メビウスの環

*この作品は一度完結したものに、修正、加筆を加え、改めて連載させていただきました*

【あらすじ】
 その日、会社をリストラされた中沢は、夕食のステーキを口に運びながらも喋りつづける妻の蠢く唇を見ていて殺意をいだく。中沢は「妻が浮気をしている」そう思いこんでいた。
 殺意をいだきながら、中沢もまたステーキを口に運び、赤ワインを飲んでいるうちに酔いが回ってしまった。妻に支えられながら2階の寝室に入り、ベッドに倒れこむように横になると、急速に闇に引き込まれてしまったのだった。
 ふと目を覚まして時計を見ると10時を過ぎており、中沢は3時間ほど眠ってしまっていた。
 ベッドから出て、1階に下りリビングに入ると、妻がスマートフォンで誰かと話していた。
 中沢はとっさにキッチン身を隠すと、神経を集中して聞き耳を立てた。
 相手の話しにうなずきながら、妻の声は歓喜していた。
 浮気相手の男なのだと中沢は確信した。そのとたん、胸に狂気が芽生え、それは嫉妬の炎となり、こみ上げる怒りと憎悪が中沢の理性を断ち切った。中沢は妻の背後へと近づいていき、それに気づいてふり返った妻の首を絞めて殺害した。
 殺してしまった妻の身体をシーツにくるみ、車のトランクに入れて山林へと運ぶと、中沢は地中に埋めて自宅へともどった。
 翌日、解雇されたにもかかわらず、会社のあるオフィスビルの前まで来てしまい、しばらくそのオフィスビルを眺めていた。行くあてもないまま新宿の街を徘徊し、夕刻にになって自宅へともどってリビングのソファに坐っていると、死んだはずの妻が姿を現したのだった。
 パニックに陥る中沢だったが、キッチンで夕食の料理を作っている妻の背を見ていて、「妻を殺したのは、悪い夢だったのだ」と思うようにした。しかし、中沢はまた、妻を殺してしまう。
 中沢はそうして、妻を殺すという日々をくり返すこととなってしまった。
まるでメビウスの環のように、そこから逃れることは出来ないのだった。
24hポイント 342pt
小説 2,128 位 / 40,979件 大衆娯楽 58 位 / 893件
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

契約期間は終わりましたので私に自由をください

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:107012pt お気に入り:2516

二度目の人生は無難に引きこもりたい

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:41869pt お気に入り:3632

愛と国を寝取られた神さま。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1853pt お気に入り:15

専属料理人なのに、料理しかしないと追い出されました。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:3521pt お気に入り:5779

狂気顛落

ホラー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:4

♀→♂への異世界転生~年上キラーの勝ち組人生、姉様はみんな僕の虜~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:2500pt お気に入り:1791