転生少女は金貨9999枚で魔法1回使えます!?

はなまる

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第1章 転生少女の憂鬱

仲良くなるために

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 思い切って、エトワールに話しかけてみようかな。
 ・・・・・・ 私は体が不自由だから、自分一人じゃ近づけないんだけどね。

「ママ、 私エトワールと一緒に遊びたい。 プリシラもいいよね?」

 私がママと プリシラに確認を取ると、 二人は笑顔で頷いてくれた。


「エトワール」
「・・・・・・何よ」

 私が話かけると、エトワールは剣呑な態度で応えた。仲良くなるのは、まだまだ先かな。だけど、少しずつでも歩み寄れるように 声をかけるのを止めたりはしないよ。

「 エトワール、私のことを守ってよ」
「えっ?」

 私の お願いに、 エトワールはきょとんと 目を丸くしていた。 私は構わずに話を続けることにするよ。

「 私は体が不自由だから、 一人では何もできないの。 誰かに守ってもらわないと 簡単に死んでしまう存在なの。 だから、エトワールが私のことを守ってくれないかな」
「エリカさんは 王族に守ってもらっているでしょう」
「 助けは多ければ多いほどいいんだよ。 エトワールがノブレスオブリージュを果たせないようなちっぽけな貴族だというのなら、 私はこれ以上頼んだりしないけどね」
「なっ・・・・・・!? そこまで言われて黙ってはいられないわ。 いいでしょう。 私の全身全霊をもって、エリカさんは この私が守ってみせるわ!」

 エトワールは私の挑発に乗ってくれた。 彼女はわかりやすくて、可愛いらしい性格をしているね。 私は思わず顔がにやけてしまった。

「 さすがエトワールだね! 日本一」
「ニホン? 何を言っているのかさっぱり分からないわ」
 
 いけない。 ここは日本じゃなくて、マルシュ王国だった。 私は笑ってごまかすことにした。

「マルシュ一の 間違いだったよ」
「 褒められるのは悪い気はしないけど・・・・・・ 平民としてわきえるのよ。エリカさん」
「わかったよ。 エトワール」
「 ちっともわかってないじゃないの! 貴族に対しては様付けで 呼ぶべきなのよ」

 確かにエトワールの言う通りかもしれない。 でも私は呼び捨てで呼びたいんだよ。

「 私は友達に 様付けはしたくないな」
「・・・・・・エリカさんは 私のことを友達だと思ってくれるの?」
「うん。 私たち友達でしょ」

 私がそう答えると、 エトワールはなぜか泣き出してしまった。
 あわわ。 私、何かエトワールを傷つけるようなこと言ったかな。
 困った困った、どうしよう。

「ありがとう」

 エトワールはなぜか私にお礼を言ってくれた。 泣くほど辛い 思いをしたはずなのに、 私に 素敵な笑顔を見せてくれる。 やっぱり、悪い子だとは思えないよね。 なんとしてでも彼女と仲良くなりたいよ。

 私がそんなことを考えていたその時。 周囲がざわめきだした。 あたりを確認してみると、 どうやら男の子のグループで問題があったようだ。 蜂の大群が襲いかかってくるというとんでもない状況になっていた。
 ここって、お城の敷地内のはずだよね。 危険がないように考慮されて、 ピクニックの場所が お城の庭園になったはずなんだよね。
 なのに、 危険が危ない状況になっているんだけど!?
 私が魔法を発動させることができたら、 あっさりと解決できるのに!
 いや、 よく考えたら私が対処する必要はないよ。 ここには大魔法使いのママが いるんだからね。 蜂の大群なんてあっさりと撃退してくれるに決まってるよ。
 ところが、ママは 涙目でオロオロとしていた。

「 お城の敷地内ということで油断していたから、 お金を一枚も持ってきていません。 どうしましょう?」

 ママも、 お金による制限によって 魔法を使えないようだね。
 フレドリックを中心に、 男の子達は攻撃魔法で蜂と戦っている。 でも中途半端な攻撃は蜂の集団を怒らせるだけで、 逆効果のようだった。
 余計なことをしでかすぐらいなら、私のママに お金を渡して 任せてくれればいいのに。
 ・・・・・・ママは ドジっ子だからね。 少しだけ心配なところもあるよ。
 いや、 さすがに重大な場面では 気を引き締めると思うけどね。

 男の子たちは 蜂の集団にかなわないとわかったのか、 よりによって こちらの方に 逃げ出してきました。 それを見て危険を察知した女の子のグループも、離宮を 目指して駆け出しました。
 さては身体 強化魔法は使ってるね。 3歳児にしてはみんな、足が早すぎるよ。
 
 ドタドタドタ。

 さすが私のママだね。身体強化の 魔法をかけなければ、 運動音痴の領域だった。
 このままでは蜂の集団に追いつかれてしまうよ。 毒針に刺されて、 ヘタをすれば死んでしまうかもしれない。

 もうだめだ! と、 私がそう思ったその時。 私の周囲に光が包み込んだ。

「 世話がやけるね」

 私を助けてくれたのは白猫ーーフォトンだった。


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