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新しい生活
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よく分からないが、河原はSNSのアカウントがないそうだ。
何処までも俺様だな、コイツは…
可愛くって、俺が?そんなキモい事出来るかよ。
でも連絡先を知っといた方がなにかあった時便利なんだよな。
電話よりSNSの方が手軽で簡単だからな。
「河原、やって」
河原の首元に腕を回して首を傾げる。
なにが可愛いのか知らないが、半分ヤケクソのようなものだ。
どうだ、俺がやると気持ち悪いだろ。
河原だって男にされても嫌なだけだろ。
俺も自分が気持ち悪いって思っているんだから…
河原が言った事だが、俺もかなり恥ずかしさでダメージがデカかった。
もう二度とやれとか言わないようにとびっきり甘えてみた。
河原は当然固まっていた……そんなに気持ち悪かったか?
さすがにちょっとやりすぎたかな。
笑い話くらいにはなるかと思っていたんだけど…
密着する胸から早くなる鼓動が伝わった。
河原どうした?
少し暖かい季節だが、まだリビングで寝ていられるほどではない。
風邪を引いても仕方ない。
河原の額に触れて熱を確かめようとしたが、河原は目を逸らして俺から離れる。
その手つきが何だか優しいような気がした。
「お前がそこまで言うなら仕方ねぇなぁ…」
棒読みの河原はテーブルに置いていたスマホを取り、操作する。
ちょっと耳が赤いな…もしかしてあんな事言ってて実は甘えられるのに慣れてないのか。
河原の意外な弱点を知りニヤニヤと笑う。
それに気付いた河原は不機嫌な顔をしていた。
別に俺が可愛く見えたわけではない事くらい分かってるから、そんな怒るなよ。
また言い合いになっても困るから、思った事は心に秘めておく。
SNSのIDを交換してもう一つの開けられてない段ボールが気になった。
開けてある方のは服や日用品を入れているみたいだった。
片付けるのが面倒なら、俺も手伝うよ。
「河原、もう一つの段ボールって…」
「あ?…あー、仕事の道具とか入ってるから勝手に開けるなよ」
俺が気になっているのに気付いたのか、先に言われてしまった。
仕事、それって芸能人のか?
何の芸能人か分からないが大変そうだな。
俺みたいに趣味でバイトしてるわけじゃないのは見ていて分かる。
あまり詮索されたくはないだろう。
お互い仕事をしてるから、部屋で顔を合わせる事は少ないのかもしれない。
なら今のうちに河原に寮案内した方がいいよな、校内案内は断られてしまったけど…
壁に掛けてある時計を見ると夕飯時にはちょうどいい。
少し歩いて運動してから食べた方が、より美味しいだろう。
河原も欠伸はしてるがもう寝る気はなかった。
「河原、もし良かったら寮案内しようか?」
「…何だよいきなりしおらしくなって」
「お前が上から目線とか言ったんだろ」
もう忘れたのか「そうだっけ」とすっとぼける。
ちょっとあの時傷付いたんだぞ、上から目線とか言われた事なかったし…
自分でも気付かないうちにやってたのかと思って反省してたのに。
河原はズボンのポケットにスマホを入れてリビングを出た。
リビングから玄関に向かう河原を見て河原はこちらを向いた。
「早く来いよ、案内してくれんじゃねーのか?」と言われ部屋を出る河原に慌てて付いて行く。
さっきの言葉は案内してもいいのかいまいち分からない。
素直に言えばいいのにな。
部屋を出て、まず近くにある施設から河原に紹介する。
「ここが大浴場でここが娯楽室」
「かつらのままで入れないから大浴場に来る事ねぇな」
「そうなのか?結構広いぞ…他人と一緒に風呂に入るからよく裸見られるのがちょっと嫌だけどな」
「………」
河原は微妙な顔をして俺を見る。
そりゃあ男が男の裸見てなにが楽しいんだって思うよ、しかしここは特殊だからな。
女の子がいないと、顔がいい男に行くんじゃないか?俺は理解出来ないけど…
河原もいずれ分かるだろうな…男同士のカップルが意外とこの学校に多いって事が…
誰でもキスする無節操な河原くんにはあまり関係ないかもなとトゲのある事を考える。
そう思うと俺より早めに馴染めそうだな。
河原は大浴場を睨んでいた。
そんな険しい顔してどうしたんだ?大浴場に入ろうとしている奴らがビビって引き返してるだろ。
「お前は大浴場禁止な」
「は?なんでだよ、別に禁止されるような事してねぇだろ」
「うるせぇな、もし行ったらお前を素っ裸の状態で外に出して鍵を掛ける」
何処までも俺様だな、コイツは…
可愛くって、俺が?そんなキモい事出来るかよ。
でも連絡先を知っといた方がなにかあった時便利なんだよな。
電話よりSNSの方が手軽で簡単だからな。
「河原、やって」
河原の首元に腕を回して首を傾げる。
なにが可愛いのか知らないが、半分ヤケクソのようなものだ。
どうだ、俺がやると気持ち悪いだろ。
河原だって男にされても嫌なだけだろ。
俺も自分が気持ち悪いって思っているんだから…
河原が言った事だが、俺もかなり恥ずかしさでダメージがデカかった。
もう二度とやれとか言わないようにとびっきり甘えてみた。
河原は当然固まっていた……そんなに気持ち悪かったか?
さすがにちょっとやりすぎたかな。
笑い話くらいにはなるかと思っていたんだけど…
密着する胸から早くなる鼓動が伝わった。
河原どうした?
少し暖かい季節だが、まだリビングで寝ていられるほどではない。
風邪を引いても仕方ない。
河原の額に触れて熱を確かめようとしたが、河原は目を逸らして俺から離れる。
その手つきが何だか優しいような気がした。
「お前がそこまで言うなら仕方ねぇなぁ…」
棒読みの河原はテーブルに置いていたスマホを取り、操作する。
ちょっと耳が赤いな…もしかしてあんな事言ってて実は甘えられるのに慣れてないのか。
河原の意外な弱点を知りニヤニヤと笑う。
それに気付いた河原は不機嫌な顔をしていた。
別に俺が可愛く見えたわけではない事くらい分かってるから、そんな怒るなよ。
また言い合いになっても困るから、思った事は心に秘めておく。
SNSのIDを交換してもう一つの開けられてない段ボールが気になった。
開けてある方のは服や日用品を入れているみたいだった。
片付けるのが面倒なら、俺も手伝うよ。
「河原、もう一つの段ボールって…」
「あ?…あー、仕事の道具とか入ってるから勝手に開けるなよ」
俺が気になっているのに気付いたのか、先に言われてしまった。
仕事、それって芸能人のか?
何の芸能人か分からないが大変そうだな。
俺みたいに趣味でバイトしてるわけじゃないのは見ていて分かる。
あまり詮索されたくはないだろう。
お互い仕事をしてるから、部屋で顔を合わせる事は少ないのかもしれない。
なら今のうちに河原に寮案内した方がいいよな、校内案内は断られてしまったけど…
壁に掛けてある時計を見ると夕飯時にはちょうどいい。
少し歩いて運動してから食べた方が、より美味しいだろう。
河原も欠伸はしてるがもう寝る気はなかった。
「河原、もし良かったら寮案内しようか?」
「…何だよいきなりしおらしくなって」
「お前が上から目線とか言ったんだろ」
もう忘れたのか「そうだっけ」とすっとぼける。
ちょっとあの時傷付いたんだぞ、上から目線とか言われた事なかったし…
自分でも気付かないうちにやってたのかと思って反省してたのに。
河原はズボンのポケットにスマホを入れてリビングを出た。
リビングから玄関に向かう河原を見て河原はこちらを向いた。
「早く来いよ、案内してくれんじゃねーのか?」と言われ部屋を出る河原に慌てて付いて行く。
さっきの言葉は案内してもいいのかいまいち分からない。
素直に言えばいいのにな。
部屋を出て、まず近くにある施設から河原に紹介する。
「ここが大浴場でここが娯楽室」
「かつらのままで入れないから大浴場に来る事ねぇな」
「そうなのか?結構広いぞ…他人と一緒に風呂に入るからよく裸見られるのがちょっと嫌だけどな」
「………」
河原は微妙な顔をして俺を見る。
そりゃあ男が男の裸見てなにが楽しいんだって思うよ、しかしここは特殊だからな。
女の子がいないと、顔がいい男に行くんじゃないか?俺は理解出来ないけど…
河原もいずれ分かるだろうな…男同士のカップルが意外とこの学校に多いって事が…
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そう思うと俺より早めに馴染めそうだな。
河原は大浴場を睨んでいた。
そんな険しい顔してどうしたんだ?大浴場に入ろうとしている奴らがビビって引き返してるだろ。
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