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第二章 5月‐序
GWに待っているもの ★7★
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二人きりだったことなんて今までなかったから、少々緊張してる気配があった。
もちろん柚鈴だって緊張はしているが、見て分かるほどオトウサンの方が緊張しているので、そのことに逆に安心してしまう。
この姿だけ言えば、あの志奈さんのオトウサンとは思えないくらいだ。
「常葉学園の高等部はどう?楽しくやれてるかな?」
「あ、はい。寮もとても過ごしやすくて」
「ああ、そうらしいねえ。おかげで志奈が高校三年間の間、中々家に帰って来てくれなかったから、僕も寂しかったよ」
眉を下げて残念がるオトウサンに、柚鈴は曖昧に笑った。
柚鈴のGWの休みに合わせて、仕事を詰め込んで時間を作ったオトウサンだと思うと、だが。
志奈さんが高校時代のお休みの時も、予定を合わせるために、仕事を過度に詰め込んだ可能性が高い気がする。
そう考えると、志奈さんが帰らなかったのは、寮での居心地が良かったからというより、オトウサンを心配して、ではないかと思えてくる。
可能性はありそうだ。
『優先順位がはっきりしている』
志奈さんがオトウサンに対して言っていた言葉を思い出して、それは確かにそうなのかもしれないなぁと感じてしまった。
こうして顔を合わせて見ると、オトウサンは子煩悩すぎて自分を顧みない人のようだ。
つまり子供は優先、自分は後回し。
勿論、奥さんになったお母さんだって大切にしてくれているのも知っている。
と言ってもだ。これまで柚鈴に対して、志奈さんの様に距離を詰めるようにグイグイ寄ってくるようなことはなかった。
だから志奈さんが電話してくる程、オトウサンを心配する必要があったのかはよく分からなかった。今も緊張感は分かるが、柚鈴が困るほどではない。
勿論、仕事を詰め込みすぎるなら、オトウサンの体は心配だけど。
それ以外のことなら、志奈さんの心配しすぎかなぁ。
そう思いながら、柚鈴はお茶を飲んだ。
「!!?」
そのお茶の苦さに思わず息を詰まらせる。
「ど、どうしたの」
「お、お茶が苦…」
言葉に詰まりながら、サイドテーブルに置いてあるお茶セットの中から、今使用された急須を覗くと、とんでもない量の茶の葉が入れてある。
「な、なんですか?これ」
「いや、柚鈴ちゃん、コーヒーも苦めが好きだっていうから、ちょっと濃いめに」
柚鈴の様子に、失敗したことに気づいたオトウサンが慌てて淹れなおそうとする。
「あ、いえ。あの、私淹れます」
柚鈴がその急須を掴んで、自分の方に引き寄せた。
そんな時。
志奈さんが帰ってきたようで、リビングの扉が開いた。
「あら、柚鈴ちゃん!お帰りなさい」
満面の笑みで入ってきた志奈さんが、急須を取り合うような柚鈴とオトウサンを見て首を傾げた。
それから気まずそうな顔をしている、オトウサンに気づいたらしい。
テーブルに置いてあった柚鈴の湯呑を手に取った。
「ああ!志奈さんそれは!」
柚鈴が動揺すると、それが志奈さんの疑惑を更に深めたらしい。
怪訝な顔をいえて志奈さんが一口飲んだ。
「……まず」
なんとも言えない一言をこぼして、苦みは苦手な志奈さんは固まったまま目に涙を浮かべた。
「ゴメンナサイ」
オトウサンが肩を落とすのを見て、柚鈴は浅く笑うしかなかった。
オトウサンに注意すべき。
これは確かに一理あるようだ。
もちろん柚鈴だって緊張はしているが、見て分かるほどオトウサンの方が緊張しているので、そのことに逆に安心してしまう。
この姿だけ言えば、あの志奈さんのオトウサンとは思えないくらいだ。
「常葉学園の高等部はどう?楽しくやれてるかな?」
「あ、はい。寮もとても過ごしやすくて」
「ああ、そうらしいねえ。おかげで志奈が高校三年間の間、中々家に帰って来てくれなかったから、僕も寂しかったよ」
眉を下げて残念がるオトウサンに、柚鈴は曖昧に笑った。
柚鈴のGWの休みに合わせて、仕事を詰め込んで時間を作ったオトウサンだと思うと、だが。
志奈さんが高校時代のお休みの時も、予定を合わせるために、仕事を過度に詰め込んだ可能性が高い気がする。
そう考えると、志奈さんが帰らなかったのは、寮での居心地が良かったからというより、オトウサンを心配して、ではないかと思えてくる。
可能性はありそうだ。
『優先順位がはっきりしている』
志奈さんがオトウサンに対して言っていた言葉を思い出して、それは確かにそうなのかもしれないなぁと感じてしまった。
こうして顔を合わせて見ると、オトウサンは子煩悩すぎて自分を顧みない人のようだ。
つまり子供は優先、自分は後回し。
勿論、奥さんになったお母さんだって大切にしてくれているのも知っている。
と言ってもだ。これまで柚鈴に対して、志奈さんの様に距離を詰めるようにグイグイ寄ってくるようなことはなかった。
だから志奈さんが電話してくる程、オトウサンを心配する必要があったのかはよく分からなかった。今も緊張感は分かるが、柚鈴が困るほどではない。
勿論、仕事を詰め込みすぎるなら、オトウサンの体は心配だけど。
それ以外のことなら、志奈さんの心配しすぎかなぁ。
そう思いながら、柚鈴はお茶を飲んだ。
「!!?」
そのお茶の苦さに思わず息を詰まらせる。
「ど、どうしたの」
「お、お茶が苦…」
言葉に詰まりながら、サイドテーブルに置いてあるお茶セットの中から、今使用された急須を覗くと、とんでもない量の茶の葉が入れてある。
「な、なんですか?これ」
「いや、柚鈴ちゃん、コーヒーも苦めが好きだっていうから、ちょっと濃いめに」
柚鈴の様子に、失敗したことに気づいたオトウサンが慌てて淹れなおそうとする。
「あ、いえ。あの、私淹れます」
柚鈴がその急須を掴んで、自分の方に引き寄せた。
そんな時。
志奈さんが帰ってきたようで、リビングの扉が開いた。
「あら、柚鈴ちゃん!お帰りなさい」
満面の笑みで入ってきた志奈さんが、急須を取り合うような柚鈴とオトウサンを見て首を傾げた。
それから気まずそうな顔をしている、オトウサンに気づいたらしい。
テーブルに置いてあった柚鈴の湯呑を手に取った。
「ああ!志奈さんそれは!」
柚鈴が動揺すると、それが志奈さんの疑惑を更に深めたらしい。
怪訝な顔をいえて志奈さんが一口飲んだ。
「……まず」
なんとも言えない一言をこぼして、苦みは苦手な志奈さんは固まったまま目に涙を浮かべた。
「ゴメンナサイ」
オトウサンが肩を落とすのを見て、柚鈴は浅く笑うしかなかった。
オトウサンに注意すべき。
これは確かに一理あるようだ。
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