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第一章 4月
翼を得た者 ★5★ 陸上部のお姉さま
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久しぶりの智子さんで、色んな話をした後。
思い出したように智子さんが言った。
「そういえばさぁ、楓」
「はい」
「なんか今、陸上部って助言者のことを『お姉さま』って呼んでるんだって?」
そう言われて、私は意味が分からずに眉を顰めた。
「そうなんですか?」
「知らなかったの?あーなんだ。てっきり楓が復活させたのかと思った」
「え、智子さん。どこでそんな話を聞いたんですか?」
「あー、いや今日。ちょっと高等部の陸上部の子と話す機会があってさ。有沢綾さんが、メンティの子に『お姉さま』って呼ばれてたって聞いて」
その言葉に考えてみてから、一つ心当たりがあって。
「そういえば」
「何?やっぱり楓が復活させたの?」
「あ、いえ。そういえば綾には、私が3年生になってから一度、もし私のことを『お姉さま』と呼びたければ呼んでもいい、と話したなぁと。でも、一度も呼ばれたことがなかったので忘れてました」
本当は、一度も綾から『お姉さま』と呼ばれなかったのは正直残念だったので、良く覚えてる。
が、流石にそこまで言うと恰好悪いし、『お姉さま』の柄じゃないだろうと自分でも思うので、そのことは私だけの秘密だ。
例え智子さんでも言うつもりはない。
しかし、今になって『お姉さま』とは。
綾のメンティと言えば、前田光希だが、あの子が希望したのだろうか。
私はそんなことを考えてから、ん?と思う。
「智子さん、高等部の陸上部の子と話したんですか?」
「あーうん」
はっとしたように、こちらから目線を逸らした智子さんがポリポリと頬を掻いた。
「ごめん。それきっかけです」
「やっぱりそれで。手間を掛けてすみません」
智子さんは困ったように笑った。
「いや、いいんだよ。別にその陸上部の子たちに頼まれたことは一つもしてないし。そもそも私自身が卒業した後の陸上部に関わるつもりがなかったし。ただね」
「はい」
「もし、私のことが原因で生徒会が嫌になってて、高等部の陸上部に関わりたいのに関われないなら、嫌だなぁって」
「え?」
私は目を見開いた。
確かに私が今回の件に関わらなかった理由は、そのことを頼みに来たのが現生徒会長だからだ。そしてその理由は智子さんにある。
しかしそのことは私だけの秘密にしてきたはずだ。
智子さんが気づいていたとは思えないし、例えば今日来た今の生徒会長が知っていたなんて考えられない。
誰がそんなことを智子さんに吹き込んだんだろう。
思い出したように智子さんが言った。
「そういえばさぁ、楓」
「はい」
「なんか今、陸上部って助言者のことを『お姉さま』って呼んでるんだって?」
そう言われて、私は意味が分からずに眉を顰めた。
「そうなんですか?」
「知らなかったの?あーなんだ。てっきり楓が復活させたのかと思った」
「え、智子さん。どこでそんな話を聞いたんですか?」
「あー、いや今日。ちょっと高等部の陸上部の子と話す機会があってさ。有沢綾さんが、メンティの子に『お姉さま』って呼ばれてたって聞いて」
その言葉に考えてみてから、一つ心当たりがあって。
「そういえば」
「何?やっぱり楓が復活させたの?」
「あ、いえ。そういえば綾には、私が3年生になってから一度、もし私のことを『お姉さま』と呼びたければ呼んでもいい、と話したなぁと。でも、一度も呼ばれたことがなかったので忘れてました」
本当は、一度も綾から『お姉さま』と呼ばれなかったのは正直残念だったので、良く覚えてる。
が、流石にそこまで言うと恰好悪いし、『お姉さま』の柄じゃないだろうと自分でも思うので、そのことは私だけの秘密だ。
例え智子さんでも言うつもりはない。
しかし、今になって『お姉さま』とは。
綾のメンティと言えば、前田光希だが、あの子が希望したのだろうか。
私はそんなことを考えてから、ん?と思う。
「智子さん、高等部の陸上部の子と話したんですか?」
「あーうん」
はっとしたように、こちらから目線を逸らした智子さんがポリポリと頬を掻いた。
「ごめん。それきっかけです」
「やっぱりそれで。手間を掛けてすみません」
智子さんは困ったように笑った。
「いや、いいんだよ。別にその陸上部の子たちに頼まれたことは一つもしてないし。そもそも私自身が卒業した後の陸上部に関わるつもりがなかったし。ただね」
「はい」
「もし、私のことが原因で生徒会が嫌になってて、高等部の陸上部に関わりたいのに関われないなら、嫌だなぁって」
「え?」
私は目を見開いた。
確かに私が今回の件に関わらなかった理由は、そのことを頼みに来たのが現生徒会長だからだ。そしてその理由は智子さんにある。
しかしそのことは私だけの秘密にしてきたはずだ。
智子さんが気づいていたとは思えないし、例えば今日来た今の生徒会長が知っていたなんて考えられない。
誰がそんなことを智子さんに吹き込んだんだろう。
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