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第3章 私の魔法は奇跡だって起こせるんだよ
人形作りはいろいろ大変だよ
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次の日。ラクスは私の部屋に来なくなった。
きっと、あれからプリシラとリアラにさんざん質問されていたからだね。
いや、それもないとは言えないかもだけど、ラクスは普通にお金を稼ぐために奮闘しているだけだと思う。
「ラクス君、来てないね」
「リアラ達のせいかな」
プリシラとリアラは涙目で、昨日のことを反省しているようだ。調子に乗ってしまうこともあるけど、いい子だから、悪いと思ったら反省できるんだよ。素晴らしいよね。
私は自分の非を素直に認められるかわからないよ。頭を下げても平謝りになってしまうことって、多くなってくるからね。なんと言うか謝罪は義務で、心から悪いと思う暇も与えてくれないのが大人の社会のような気がするんだよ。
前世でも、まだ大人と言える歳ではなかったけどね。
私は、プリシラとリアラを抱き締めてあげた。
「ラクス君はきっと、事情があって来られないんだよ。でも、今度ラクス君に会ったら、謝ろうね」
「エリカちゃんの言う通り、ラクス君に謝った方がいいよね」
「リアラも頑張る! そうだ、ラクス君にお人形さんを作ってあげる」
泣いたカラスがもう笑った。けど、子供の世界が簡単なわけではないよ。子供なりの葛藤はある。単に大人のような複雑な駆け引きを知らないだけだよ。
私もまだまだ子供だけど、 単純明快な大切なことを思い出せた気がするよ。 私は嬉しくなって、プリシラとリアラの 頭を撫でた。
「二人とも、いい子いい子」
「エリカちゃん、くすぐったいよ」
「でも、なんだか安心するの」
そうでしょう、そうでしょう。何しろ私は、 精神年齢は12歳のお姉さんだからね。
・・・・・・あれ? こっちの世界で5年経ってるのに、 精神年齢が変わらないということは全く成長していないということなのかな。 本来ならば 女子高生になっているはずだけど・・・・・・ 深くは考えないことにしよう。
プリシラ達と同じ目線でいられるのは素晴らしいことだよね。みんなの苦しみに気付いて、少しだけ大人の考えもできる。実は私は、最強の 心理カウンセラーになれるんじゃない?
言ってみただけ。
素人が心の問題に深く踏み込むのはよくない。私も前世ではそのせいで・・・・・・。
まあ、過去は振り返らないよ。後悔先に立たずだね。多分、意味は合ってると思う。
「今日は何して遊ぶ?」
私が聞くと、 エトワールがトコトコとこちらに歩いてきた。私達の話が終わるのを待っていたようだ。
「私はかくれんぼがしたいわ」
「うん、そうしよう」
エトワールが提案して、 プリシラが賛同した。
ところが、いつもなら一番はしゃぐはずのリアラがおとなしい。さっきまでの話を引きずっているわけではなさそうだけど・・・・・・どうかしたのかな。
「リアラは、かくれんぼしたくないの?」
「リアラも一緒に遊びたいよ。だけど、ラクス君のためにお人形さんを作りたいの」
そう言えば、リアラはそう言ってたね。ラクスは男の子だから、人形を喜ぶかは微妙なところだけど、あからさまに嫌な顔はしないはず。人形を作りたいなら、邪魔するわけにはいかない。むしろ、手伝ってあげたくなるね。
「リアラ、私も人形作りを手伝っていいかな」
「うん、いいよ」
「私も一緒にしたいな」
「わ、私も興味あるわ」
プリシラと エトワールも、一緒に人形作りをすることになった。
まずは材料集め。これはメイドに頼んで用意してもらった。割りと高級な生地が普通にあるけど、みんなは気にしていないようだ。貴族令嬢のプリシラと エトワールはともかく、平民の私とリアラは目にする機会もない高級品のはずだけど、よく考えたら周りの子供達の服の素材の方がもっとお金を掛けられているはずだよね。今更萎縮するものでもなかったよ。
針を使うのか。5歳の子供がいいのかな。裁縫は前世でもまだやったことがなかったから、要領が今一わからないよ。
リアラは器用だね。ネクヒロの設定では確かに人形作りが得意だけど、この頃から普通に作れたんだね。尊敬するよ。
私にはできない。指を怪我しないように気を付けるので精一杯だったよ。
プリシラは初めてにしてはうまく仕上げていた。
エトワールは私とお仲間だね。親近感が湧いて、私は彼女に笑いかけた。すると、なぜかそっぽを向かれた。 2年かけて少しずつ仲良くなったと思ったのは私だけってこと!? 悲しいよ。しくしく。
せっかくだから、作った人形でおままごとをすることにしたよ。人形は役割通りに動いてくれた。
え? 人形は普通、動かないって? そこらほら、 ファンタジー世界だからね。リアラのスキルで人形が動き出すんだよ。
未練のある者の魂が人形に入り込むこともあるから、軽いホラーとも言えるけどね。人形はリアラに逆らわないから、一応安全なんだよ。夜には動かないでほしいけどね。一人でお手洗いに行けなくなっちゃうよ!
ゲーム通りならクルセイラの魂が入ったクララ人形が作られる時期だけど、クルセイラは生きているからね。彼女の人形はなかったよ。
代わりに、 サンタクロースのように全身赤色の人形がある。 赤色の服に赤色のとんがり帽子はアスモデリアの 特徴のはずだけど、まさかね。 偶然の一致というだけだよね。アスモデリアは私の魔法で 消滅した。
「久し振りだね」
赤色の人形が 私に声をかけてきた。その声は 3歳の頃に蜂の大群を退けてくれた 女性の声で、そのつもりで聞けばアスモデリアの声だったよ。
今の私には 金貨9999枚という制限があるから、魔王を倒すどころか 戦うことすらできないんだけど!?
無理ゲーすぎるよ!
きっと、あれからプリシラとリアラにさんざん質問されていたからだね。
いや、それもないとは言えないかもだけど、ラクスは普通にお金を稼ぐために奮闘しているだけだと思う。
「ラクス君、来てないね」
「リアラ達のせいかな」
プリシラとリアラは涙目で、昨日のことを反省しているようだ。調子に乗ってしまうこともあるけど、いい子だから、悪いと思ったら反省できるんだよ。素晴らしいよね。
私は自分の非を素直に認められるかわからないよ。頭を下げても平謝りになってしまうことって、多くなってくるからね。なんと言うか謝罪は義務で、心から悪いと思う暇も与えてくれないのが大人の社会のような気がするんだよ。
前世でも、まだ大人と言える歳ではなかったけどね。
私は、プリシラとリアラを抱き締めてあげた。
「ラクス君はきっと、事情があって来られないんだよ。でも、今度ラクス君に会ったら、謝ろうね」
「エリカちゃんの言う通り、ラクス君に謝った方がいいよね」
「リアラも頑張る! そうだ、ラクス君にお人形さんを作ってあげる」
泣いたカラスがもう笑った。けど、子供の世界が簡単なわけではないよ。子供なりの葛藤はある。単に大人のような複雑な駆け引きを知らないだけだよ。
私もまだまだ子供だけど、 単純明快な大切なことを思い出せた気がするよ。 私は嬉しくなって、プリシラとリアラの 頭を撫でた。
「二人とも、いい子いい子」
「エリカちゃん、くすぐったいよ」
「でも、なんだか安心するの」
そうでしょう、そうでしょう。何しろ私は、 精神年齢は12歳のお姉さんだからね。
・・・・・・あれ? こっちの世界で5年経ってるのに、 精神年齢が変わらないということは全く成長していないということなのかな。 本来ならば 女子高生になっているはずだけど・・・・・・ 深くは考えないことにしよう。
プリシラ達と同じ目線でいられるのは素晴らしいことだよね。みんなの苦しみに気付いて、少しだけ大人の考えもできる。実は私は、最強の 心理カウンセラーになれるんじゃない?
言ってみただけ。
素人が心の問題に深く踏み込むのはよくない。私も前世ではそのせいで・・・・・・。
まあ、過去は振り返らないよ。後悔先に立たずだね。多分、意味は合ってると思う。
「今日は何して遊ぶ?」
私が聞くと、 エトワールがトコトコとこちらに歩いてきた。私達の話が終わるのを待っていたようだ。
「私はかくれんぼがしたいわ」
「うん、そうしよう」
エトワールが提案して、 プリシラが賛同した。
ところが、いつもなら一番はしゃぐはずのリアラがおとなしい。さっきまでの話を引きずっているわけではなさそうだけど・・・・・・どうかしたのかな。
「リアラは、かくれんぼしたくないの?」
「リアラも一緒に遊びたいよ。だけど、ラクス君のためにお人形さんを作りたいの」
そう言えば、リアラはそう言ってたね。ラクスは男の子だから、人形を喜ぶかは微妙なところだけど、あからさまに嫌な顔はしないはず。人形を作りたいなら、邪魔するわけにはいかない。むしろ、手伝ってあげたくなるね。
「リアラ、私も人形作りを手伝っていいかな」
「うん、いいよ」
「私も一緒にしたいな」
「わ、私も興味あるわ」
プリシラと エトワールも、一緒に人形作りをすることになった。
まずは材料集め。これはメイドに頼んで用意してもらった。割りと高級な生地が普通にあるけど、みんなは気にしていないようだ。貴族令嬢のプリシラと エトワールはともかく、平民の私とリアラは目にする機会もない高級品のはずだけど、よく考えたら周りの子供達の服の素材の方がもっとお金を掛けられているはずだよね。今更萎縮するものでもなかったよ。
針を使うのか。5歳の子供がいいのかな。裁縫は前世でもまだやったことがなかったから、要領が今一わからないよ。
リアラは器用だね。ネクヒロの設定では確かに人形作りが得意だけど、この頃から普通に作れたんだね。尊敬するよ。
私にはできない。指を怪我しないように気を付けるので精一杯だったよ。
プリシラは初めてにしてはうまく仕上げていた。
エトワールは私とお仲間だね。親近感が湧いて、私は彼女に笑いかけた。すると、なぜかそっぽを向かれた。 2年かけて少しずつ仲良くなったと思ったのは私だけってこと!? 悲しいよ。しくしく。
せっかくだから、作った人形でおままごとをすることにしたよ。人形は役割通りに動いてくれた。
え? 人形は普通、動かないって? そこらほら、 ファンタジー世界だからね。リアラのスキルで人形が動き出すんだよ。
未練のある者の魂が人形に入り込むこともあるから、軽いホラーとも言えるけどね。人形はリアラに逆らわないから、一応安全なんだよ。夜には動かないでほしいけどね。一人でお手洗いに行けなくなっちゃうよ!
ゲーム通りならクルセイラの魂が入ったクララ人形が作られる時期だけど、クルセイラは生きているからね。彼女の人形はなかったよ。
代わりに、 サンタクロースのように全身赤色の人形がある。 赤色の服に赤色のとんがり帽子はアスモデリアの 特徴のはずだけど、まさかね。 偶然の一致というだけだよね。アスモデリアは私の魔法で 消滅した。
「久し振りだね」
赤色の人形が 私に声をかけてきた。その声は 3歳の頃に蜂の大群を退けてくれた 女性の声で、そのつもりで聞けばアスモデリアの声だったよ。
今の私には 金貨9999枚という制限があるから、魔王を倒すどころか 戦うことすらできないんだけど!?
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