あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです

じじ

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部屋に残されたアリアナはしばらく呆然としていた。ベスは気遣うようにアリアナの側に寄り添う。

「あー、姉さん。せっかくだしケイビス様と結婚すれば?」

空気を全く読まないユージンの発言にアリアナががっくり頭を落としかけた時、スコンと言う小気味良い音がした。直後にユージンの呻き声があがる。
無意識に自分が叩いただろうか、と思わずじっと手を見るアリアナに、ベスは柔らかな声音で話しかけた。

「ユージン様への制裁は僭越ながら私が」

気づくと確かに先ほどまで自分の側にいたベスが、いつの間にかユージンの後ろにいる。

「あら、ベスありがとう」
「いいえ」
「ベス、僕のこと嫌い?」
「いいえ」
「いいえって。」
「ただ、ユージン様よりアリアナ様の方が大事なだけです」
「僕は婚約者だよね?僕より姉さんの方が大事なの?」

ユージンの言葉を華麗にスルーすると、ベスはアリアナににっこり微笑みかけた。

「ケイビス様のこと、お嫌いですか?」

言葉に詰まったアリアナを見て、ベスは急いで付け加える。

「もちろん、どうされるかはアリアナ様のお心次第です。ですがもし少しでもケイビス様のお気持ちにお応えになられる可能性があるのなら…私もユージン様も助力は惜しみません。」
「…」

即答できないアリアナにベスは困ったように微笑んだ。

「あー、姉さん、ケイビス様に惹かれてるよね?なんで、そんなに話しややこしく考えんのさ?」
「あなたほど、みんな単純じゃないからですよ」

ぼそりと呟くベスを悲しそうな目で見つめながら、めげずにユージンは続けた。

「姉さん。本心を隠すのは、ケイビス様に幻滅されたくないから?」

図星を突かれたアリアナは思わずユージンをまじまじと見つめた。

「お、当たり」

茶化すように言うと、にやりとユージンは不敵な笑みを浮かべた。そしてベスの方に向き直るとわざとらしく話しかける。

「ねぇ、ベス。姉さんはさ、このままゾーイの館にいるのと、新しい嫁ぎ先とどちらが幸せだと思う?」
「アリアナ様のお気持ち次第でしょう。」
「なら、僕たちは?姉さんがこの家で僕をこき使いながら、毎日君と優雅にお茶をするのと、たまに帰ってきてみんなで優雅に食卓を囲む関係ならどっちがいい?」
「前者です」

ベスの答えにユージンはつんのめりそうになる。恨みがましい目でベスを見ると、ベスは渋々答えた。

「分かりました、ユージン様。後者です。私たちはアリアナ様が屋敷から出て行って下さった方が嬉しいです」

ものすごく不本意そうに告げたベスの言葉にアリアナが訳も分からずきょとんとしていると、ユージンはにやりと笑った。

「じゃあ、その現状をケイビス様に伝えてくる」
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