遑神 ーいとまがみー

慶光院周

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第1章

朝食は調べ物とともに

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 新月が私に抱きついたまま不貞腐れている。重い。

 「う~ぅ、クロだけこんなはちゃめちゃなステータスずるい」
 「今までちゃんと働いていたからな。新月、お前の神通力の回数とステータスは?」

 新月が私から降りてステータス画面を見せてきた。

***********************


【Name】新月レモーネ・カオス

【種族】神もどき

【性別】女(変幻自在)

【年齢】測定不可(BBA)

【Lv】45

***【称号】****************
【初めからあったもの】【おさぼりの神様】【宝の持ち腐れ】
***********************

【体力】120
【魔力】測定不可
【攻撃力】80
【命中率】60
【知力】20
【素早さ】55
【精神力】測定不可(図太い)
【運】70

***【装備】****************

武器 : 無し(足)

頭  :銀細工の髪飾り

耳  :銀細工の耳飾り

腕  :無し

上半身:軍服ロリィタ、シャツ、ベスト(黒色)

下半身:プリッツスカート

靴  :足防具付きヒールブーツ

***【スキル】***************

【狂気】【芸術家】【鍛治師】【飛行】【峰打ち】【美食家】

--以下使われていないスキルです-------
【五感覚醒】【嘘発見器】【地獄耳】
***【特殊スキル】**********

【不老不死】【世界の図書館】【無限の胃袋】【創造と実現】【裁縫と裁断】【鑑定】【千里眼】 【憑依】

--以下使われていないスキルです---------
【変幻】【月の錬金術師】【輝きの細工師】【合成マジック】
***********************
【職業】旅人
***********************
現在使える神通力の回数は0/1回です
***********************

 「扱いが酷いぃぃぃ!!! っていうかBBAってなんだぁぁぁ!! 俺がBBAならクロはジジイって出るべきだろう!! なんで俺だけ!! 称号にも悪意を感じるぅぅぅぅ!!」
 「………(無音)」

 新月が天を仰いで叫ぶ、面白い。

 「クロォォォォ!! 無言で笑うな!! もう一度言う、俺の扱い!! あと何だ、もどきって!!! 何故こうなる!! 神通力の使える回数が一回って!! 現状維持で終わっちまうだろうがぁぁぁ!! 意味がねえぇぇぇぇ!!」

 さらに叫ぶアホが一人、五月蝿い。さっきから「扱いぃぃぃ!!」とか、「ねえぇぇぇぇ!!」とかが木霊してるから余計に五月蝿い。

 それから【創造と現実】って自分が欲しいものを出すってやつだったはずだ。出来るじゃないか。前に鏡作ってたし、もしかして忘れてるのか?
 なら自分で気づくまで言わないでおくか。

 「五月蝿いぞ、新月。人里まで響いたらどうするんだ? お前が使えないのはよく分かったからもう黙れ」
 「なあ俺の扱い酷くね?(´・ω・`)」
 「最強レベルの能力があるのに以下使われていないスキルに入れている奴が悪い。今まで働いていなかったツケが回ってきたな。これからはステータス覗かれる度に笑われるようになるだろうな」
 「いいもん! 魔力は測定不可だからな多分覗き阻止ぐらいは出来る!! ……はず」

 グチグチと五月蝿い奴を放置してこれからどうするかを考える。
 新月が使えない事が分かったのでこれからは私が動かなくてはいけない。

 住む所は旅をするならテントでもキャンピングカー辺りか……いや待て。この世界にキャンピングカーがあるかはわからない。テントが無難だろう。
 衣類は新月の使っていないスキルに裁縫関係のものがあったから使わせよう。怠け者ははたらかせないとな。
 食料は本来、私達には必要がないのだが嗜好品として食べたりする。だからこそ食事は必要だ。ん……食料?

 「そう言えば、朝食がまだだったな。新月お前はいるか?」
 「慰めの言葉の一つもかけずに朝食か?! 酷いぞクロ! お母さんそんな子供に育てた覚えはありません!!」
 「お前に育てられた覚えはないぞニート」
 「ニートではない! ナマケモノだ! (`・ω・´)ドヤァ」
 「(`・ω・´)ドヤァじゃない。どっちにしろ働いてないだろうが。ではお前の分は無しでいいんだな」
 「申し訳ございませんでした。お願いでございます。朝食を恵んで下さいませクロ様」

 素早い動きで土下座をして恵んでポーズをしてくる。神様の威厳の欠けらもない。
 しかし、いつまでも漫才のような会話をしている訳にもいかないのでさっさと朝食を出すために神通力を使う。イメージはピクニックだ。

 『神通力を使います。神通力は魔力の消費により戦闘、日常生活などあらゆる面で使えます。ただし、使用した規模により魔力はそれに見合う量だけ消費されます。さらに想像力を使うとより具体的になります。現在、使える回数はあと16回です』

 次の瞬間軽い音がして出てきたのは、白いマットとピクニックセットのようなものが出てきた。

 ピクルスが入った瓶。ミニトマトが入った瓶。籠に入ったフルーツ。ガラスの瓶に入った冷製パスタ。チーズと生ハムを乗せた皿。皿や食器がフタに備え付けされたピクニックバケットの中には瓶に入ったオレンジジュースと何個かの魔法瓶。
 さらに、サンドイッチは野菜とハムを乗せたものからジャムを挟んだものまである。

 結構、美味しそうに見えるな。

 しかしまた聞こえた声の方が気になる。もしかしたら私だけがこの世界で能力を使う時には必ず聞こえるのではないか?
 それとも私と同じくステータスがあった新月も……もしかしたらこの世界の人間全員に私と同じく何かしらの能力を使った時にさっきの声が聞こえるのではないか?

 「朝から豪華だなクロ。では、いただきます」

 私が考えているのを尻目に新月はランチマットの上に座る。同時に、日本の食事をする時の挨拶をしてサンドイッチに齧り付く。

 「ん、なかなかだぞ。クロも早く食べようぜ」

 用意した私よりも先に食べている新月がサンドイッチを食べながら私の方を見て手招きする。

 「おい、私が考えてる間に勝手に食べるんじゃない。いただきます」

  早く食べなければ新月に全部食べられてしまいそうなので私も食べる。
 仕方ないので、考えるのは後でにしよう。もしかしたらこの世界の情報を調べたら簡単に出てくるかもしれない。

 ランチマットに座って、魔法瓶を取る。開けると中身はコーヒーと紅茶、オニオンスープだった。

 私はランチボックスに備え付けされたコーヒーカップにコーヒーを注いで飲む。そこそこ美味い。そう思っていると新月が苺のヘタを取りながら語りかけてきた。

 「で、さっきの声は何だったんだ?タオルを出した時にも聞こえたがあんな声今まで聞いたことないぞ」

 ああ、さっきの声のことか。新月も聞こえただけではなく、不思議に思っていたらしい。

 「さあな。多分、能力を使った時に自動で言ってくるものなんじゃないか?この世界に来てから聞こえるようになったからな」
 「じゃあ他にもなんか使ったら聞こえるのか調べよ? この世界の事を調べるついでに」

 コーヒーを飲み干しながら考える。確かに調べることはしなければいけないな。

 「そうだな、調べるか」

 そう言うと私達は朝食を取りながらこの世界について調べた。このあと、【世界の図書館】という特殊スキルを使ったら調べることが出来たが、また声が聞こえた。
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