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【チャプター 43】
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「痛えよう。痛えよう。ちくしょう、なにしやがるんだァ。わたしはおまえの妻だろうがよう」
妖気が右眼だけで睨む。
「違う! おまえなんて妻じゃない!」
「なんだとう。なんでそんなことを言うんだァ。わたしを愛していただろう? いまだって愛しているんだろう? だったら、おまえのその首を咬み切らせてくれよう」
語尾を言い切る前に、またも妖鬼は、中沢の顔に向かって跳躍していた。
「もう、やめろッ!」
その妖鬼に、中沢は包丁をふり下ろす。
「うわあああああッ!」
今度は一度ならず二度、そして三度、いや、狂乱した中沢は、なんどもなんども包丁をふり下ろしていた。
「ぐえ、うげお、ぐえェ!」
妖鬼の頭から血が噴き出す。
頭蓋が割れる音がする。
ぐちゃ、
ぐちゃ、
ぐちゃり、
頭蓋がめちゃめちゃに割れ、潰れ、血に混じった脳漿が飛び散った。
どれだけ包丁をふり下ろしつづけただろうか。
息が上がり、ようやく中沢は手を止めた。
妖鬼はピクリとも動かない。
頭部が見るも無残にぐちゃぐちゃになっている。
どす黒い血の中には、髪の毛が絡みついた脳髄が見えていた。
中沢は放心して床へ倒れこみ、包丁を放した。
肩で息をする。
呼吸が落ち着くと、中沢は顔をゆがませた。
唇がわななく。涙があふれだしてくる。
「どうして、どうしてなんだよ……」
おなじ言葉をくり返し、あふれる涙を拭うことも忘れて泣きつづけた。
身も心も疲れ切ってしまった。
抗うことにも疲れ果て、これ以上は何もできそうになかった。
いや、もう何も考えたくなかった。
中沢はふらりと立ち上がり、魂が抜け落ちたかのようにゆらゆらとリビングを出ると、玄関に向かった。
妖気が右眼だけで睨む。
「違う! おまえなんて妻じゃない!」
「なんだとう。なんでそんなことを言うんだァ。わたしを愛していただろう? いまだって愛しているんだろう? だったら、おまえのその首を咬み切らせてくれよう」
語尾を言い切る前に、またも妖鬼は、中沢の顔に向かって跳躍していた。
「もう、やめろッ!」
その妖鬼に、中沢は包丁をふり下ろす。
「うわあああああッ!」
今度は一度ならず二度、そして三度、いや、狂乱した中沢は、なんどもなんども包丁をふり下ろしていた。
「ぐえ、うげお、ぐえェ!」
妖鬼の頭から血が噴き出す。
頭蓋が割れる音がする。
ぐちゃ、
ぐちゃ、
ぐちゃり、
頭蓋がめちゃめちゃに割れ、潰れ、血に混じった脳漿が飛び散った。
どれだけ包丁をふり下ろしつづけただろうか。
息が上がり、ようやく中沢は手を止めた。
妖鬼はピクリとも動かない。
頭部が見るも無残にぐちゃぐちゃになっている。
どす黒い血の中には、髪の毛が絡みついた脳髄が見えていた。
中沢は放心して床へ倒れこみ、包丁を放した。
肩で息をする。
呼吸が落ち着くと、中沢は顔をゆがませた。
唇がわななく。涙があふれだしてくる。
「どうして、どうしてなんだよ……」
おなじ言葉をくり返し、あふれる涙を拭うことも忘れて泣きつづけた。
身も心も疲れ切ってしまった。
抗うことにも疲れ果て、これ以上は何もできそうになかった。
いや、もう何も考えたくなかった。
中沢はふらりと立ち上がり、魂が抜け落ちたかのようにゆらゆらとリビングを出ると、玄関に向かった。
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