転生少女は金貨9999枚で魔法1回使えます!?

はなまる

文字の大きさ
25 / 26
第3章 私の魔法は奇跡だって起こせるんだよ

人形作りはいろいろ大変だよ

しおりを挟む
 次の日。ラクスは私の部屋に来なくなった。
 きっと、あれからプリシラとリアラにさんざん質問されていたからだね。
 いや、それもないとは言えないかもだけど、ラクスは普通にお金を稼ぐために奮闘しているだけだと思う。

「ラクス君、来てないね」
「リアラ達のせいかな」

 プリシラとリアラは涙目で、昨日のことを反省しているようだ。調子に乗ってしまうこともあるけど、いい子だから、悪いと思ったら反省できるんだよ。素晴らしいよね。
 私は自分の非を素直に認められるかわからないよ。頭を下げても平謝りになってしまうことって、多くなってくるからね。なんと言うか謝罪は義務で、心から悪いと思う暇も与えてくれないのが大人の社会のような気がするんだよ。
 前世でも、まだ大人と言える歳ではなかったけどね。

 私は、プリシラとリアラを抱き締めてあげた。

「ラクス君はきっと、事情があって来られないんだよ。でも、今度ラクス君に会ったら、謝ろうね」
「エリカちゃんの言う通り、ラクス君に謝った方がいいよね」
「リアラも頑張る! そうだ、ラクス君にお人形さんを作ってあげる」

 泣いたカラスがもう笑った。けど、子供の世界が簡単なわけではないよ。子供なりの葛藤はある。単に大人のような複雑な駆け引きを知らないだけだよ。

 私もまだまだ子供だけど、 単純明快な大切なことを思い出せた気がするよ。 私は嬉しくなって、プリシラとリアラの 頭を撫でた。

「二人とも、いい子いい子」
「エリカちゃん、くすぐったいよ」
「でも、なんだか安心するの」

 そうでしょう、そうでしょう。何しろ私は、 精神年齢は12歳のお姉さんだからね。
 ・・・・・・あれ? こっちの世界で5年経ってるのに、 精神年齢が変わらないということは全く成長していないということなのかな。 本来ならば 女子高生になっているはずだけど・・・・・・ 深くは考えないことにしよう。
 プリシラ達と同じ目線でいられるのは素晴らしいことだよね。みんなの苦しみに気付いて、少しだけ大人の考えもできる。実は私は、最強の 心理カウンセラーになれるんじゃない?
 言ってみただけ。
 素人が心の問題に深く踏み込むのはよくない。私も前世ではそのせいで・・・・・・。
 まあ、過去は振り返らないよ。後悔先に立たずだね。多分、意味は合ってると思う。
 

「今日は何して遊ぶ?」

 私が聞くと、 エトワールがトコトコとこちらに歩いてきた。私達の話が終わるのを待っていたようだ。

「私はかくれんぼがしたいわ」
「うん、そうしよう」

 エトワールが提案して、 プリシラが賛同した。
 ところが、いつもなら一番はしゃぐはずのリアラがおとなしい。さっきまでの話を引きずっているわけではなさそうだけど・・・・・・どうかしたのかな。

「リアラは、かくれんぼしたくないの?」
「リアラも一緒に遊びたいよ。だけど、ラクス君のためにお人形さんを作りたいの」

 そう言えば、リアラはそう言ってたね。ラクスは男の子だから、人形を喜ぶかは微妙なところだけど、あからさまに嫌な顔はしないはず。人形を作りたいなら、邪魔するわけにはいかない。むしろ、手伝ってあげたくなるね。

「リアラ、私も人形作りを手伝っていいかな」
「うん、いいよ」
「私も一緒にしたいな」
「わ、私も興味あるわ」

 プリシラと エトワールも、一緒に人形作りをすることになった。
 
 まずは材料集め。これはメイドに頼んで用意してもらった。割りと高級な生地が普通にあるけど、みんなは気にしていないようだ。貴族令嬢のプリシラと エトワールはともかく、平民の私とリアラは目にする機会もない高級品のはずだけど、よく考えたら周りの子供達の服の素材の方がもっとお金を掛けられているはずだよね。今更萎縮するものでもなかったよ。
 針を使うのか。5歳の子供がいいのかな。裁縫は前世でもまだやったことがなかったから、要領が今一わからないよ。
 リアラは器用だね。ネクヒロの設定では確かに人形作りが得意だけど、この頃から普通に作れたんだね。尊敬するよ。
 私にはできない。指を怪我しないように気を付けるので精一杯だったよ。
 プリシラは初めてにしてはうまく仕上げていた。 
 エトワールは私とお仲間だね。親近感が湧いて、私は彼女に笑いかけた。すると、なぜかそっぽを向かれた。 2年かけて少しずつ仲良くなったと思ったのは私だけってこと!? 悲しいよ。しくしく。

 せっかくだから、作った人形でおままごとをすることにしたよ。人形は役割通りに動いてくれた。
 え? 人形は普通、動かないって? そこらほら、 ファンタジー世界だからね。リアラのスキルで人形が動き出すんだよ。
 未練のある者の魂が人形に入り込むこともあるから、軽いホラーとも言えるけどね。人形はリアラに逆らわないから、一応安全なんだよ。夜には動かないでほしいけどね。一人でお手洗いに行けなくなっちゃうよ!

 ゲーム通りならクルセイラの魂が入ったクララ人形が作られる時期だけど、クルセイラは生きているからね。彼女の人形はなかったよ。

 代わりに、 サンタクロースのように全身赤色の人形がある。 赤色の服に赤色のとんがり帽子はアスモデリアの 特徴のはずだけど、まさかね。 偶然の一致というだけだよね。アスモデリアは私の魔法で 消滅した。

「久し振りだね」

 赤色の人形が 私に声をかけてきた。その声は 3歳の頃に蜂の大群を退けてくれた 女性の声で、そのつもりで聞けばアスモデリアの声だったよ。
 今の私には 金貨9999枚という制限があるから、魔王を倒すどころか 戦うことすらできないんだけど!?
 無理ゲーすぎるよ!


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

1歳児天使の異世界生活!

春爛漫
ファンタジー
 夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。 ※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。

没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~

土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。 しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。 そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。 両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。 女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

処理中です...