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第一章 4月
お姉ちゃん、て呼んで? ★5★
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「なんで今日になってそんなこと言い出すんですか??」
「はい。構って欲しいからです」
悪びれずに微笑む志奈さん。
頭が痛くなる。
確かに私は、随分志奈さんの話を気にしている。
それは結果的に構うことになってしまうらしい。いや、そりゃそうだよね。
気になる話だもの。
「それ。志奈さんもあったんですか?」
確か、志奈さん自身も高等部は外部受験だったはずだ。
しかも、志奈の容姿は目立つから、目を付けられていても可笑しくはない。
というか、真っ先に目を付けられなくてはおかしい。
「私?私は特定の上級生にどうとかはなかったかな?秘密兵器もあったし」
「秘密兵器?」
「知りたい?知りたい?じゃあ、お姉ちゃんって呼んでみる?」
「うっ」
キラキラした目線を向けられて、口ごもる。
それは知りたい。自分がこれから通う学園のことだし。
そのためには、志奈さんをお姉ちゃんと呼ばなくてはいけない。
心を落ち着けて考えてみる。
なるだけ、前向きに。
人懐こく私を受け入れてくれてる志奈さんの気持ちに少しは応えなきゃなとも思ってる。
『お姉ちゃん』と呼ぶことは、志奈の気持ちに答えることになるだろう。
小鳥遊家に引っ越してきて、何よりも私を優先する志奈さんの存在に、恐れおののきつつ、居場所を感じていたところがあるのは確かだ。
お姉ちゃんと呼ぶべきか?
お姉ちゃんと呼んで、志奈さんを喜ばせるべきか?
お姉ちゃんと呼んで、常葉学園について聞いておくべきか?
苦渋の色を浮かべ、口を変な形に一度噛み締めて、力を込める。
ど、努力してみよう。
「あー、えーと」
「はい!」
「お、おねぇ...」
キラキラと期待を込めた眼差しに、動揺した。
ああ、やっぱり躊躇いがある…!
「はい。構って欲しいからです」
悪びれずに微笑む志奈さん。
頭が痛くなる。
確かに私は、随分志奈さんの話を気にしている。
それは結果的に構うことになってしまうらしい。いや、そりゃそうだよね。
気になる話だもの。
「それ。志奈さんもあったんですか?」
確か、志奈さん自身も高等部は外部受験だったはずだ。
しかも、志奈の容姿は目立つから、目を付けられていても可笑しくはない。
というか、真っ先に目を付けられなくてはおかしい。
「私?私は特定の上級生にどうとかはなかったかな?秘密兵器もあったし」
「秘密兵器?」
「知りたい?知りたい?じゃあ、お姉ちゃんって呼んでみる?」
「うっ」
キラキラした目線を向けられて、口ごもる。
それは知りたい。自分がこれから通う学園のことだし。
そのためには、志奈さんをお姉ちゃんと呼ばなくてはいけない。
心を落ち着けて考えてみる。
なるだけ、前向きに。
人懐こく私を受け入れてくれてる志奈さんの気持ちに少しは応えなきゃなとも思ってる。
『お姉ちゃん』と呼ぶことは、志奈の気持ちに答えることになるだろう。
小鳥遊家に引っ越してきて、何よりも私を優先する志奈さんの存在に、恐れおののきつつ、居場所を感じていたところがあるのは確かだ。
お姉ちゃんと呼ぶべきか?
お姉ちゃんと呼んで、志奈さんを喜ばせるべきか?
お姉ちゃんと呼んで、常葉学園について聞いておくべきか?
苦渋の色を浮かべ、口を変な形に一度噛み締めて、力を込める。
ど、努力してみよう。
「あー、えーと」
「はい!」
「お、おねぇ...」
キラキラと期待を込めた眼差しに、動揺した。
ああ、やっぱり躊躇いがある…!
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