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第三章 5月‐結
お姉さま、体育祭です! 1
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体育祭当日は、北組を中心として仕上げた各組の色をモチーフにした美しい彩りの看板が飾られて、入場門も華やかなものが設置された。
生徒の人数を考えると、そこまで広くは設置されていないことになるのだろう家族席はそれでも中々の賑わいを見せている。
注目すべきはOGでも限られたメンバーだけが使用することになる同窓会席。
保護者席と同様にしっかりテントが張られているだけでなく、生徒会メンバーがお世話をするときに使う配膳用スペースやテーブルとイスまである。
ちょっとしたVIP席になっていて、常葉学園での同窓会の存在の重要性が分かる気がする。
教員席よりも念入りに確認されて設置されていたのが印象的であった。
トラックもこの日の為に整備されて、いつもよりも引き締まった雰囲気である。
各生徒が自分の組の色のハチマキを持ち、小道具も用意されて、今日ここで体育祭を行うと思うと感慨深いくらいの状態になっていた。
そんな中。
「うっわ~…」
開会式直前の1年東組の教室にて。
柚鈴は体育祭のプログラムも見つつ、大きなため息をついた。
なんと借り物競争の順番が最後から2番目なのだ。
大トリは当然ながら、組対抗リレー。
花形の競技だと言えるだろう。
しかしその一個前ということは、やはりかなり盛り上がるということなんだろうか。
…ゆ、憂鬱になってきた。
そんなこと体育祭当日の朝になってため息つく、柚鈴も柚鈴ではあるのだが、東組は全体的に体育祭の意識があまりない。
少なくともクラスの半分は体育祭が近くなっても、そんな空気がなかったような気がする。
練習が必要な競技に出る生徒は放課後集合していたようだが、柚鈴のように出る競技が借り物競争では練習のしようもない。
大がかりな準備では、もちろん組など関係なく手伝いもしたし入場行進の練習や進行上に必要な打ち合わせも参加したが、前日になってもプログラムは見さえしなかった。
現実を直視したくなかった気持ちもあるし。なんとなく、借り物競争はわりかし早めの順番で組み込まれている気がしていたのだ。
しかしこうなってみると、見なかったのはある意味では正解。
どうせ出ると決まっているわけだから、見ても見なくても結果は一緒だった。
前もって知っていたら、当日まで鬱々と過ごすことになったかもしれないと思えば、良かった気がする。
その分、今気分が重いのは置いておいて。
もはや、やるしかない。
今日、柚鈴がすべきこと。
借り物競走までに、しのさんを発見したら競技のお題として一緒にゴールしてもらえるように頼む。
万が一競技のその瞬間になっても発見できない見つからない、なんてことがあれば。
悪いが、遥先輩をお題として連れて行くことにする。
何のお願いもしていないが、体育祭は同じ白組同士だ。
競技での点に入るということで納得して協力してもらおう。
すでにペアのいる遥先輩であれば、大きな問題にはならない、はずである。
ちなみに決めたのは昨日。もしもが存在すると気づいて、迷いに迷って保険を決めることにしたのだ。
それなら凛子先輩とも思ったのだが、諸々の事情を踏まえてやめておくのが妥当と判断。
きっと口の良く回る遥先輩のことだ。
もしもの時は上手く立ち回ってくれるような気もする。
そしてやはり借り物競争に出ることになっていた東郷先輩からは、怯むことなく柚鈴を追ってきた場合。
すみやかに逃げる。
そのこと自体が全校生徒の注目を浴びてしまう可能性は高いのだが、少しでも意思表示をした方がいいだろうという結論になった。
不安要素はかなりあるけれど、計画を立てて当日が来てしまった以上、これ以上悩んでも仕方がない。
考えるより産むが安し。
どうせ他の案もないのだから、やるしかないのだ。
ああ、神様。どうか、どうか。
無事に終わりますように…!
柚鈴は心から祈って、ハチマキをしめた。
生徒の人数を考えると、そこまで広くは設置されていないことになるのだろう家族席はそれでも中々の賑わいを見せている。
注目すべきはOGでも限られたメンバーだけが使用することになる同窓会席。
保護者席と同様にしっかりテントが張られているだけでなく、生徒会メンバーがお世話をするときに使う配膳用スペースやテーブルとイスまである。
ちょっとしたVIP席になっていて、常葉学園での同窓会の存在の重要性が分かる気がする。
教員席よりも念入りに確認されて設置されていたのが印象的であった。
トラックもこの日の為に整備されて、いつもよりも引き締まった雰囲気である。
各生徒が自分の組の色のハチマキを持ち、小道具も用意されて、今日ここで体育祭を行うと思うと感慨深いくらいの状態になっていた。
そんな中。
「うっわ~…」
開会式直前の1年東組の教室にて。
柚鈴は体育祭のプログラムも見つつ、大きなため息をついた。
なんと借り物競争の順番が最後から2番目なのだ。
大トリは当然ながら、組対抗リレー。
花形の競技だと言えるだろう。
しかしその一個前ということは、やはりかなり盛り上がるということなんだろうか。
…ゆ、憂鬱になってきた。
そんなこと体育祭当日の朝になってため息つく、柚鈴も柚鈴ではあるのだが、東組は全体的に体育祭の意識があまりない。
少なくともクラスの半分は体育祭が近くなっても、そんな空気がなかったような気がする。
練習が必要な競技に出る生徒は放課後集合していたようだが、柚鈴のように出る競技が借り物競争では練習のしようもない。
大がかりな準備では、もちろん組など関係なく手伝いもしたし入場行進の練習や進行上に必要な打ち合わせも参加したが、前日になってもプログラムは見さえしなかった。
現実を直視したくなかった気持ちもあるし。なんとなく、借り物競争はわりかし早めの順番で組み込まれている気がしていたのだ。
しかしこうなってみると、見なかったのはある意味では正解。
どうせ出ると決まっているわけだから、見ても見なくても結果は一緒だった。
前もって知っていたら、当日まで鬱々と過ごすことになったかもしれないと思えば、良かった気がする。
その分、今気分が重いのは置いておいて。
もはや、やるしかない。
今日、柚鈴がすべきこと。
借り物競走までに、しのさんを発見したら競技のお題として一緒にゴールしてもらえるように頼む。
万が一競技のその瞬間になっても発見できない見つからない、なんてことがあれば。
悪いが、遥先輩をお題として連れて行くことにする。
何のお願いもしていないが、体育祭は同じ白組同士だ。
競技での点に入るということで納得して協力してもらおう。
すでにペアのいる遥先輩であれば、大きな問題にはならない、はずである。
ちなみに決めたのは昨日。もしもが存在すると気づいて、迷いに迷って保険を決めることにしたのだ。
それなら凛子先輩とも思ったのだが、諸々の事情を踏まえてやめておくのが妥当と判断。
きっと口の良く回る遥先輩のことだ。
もしもの時は上手く立ち回ってくれるような気もする。
そしてやはり借り物競争に出ることになっていた東郷先輩からは、怯むことなく柚鈴を追ってきた場合。
すみやかに逃げる。
そのこと自体が全校生徒の注目を浴びてしまう可能性は高いのだが、少しでも意思表示をした方がいいだろうという結論になった。
不安要素はかなりあるけれど、計画を立てて当日が来てしまった以上、これ以上悩んでも仕方がない。
考えるより産むが安し。
どうせ他の案もないのだから、やるしかないのだ。
ああ、神様。どうか、どうか。
無事に終わりますように…!
柚鈴は心から祈って、ハチマキをしめた。
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