね。 神様だって匙を投げる願望だとはわかっている。 言ってみただけ。 すごく虚しい。
 街中を歩いているとカップルが目につく。 見せつけるようにホテル街に入っていきやがった。
 くそっ!
 人通りにいると余計に気がめいる。 一人になりたい。
 とぼとぼと歩いていると、公園が目に入った。 いくつかのエリアに分かれている大きな公園で、 日曜日には 家族連れの 子供達が探検ごっこをしている様子が見られる。
 薄暗くていつもならば寄らないけれど、 今の 荒んだ俺の心にはぴったりの雰囲気だった。
 今更幽霊を信じているような歳ではないけれど、 さすがに奥の真っ暗なところは怖い。
 俺は街灯のあるベンチに座ることにした。

「アンアン! イクー!!」

 ちっ、 野外 活動かよ! 犯罪だとわかっているのか!
 今の俺には不快でしかない。
 俺はこの場を離れるべく立ち上がろうとした。
 その時。
 俺の隣に 好みの タイプの可愛らしい子が腰掛けた。真っ白な 女性特有のデザインのシャツに 水色のロングスカートという格好だ。 髪は黒色のセミロングだった。

「 お兄さん、もしよかったら私と話さない?」

 こんなところに可愛い子がいるのは怪しすぎるけど、 酔っ払っていた俺には冷静な判断力がなくて、 思わず頷いていた。

「 君みたいな可愛い子と話せるなんて、とっても幸せだよ」
「あら、 お上手ね」

 笑った姿も可憐でドストライクだ。 今すぐ押し倒したい衝動に駆られる。
 だけど、嫌われてしまっては元も子もない。 俺は本気でその子と付き合いたいと思った。
 イケメン達なら軽快なトークで盛り上げるところだけど、 残念ながら俺には そんなスキルはなかった。
 チャンスをドブに捨てるつもりなのか俺!?
 合コンに来ていた女の子達も 確かに見栄えが良かったけど、 その子達がかすむほどの魅力的な可愛い子が目の前にいるのだ。
 なんとしてでもものにしたい。
 何か話題はないものか、 必死に考えたけど 何も思い浮かばなかった。
 恋愛の経験値が少なすぎる。 俺は情けない男だな・・・・・・。

「ふふっ、 緊張してるの?」

 可愛い子が俺に 寄り添って、 上目遣いで見つめてくる。 破壊力抜群だ。
 ひょっとして、この子はそういうことが目的なのか?
 軽い子には見えなかったのに、なんだかショックだ。

「 ごめん。 俺は一夜限りの遊びとかは嫌なんだ。 そういうことは 本気で付き合ってる人としたい」

 俺は童貞丸出しの臭いセリフを言ってしまった。 引かれてしまうことだろう。
 イライラを ぶつけて、欲望の捌け口などにはしたくないんだ。
 酔いが回っているとはいえ、ギリギリのところで理性が働いた。

「 公園で本気の付き合いを求めるのは無理だと思うよ?」

 そんなことは言われなくても分かっている。 そもそも可愛い子に迫られるシチュエーション自体おかしなことだ。

「そうか! これは夢なんだな」
「 夢なら欲望に忠実になりなよ」
「 そういうわけにはいかない。夢だからこそ理想を追い求めるんだ。 そういうわけで・・・・・・ 一目惚れしました。 付き合ってください」

 夢なら恥ずかしいことなどない。 俺は告白してみた。

「あはは! お兄さん、面白いね。 今まで会ったことのないタイプだよ」
「 気を持たせるような態度はいらないから、はっきりと返事をしてくれ」
「そうだなぁ・・・・・・」

 可愛い子は 自分の顎に人差し指を当てて 、可愛らしく 考えてくれた。

「 まずは自己紹介しよう。 名前も知らない相手と付き合いたいとは思わないからね」
「ああ。 俺は神崎亮だ」
「私は広実だよ。 アドレス交換もしようね」
「 そうだな」

 俺は広実に言われるがままに スマホを取り出した。
 連絡先を交換すると、広実は 嬉しそうに微笑んだ。

「 まずはお友達から始めて、いずれはラブラブカップルになろうね。亮君」

 俺は気がついたら 恋に落ちていた。


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