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第三章 5月‐結
お姉さま、茶道部のお誘いを受けました 8
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「東郷先輩のことは、とりあえず凛子先輩に相談するんだ?」
「凛子先輩が帰ってきたらね」
「お義姉さんが助言者作りに反対してるからお断りしますじゃダメなのかね?去年のすごい生徒会長さんなんだろ?」
「どうも志奈さんの義妹だと、それはそれで注目を浴びるみたいだよ」
苦笑して言うと。薫はへえと感心したように息を漏らした。
「お義姉さん目当ての上級生が逆に群がるのかな?」
「その可能性があるのかも。うぅ…面倒だなあ」
人様に注目してもらうような存在じゃないんですけど…
そう大げさなため息をついていると、少しばかりは同情したような顔を薫は見せた。
「まあ、陸上部の前田先輩もそうだったけど、どうも助言者側がペアを作る努力をすると、それは正義だと思われがちだよな」
「…そうだねえ」
同意して頷く。
「まあ、優秀な先輩に付きっきりになってもらうのは確かに嬉しいことかもしれないけど。そうか凛子先輩にねぇ」
薫はふと疑問に思ったらしく、首を傾げた。
「で、さあ。その相談、凛子先輩にお義姉さんのことも相談するの?」
「…」
柚鈴はその質問には言葉を失った
しばしの沈黙の後、突っ伏して唸った
「そうなんだよねえ。どうしよう」
「言うなら早めに言っておいた方がいいじゃない?」
「いや、もうなんだか。既に今更に思えて」
「そういうもんなの?じゃあ、別に言わなくても良いんじゃない?」
薫の受け答えはどこまでもシンプルだ。
細かく考えずにポンポン言ってくれるので、逆に考えすぎてしまう柚鈴には心地いいリズムだったりする。
「なんていうか。柚鈴がしたいようにすれば良いじゃないかって思うんだよね。迷うならそれはしたくないってことでしょう?でも多少無理したって言いたくなることだってあるだろうし。どっちでも良いんじゃないかなと」
「こないだ、その理論で問題起こした薫に言われてもねえ」
「ねぇ」
癒されかかった柚鈴が、陸上部の一件を思い出して苦笑すると、幸が一緒になってクスクス笑う。
薫は肩を竦めて、ニヤリと笑った。
「まあ、失敗を通して、私も大人になったよ」
飄々とした様子で適当に相槌を打ってくる。
「人間の本質は残念ながら大きくは変わらないけど、経験すれば次は選択を増やすくらいのことは私だってするわけだし?幸いにも頼りがいのある友人らもいること分かったし、今後もなんとかなるんじゃない?」
頼りがいのある友人ら、という所で、さりげなく二人を見てウインクされれば。
柚鈴も幸も悪い気がするはずもない。
一人でなんでもこなしそうな薫がそれを言ってしまうと、ちょっと嬉しくさえ思えて、じゃあ薫の為になれるように頑張れるようと思ってしまう。
「だからさ、柚鈴もやりたいようにやんなよ」
「確かにそうだね」
幸はにっこりと笑って同意した。
「柚鈴ちゃんに薫みたいな友達がいるってことは。そうやって好きなようにやりなさいって言うことなんだと思うよ。そうやって薫に教えてもらうためなんじゃないかな」
「うぅ…」
この言葉には、柚鈴だけでなく薫も少し照れたような顔をした。
散々自分も、恥ずかしいことを言っていたくせに、こうして第三者の立場でその言葉を聞いて気づくことがあったらしい。
無言で幸の頭を撫でかけて、一瞬考えてから、その肩にぽんっと手を置いた。
「あんたには負ける」
「ん?」
薫の様子の意味が分からないという様子で、幸が首を傾げて。
柚鈴は笑いつつ、深く考えるのは一先ず止めてみよう、と思った。
なるようになるって思うことも、少しは大切なのかもしれない。
「凛子先輩が帰ってきたらね」
「お義姉さんが助言者作りに反対してるからお断りしますじゃダメなのかね?去年のすごい生徒会長さんなんだろ?」
「どうも志奈さんの義妹だと、それはそれで注目を浴びるみたいだよ」
苦笑して言うと。薫はへえと感心したように息を漏らした。
「お義姉さん目当ての上級生が逆に群がるのかな?」
「その可能性があるのかも。うぅ…面倒だなあ」
人様に注目してもらうような存在じゃないんですけど…
そう大げさなため息をついていると、少しばかりは同情したような顔を薫は見せた。
「まあ、陸上部の前田先輩もそうだったけど、どうも助言者側がペアを作る努力をすると、それは正義だと思われがちだよな」
「…そうだねえ」
同意して頷く。
「まあ、優秀な先輩に付きっきりになってもらうのは確かに嬉しいことかもしれないけど。そうか凛子先輩にねぇ」
薫はふと疑問に思ったらしく、首を傾げた。
「で、さあ。その相談、凛子先輩にお義姉さんのことも相談するの?」
「…」
柚鈴はその質問には言葉を失った
しばしの沈黙の後、突っ伏して唸った
「そうなんだよねえ。どうしよう」
「言うなら早めに言っておいた方がいいじゃない?」
「いや、もうなんだか。既に今更に思えて」
「そういうもんなの?じゃあ、別に言わなくても良いんじゃない?」
薫の受け答えはどこまでもシンプルだ。
細かく考えずにポンポン言ってくれるので、逆に考えすぎてしまう柚鈴には心地いいリズムだったりする。
「なんていうか。柚鈴がしたいようにすれば良いじゃないかって思うんだよね。迷うならそれはしたくないってことでしょう?でも多少無理したって言いたくなることだってあるだろうし。どっちでも良いんじゃないかなと」
「こないだ、その理論で問題起こした薫に言われてもねえ」
「ねぇ」
癒されかかった柚鈴が、陸上部の一件を思い出して苦笑すると、幸が一緒になってクスクス笑う。
薫は肩を竦めて、ニヤリと笑った。
「まあ、失敗を通して、私も大人になったよ」
飄々とした様子で適当に相槌を打ってくる。
「人間の本質は残念ながら大きくは変わらないけど、経験すれば次は選択を増やすくらいのことは私だってするわけだし?幸いにも頼りがいのある友人らもいること分かったし、今後もなんとかなるんじゃない?」
頼りがいのある友人ら、という所で、さりげなく二人を見てウインクされれば。
柚鈴も幸も悪い気がするはずもない。
一人でなんでもこなしそうな薫がそれを言ってしまうと、ちょっと嬉しくさえ思えて、じゃあ薫の為になれるように頑張れるようと思ってしまう。
「だからさ、柚鈴もやりたいようにやんなよ」
「確かにそうだね」
幸はにっこりと笑って同意した。
「柚鈴ちゃんに薫みたいな友達がいるってことは。そうやって好きなようにやりなさいって言うことなんだと思うよ。そうやって薫に教えてもらうためなんじゃないかな」
「うぅ…」
この言葉には、柚鈴だけでなく薫も少し照れたような顔をした。
散々自分も、恥ずかしいことを言っていたくせに、こうして第三者の立場でその言葉を聞いて気づくことがあったらしい。
無言で幸の頭を撫でかけて、一瞬考えてから、その肩にぽんっと手を置いた。
「あんたには負ける」
「ん?」
薫の様子の意味が分からないという様子で、幸が首を傾げて。
柚鈴は笑いつつ、深く考えるのは一先ず止めてみよう、と思った。
なるようになるって思うことも、少しは大切なのかもしれない。
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