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第1章 転生少女の憂鬱
気分転換が必要だよね
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ネクヒロでは プリシラがリアラを糾弾していたけど、今は私のせいで エトワールがリアラに難癖を付けている。
困ったものだよ。
他の取り巻き達は プリシラが平民肯定派なので、リアラとは それなりに仲良くしている。 長いものには巻かれろということだ。
でも、 エトワールはプリシラに関係なく平民否定派でいる。 何かしらの理由があるはずだけど、彼女の 両親の影響としか 予想できないよ。
私は ゲームの知識以外では貴族のことに疎いから、 モブキャラの事情はよくわからない。
ゲームでは何とも思わないけど、 エトワールは 現実に存在している 人間だ。 半ば強制的だけど、 私と関わりのある人間なのだから、 もう少し歩み寄りたいと思う。
エトワールは、私のせいで 部屋に閉じ込められているような状態だから、 きっとストレスが溜まっているんだろうね。 それは他の子供達も同様だと思う。
外で自由に遊ぶ時間が必要だよね。私の 部屋は子供部屋としては広いけど、 何十人もの子供たちが遊ぶには狭すぎる。
「 私がついていながら、 申し訳ありません。 カトリーヌ様」
ママが 帰ってきたところで、サンティアさんが 土下座をする勢いで頭を下げた。 エトワールは子供とはいえ貴族の身分だから、 平民のサンティアさんが 仲裁に入るのは難しいと思う。
悪いのは、止めに入ることができる貴族を配置しなかった王族だよ。
「エリカ、またなのですか・・・・・・」
ママは 私を トラブル メーカー のように 遠い目をしている。
私が悪いわけじゃないよ。でも、 エトワールを悪者にしたいわけじゃない。 どう説明したものかな。
「エリカちゃんは 悪くないよ。 リアラをかばってくれただけだもん」
リアラがそう主張した。
このままエトワールが悪者にされてしまったら、 彼女はきっと意固地になって、 二度と心を 開かなくなると思う。 私はそんな風にはなってほしくない。
「ママ、 子供たちはずっと部屋にいたら退屈で、 きっとストレスが溜まるよ。だから、 今度の休みにでもピクニックに連れて行ってあげられないかな」
私がそうお願いすると、ママは 暗い表情を浮かべた。
「でも、エリカは・・・・・・」
「 私はいいんだよ。 静かに本でも読んでるから、 みんなで行ってきて」
「エリカちゃんが いないと楽しくないよ!」
リアラは 大泣きしながら、 私にすがりつくように 抱きついてきた。
精神年齢は違うけど、私は 心の底からリアラを 友達だと思えるよ。
ありがとう。 できることなら、 私だってみんなと一緒にピクニックを楽しみたいよ。
この不自由な体ではどこにも行くことができない。 決して叶わない夢だ。
言ってみただけ。
みんなが 楽しんでいる様子を想像するだけで十分素敵なことのはずだ。 少しだけ悲しい気持ちになるなんて 、きっと気のせいのはずだ。
視界が滲んでぼやけているのは、 きっと目にゴミが入ったからだよ。
私がわがままを言ったら みんなを困らせる。
周囲の人間から愛されることを感じることができるのだから、 それで十分ではないか。 高望みをしてはいけない。 私はそう思わなければいけないんだ。
だけど・・・・・・。
それでも涙が止まらない時はどうすればいいのかな。
「 分かりました。みんなでピクニックに行きましょう」
ママは 私の願いを聞き入れた。
良かった。 どんな事情があるにせよ、これで少しは、 エトワールの気分転換になるよね。 みんなも開放感で子供らしく遊べると思う。
こんなに素晴らしいことはないよ。 涙が出るほど嬉しいことだよね。
「 私が読む本は お姫様の物語がいいな」
私は 当日に読む本を 指定することにした。 王立図書館には数え切れない様々なジャンルの本がある。『 わがまま姫は優雅に微笑む』というクルセイラが 主人公の話が特に 面白くて、 私は何度も読み返していた。 今度もクルセイラシリーズの本を読んでみたいな。
「 何を言っているのですか。本はお預けです」
「ええっ!?」
エトワールと揉め事を起こしたから、 本が読めないのが罰ということなの!?
そんなのないよ!
私が瞳を潤ませていると、ママはなぜかくすりと笑った。
「エリカも ピクニックに行くのですよ。 あなたもみんなの中に含まれますからね」
「 でも、私をずっと 抱えてなきゃいけないんだよ?」
「 心配いりません。エリカは 子供らしく 楽しみにしてればいいのですよ」
よく考えれば、 ママは優秀な魔法使いだものね。身体強化魔法と回復魔法を駆使すれば、 3歳児を抱えるなんて余裕だよね。
ママが言うように ピクニックを楽しむことだけ考えよう。
困ったものだよ。
他の取り巻き達は プリシラが平民肯定派なので、リアラとは それなりに仲良くしている。 長いものには巻かれろということだ。
でも、 エトワールはプリシラに関係なく平民否定派でいる。 何かしらの理由があるはずだけど、彼女の 両親の影響としか 予想できないよ。
私は ゲームの知識以外では貴族のことに疎いから、 モブキャラの事情はよくわからない。
ゲームでは何とも思わないけど、 エトワールは 現実に存在している 人間だ。 半ば強制的だけど、 私と関わりのある人間なのだから、 もう少し歩み寄りたいと思う。
エトワールは、私のせいで 部屋に閉じ込められているような状態だから、 きっとストレスが溜まっているんだろうね。 それは他の子供達も同様だと思う。
外で自由に遊ぶ時間が必要だよね。私の 部屋は子供部屋としては広いけど、 何十人もの子供たちが遊ぶには狭すぎる。
「 私がついていながら、 申し訳ありません。 カトリーヌ様」
ママが 帰ってきたところで、サンティアさんが 土下座をする勢いで頭を下げた。 エトワールは子供とはいえ貴族の身分だから、 平民のサンティアさんが 仲裁に入るのは難しいと思う。
悪いのは、止めに入ることができる貴族を配置しなかった王族だよ。
「エリカ、またなのですか・・・・・・」
ママは 私を トラブル メーカー のように 遠い目をしている。
私が悪いわけじゃないよ。でも、 エトワールを悪者にしたいわけじゃない。 どう説明したものかな。
「エリカちゃんは 悪くないよ。 リアラをかばってくれただけだもん」
リアラがそう主張した。
このままエトワールが悪者にされてしまったら、 彼女はきっと意固地になって、 二度と心を 開かなくなると思う。 私はそんな風にはなってほしくない。
「ママ、 子供たちはずっと部屋にいたら退屈で、 きっとストレスが溜まるよ。だから、 今度の休みにでもピクニックに連れて行ってあげられないかな」
私がそうお願いすると、ママは 暗い表情を浮かべた。
「でも、エリカは・・・・・・」
「 私はいいんだよ。 静かに本でも読んでるから、 みんなで行ってきて」
「エリカちゃんが いないと楽しくないよ!」
リアラは 大泣きしながら、 私にすがりつくように 抱きついてきた。
精神年齢は違うけど、私は 心の底からリアラを 友達だと思えるよ。
ありがとう。 できることなら、 私だってみんなと一緒にピクニックを楽しみたいよ。
この不自由な体ではどこにも行くことができない。 決して叶わない夢だ。
言ってみただけ。
みんなが 楽しんでいる様子を想像するだけで十分素敵なことのはずだ。 少しだけ悲しい気持ちになるなんて 、きっと気のせいのはずだ。
視界が滲んでぼやけているのは、 きっと目にゴミが入ったからだよ。
私がわがままを言ったら みんなを困らせる。
周囲の人間から愛されることを感じることができるのだから、 それで十分ではないか。 高望みをしてはいけない。 私はそう思わなければいけないんだ。
だけど・・・・・・。
それでも涙が止まらない時はどうすればいいのかな。
「 分かりました。みんなでピクニックに行きましょう」
ママは 私の願いを聞き入れた。
良かった。 どんな事情があるにせよ、これで少しは、 エトワールの気分転換になるよね。 みんなも開放感で子供らしく遊べると思う。
こんなに素晴らしいことはないよ。 涙が出るほど嬉しいことだよね。
「 私が読む本は お姫様の物語がいいな」
私は 当日に読む本を 指定することにした。 王立図書館には数え切れない様々なジャンルの本がある。『 わがまま姫は優雅に微笑む』というクルセイラが 主人公の話が特に 面白くて、 私は何度も読み返していた。 今度もクルセイラシリーズの本を読んでみたいな。
「 何を言っているのですか。本はお預けです」
「ええっ!?」
エトワールと揉め事を起こしたから、 本が読めないのが罰ということなの!?
そんなのないよ!
私が瞳を潤ませていると、ママはなぜかくすりと笑った。
「エリカも ピクニックに行くのですよ。 あなたもみんなの中に含まれますからね」
「 でも、私をずっと 抱えてなきゃいけないんだよ?」
「 心配いりません。エリカは 子供らしく 楽しみにしてればいいのですよ」
よく考えれば、 ママは優秀な魔法使いだものね。身体強化魔法と回復魔法を駆使すれば、 3歳児を抱えるなんて余裕だよね。
ママが言うように ピクニックを楽しむことだけ考えよう。
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