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第四章 6月
お姉さま、予想外です! 1
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次の登校日。
柚鈴は幸と二人で寮を出た。
時間には余裕を持って出発してはいるが、陸上部の朝練で更に早い薫はいない。
体育祭が終わってすぐであっても、そういったことは関係ないようだった。
今、闘志を燃やしている薫ならば、朝練がなくても自主練していたかもしれないけれど。
寮から学校までの距離はそう遠くはない。
のんびり歩きながら、柚鈴はふと食堂での出来事を思い出して幸に問いかけた。
「朝食食べているとき、凛子先輩に話し掛けられてたみたいだけど、どうかしたの?」
「なんか放課後に生徒会室に来てほしいみたい」
「生徒会室?」
「手伝ってほしいことがある、とか言ってたよ」
なんのことかは分からないけど、といった風で幸は答えた。
生徒会室?
一体、生徒会メンバーではない幸に何を手伝ってもらうのだろう。
…人数が必要なことだろうか?
「良かったら私も行こうか?」
柚鈴が申し出ると、幸は嬉しそうに笑った。
「いいの?きっと手が多い方がいいもんね。それに終わったら一緒に帰れて一石二鳥!」
「幸ちゃん、部活はないの?」
「今はね~、書きかけの作品があるの。だからちょっと自分の部屋でかき上げてしまわないといけなくて」
幸の部活は文芸部。
柚鈴には良くわからないけれど、主な活動は小説やエッセイ、詩など文章を書きあげることになるらしい。
部室で取り組む部員もいるようだが、幸は自分の部屋で行う方が良い、ということだ。
部活動なのに、部室で活動しない、というのは少々不思議だけど、それで良いというのだから良いのだろう。
「じゃあ、帰ったら一緒に宿題も終わらせちゃおうか」
「いいの?うんうん、そうしよう!」
少しでも幸の時間を長くするために柚鈴が提案すると、幸は大きく頷いた。
東組の課題は時に大量に出る。
油断がならないのだ。
それから少し行くと。
見えてきた校門よりは前に、数名生徒が立ち止まって、何かを待っているようにこちらの方を向いているが見えた。
「2年生だね」
幸が柚鈴にだけ聞こえるように呟いた。
寮生ではなさそうだが、幸には見たことのある上級生もいたらしい。
待ち合わせだろうか?会釈だけして通り過ぎようとすると。
「ごきげんよう。あなた、小鳥遊柚鈴さん、かしら?」
声を掛けられて 、柚鈴は立ち止まった。
改めてその人たちを見るが誰一人知っている人はいない。
向こうも確認しているわけだから、柚鈴のことをちゃんと知っているわけではないらしい。
一体何事かと、柚鈴は息を飲んでから、挨拶を返した。
「お、おはようございます。あの、何かご用でしょうか?」
「実は私達、あなたとお話したくて待っていたの」
「え?」
私たち、と言われて。
柚鈴は改めて、2年生全員を見た。
ごきげんよう、の挨拶をしてきたと言うことは、恐らくは西組か北組の生徒だ。
…これってもしかして。
柚鈴は思い当たることがなくはないことに気付いて、顔を強張らせた。
「私達は皆、ペアを持たない助言者資格を持っている2年生です。柚鈴さんの助言者候補になれないかと思ってお待ちしていたのよ」
一人が言い出せば、もう一人が付け足すように口を開いた。
「小鳥遊志奈さまの義妹さんで、東組の特待生である柚鈴さんに興味があるのよ」
ああ…やっぱり。
体育祭効果がこんなにも如実に現れるとは。
柚鈴は点を仰ぎたい気持ちになった。
東組の特待生ってことまで?と一瞬思ったが、良く考えたら生徒会から配られた資料があったのだった。
体育祭後にその資料を見れば、小鳥遊の名前のある生徒は東組の柚鈴くらいのものだろう。
しかしここまできっぱりと、志奈さんのことで興味が出たと言われるとは。
目の前の先輩は5人。
昨日のお休みの間に話し合ってきた、というところだろうか。
柚鈴は幸と二人で寮を出た。
時間には余裕を持って出発してはいるが、陸上部の朝練で更に早い薫はいない。
体育祭が終わってすぐであっても、そういったことは関係ないようだった。
今、闘志を燃やしている薫ならば、朝練がなくても自主練していたかもしれないけれど。
寮から学校までの距離はそう遠くはない。
のんびり歩きながら、柚鈴はふと食堂での出来事を思い出して幸に問いかけた。
「朝食食べているとき、凛子先輩に話し掛けられてたみたいだけど、どうかしたの?」
「なんか放課後に生徒会室に来てほしいみたい」
「生徒会室?」
「手伝ってほしいことがある、とか言ってたよ」
なんのことかは分からないけど、といった風で幸は答えた。
生徒会室?
一体、生徒会メンバーではない幸に何を手伝ってもらうのだろう。
…人数が必要なことだろうか?
「良かったら私も行こうか?」
柚鈴が申し出ると、幸は嬉しそうに笑った。
「いいの?きっと手が多い方がいいもんね。それに終わったら一緒に帰れて一石二鳥!」
「幸ちゃん、部活はないの?」
「今はね~、書きかけの作品があるの。だからちょっと自分の部屋でかき上げてしまわないといけなくて」
幸の部活は文芸部。
柚鈴には良くわからないけれど、主な活動は小説やエッセイ、詩など文章を書きあげることになるらしい。
部室で取り組む部員もいるようだが、幸は自分の部屋で行う方が良い、ということだ。
部活動なのに、部室で活動しない、というのは少々不思議だけど、それで良いというのだから良いのだろう。
「じゃあ、帰ったら一緒に宿題も終わらせちゃおうか」
「いいの?うんうん、そうしよう!」
少しでも幸の時間を長くするために柚鈴が提案すると、幸は大きく頷いた。
東組の課題は時に大量に出る。
油断がならないのだ。
それから少し行くと。
見えてきた校門よりは前に、数名生徒が立ち止まって、何かを待っているようにこちらの方を向いているが見えた。
「2年生だね」
幸が柚鈴にだけ聞こえるように呟いた。
寮生ではなさそうだが、幸には見たことのある上級生もいたらしい。
待ち合わせだろうか?会釈だけして通り過ぎようとすると。
「ごきげんよう。あなた、小鳥遊柚鈴さん、かしら?」
声を掛けられて 、柚鈴は立ち止まった。
改めてその人たちを見るが誰一人知っている人はいない。
向こうも確認しているわけだから、柚鈴のことをちゃんと知っているわけではないらしい。
一体何事かと、柚鈴は息を飲んでから、挨拶を返した。
「お、おはようございます。あの、何かご用でしょうか?」
「実は私達、あなたとお話したくて待っていたの」
「え?」
私たち、と言われて。
柚鈴は改めて、2年生全員を見た。
ごきげんよう、の挨拶をしてきたと言うことは、恐らくは西組か北組の生徒だ。
…これってもしかして。
柚鈴は思い当たることがなくはないことに気付いて、顔を強張らせた。
「私達は皆、ペアを持たない助言者資格を持っている2年生です。柚鈴さんの助言者候補になれないかと思ってお待ちしていたのよ」
一人が言い出せば、もう一人が付け足すように口を開いた。
「小鳥遊志奈さまの義妹さんで、東組の特待生である柚鈴さんに興味があるのよ」
ああ…やっぱり。
体育祭効果がこんなにも如実に現れるとは。
柚鈴は点を仰ぎたい気持ちになった。
東組の特待生ってことまで?と一瞬思ったが、良く考えたら生徒会から配られた資料があったのだった。
体育祭後にその資料を見れば、小鳥遊の名前のある生徒は東組の柚鈴くらいのものだろう。
しかしここまできっぱりと、志奈さんのことで興味が出たと言われるとは。
目の前の先輩は5人。
昨日のお休みの間に話し合ってきた、というところだろうか。
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