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唐突マリッジ
転生は唐突に……
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私の夢は魔女になることだった。次点でお猫様になること、これは20代になってからの夢なんだけどね。
小さい頃はそりゃあ女の子らしく?お姫様に憧れたり?したよ?したけど、ある日気づいてしまったんだよね。
お姫様なんかよりも、魔法を使いこなす魔女や魔法使いの方がかっこいいんじゃね?ってことに。
魔女や魔法使いに憧れを抱き始めたのは、5歳最後の日。
私って大人が言うほど可愛くないなって気づいたんだ。齢5というあまりにも早い歳で、それを親に面と向かって言ったら全力で否定されたけどこっちも全力で信じねえって顔したら諦められた。
それまでは、周りの大人たちが言う「可愛い」に騙されてたんだって唐突に気づいた。
七五三の撮影で着た着物とドレス、今ならば声を大にして言える。私の黒歴史だと……。
6歳の誕生日を迎えしばらくしてから、私はさらに気づいた「ドレスやスカートという服は本当にそれが似合う人達の特権である」と……。
小学校を卒業し、暗黒の中学校時代(中学の頃のことはほとんど思い出せないぐらいに暗黒だから飛ばすね)を乗り越えた私はさほど抵抗感なく自然と男装にハマりだした。
男装を始めた頃、やっとしっくりきたような感覚だったのを覚えてる。
高校はインターナショナルの紛い物みたいな感じだったから服装は自由だった。
私がどんな格好をしていようが周りの生徒たちは気にしない、私の周りにいた大人たちはよく文句を言っていたから、生徒たちの反応はありがたかった。
高校を卒業するのは寂しかったけど、やりたいことを見つけ、専門学校に進んだ。
専門学校でバリバリ勉強して、絶対に夢を叶えてやる。そう意気込んでいたのが懐かしい。
今、私は謎の空間にポツンと1人で立っている。
いや、マジでどこよ?ここ。
私さっきまでマブと今週のアニメについて熱く議論Skypeしてて、時計見てみたら夜中1時で流石に寝ようずってなってコタツ(withお猫様)で寝落ちしてたよね?
え、私のコタツは?お猫様は?意味わからんどういうこと?
圧倒的に何も無い空間でとりあえず何も喋らずに過ごしてみる。
これが所謂転生モノの始まりだとしたら、大体のパターンが存在する。
例えば頭の中に誰かの声が響いてきたりしたら、転スラとか幼女戦記(コミカライズ版)とか蜘蛛ですがなにか?的な展開が予想できるけども。
……誰の声も聞こえてこないってことは転スラ的な展開はナシか……。
ちょっと残念……(´・ω・`)
ちなみに転スラはコミカライズ版をちょこっとだけ読んでた、面白いよね転スラ。
となると、幼女戦記的な展開か?でもそれらしいおじいちゃんも見当たらないし、死んだ瞬間に時止め的な演出もないし、小説版、マンガ版、アニメ版幼女戦記的な展開もナシと……。
よかった~、幼女戦記的な演出で転生だけは絶対に嫌だったからね!
神的存在にずっとストーキングされながら神的存在を崇拝するまで殺されそうになるとか悪夢でしかないじゃん?
そもそも神的存在がいるかも怪しいし、神に近い存在はいるとは思うけど、それが本当に神かわからんし、自分で神ですとかイタさMAXですやん?
てか自分から神ですとか言う時点でソイツ神じゃないの確定じゃね?
本当に神ならば、自然と崇拝されるような存在な気がするし。
とかなんとか考えてたら、急に視界が開けた。
さっきまで居た謎空間から、陽光が差し込み青々とした芝生が一面に広がる景色の中に飛ばされた。
芝生の合間に様々な花が咲き乱れているし、なんなら空には様々な形の雲が浮かんでいる。
さっきまで居た謎空間から急に飛ばされた点を、除けば随分居心地がいいと思える空間だ。
(……なんか、時間帯違うのと木が無いってだけで、呪術廻戦第7話でゴジョセンが漏斗の頭踏んずけてて花御が術式使って漏斗助け出すシーンの場所に似てんな……もしくはクロックタワー3のラストシーンの場所、咲いてる花が違うけど……)
そういえばクロックタワー3割と面白かったな、赤ん坊の泣き声がぶっ壊れたテープみたいな感じで別の意味で恐怖感じた笑。
まあ私はデメントとかサイレントヒル派だけど。
『ちょっと、ちょっと。こんな状況で考えることそれ!?前代未聞すぎるんだけど……』
「あ"ぁ"?」
前触れなく、頭に響いてきた声に対し咄嗟にガラの悪い声で返す。
転生モノの中でも割とマシな方の転スラ辺りに近い展開だな。
このまま神的存在が姿を見せなかったらの話だが……
『いや、ガラ悪っ……怖~ホント前代未聞なんだけど、ボク以外と繊細なんだよ?優しくしてよ……』
「失礼、かみました。」
『わざとでしょ』
「かみまみた!」
『わざとじゃない!?』
「神は死んだ!」
『唐突に殺された!?……てかそれ、誰の言葉だったっけ?』
「フリードリヒ・ニーチェ」
『そう……博識すぎる回答どうも(;´∀`)』
サラッと返してる見てえだろ?戸惑ってるんだぜ実は……
だってそうでしょ!?頭に直接語りかけて来てんだよ!?普通に考えてキモくない!?
「つか、アンタ誰?さっき唐突に殺された云々言ってたけど」
『今なんだね……そう、さっき君に唐突殺された存在。すなわち神様でーす☆』
「……あっ……はい……そうですか……(((¬_¬;) ススス…」
『不審者扱い!?』
「不審者扱いってか、不審者だよね?それか超絶イタい人?」
『酷い!!(T^T)』
「つか、マジでここどこ?さっきまで私、PTやってたんだけど?」
『どこで手に入れたのさ、PT……今どこでも手に入んないじゃんか』
「人生において最も重要な要素が3つある」
『いきなり何?』
「それは、"金"、"コネ"、そして"健康"そのうちのコネを活用したまでよ」
『どっかの骨ドラゴンみたいなこと言わないでよ』
「あのマンガマジで好き、魔女ちゃん可愛いし骨ドラゴンも好きすぎる」
『わかる、魔法使う時息止める仕草とか沼でしかないよね』
「性癖特殊すぎでしょ、((((((((´・Д・;)ヒクワー」
『性癖が骨格標本もしくはMMDのカルシウムと、男性の喉仏と、瞳ウッルウルなショタ、幸薄げな目にハイライトが最低限のショタ&ロリ&女の子、闇深げなヒーロー(CV中村悠一)な君に言われたくないな』
「あ、あと水彩画調の女の子&ショタとかログレスのデスペラードジョブ獲得クエに出てくるログレス内初のデスペラード、ブラットさんも(CVついてない)抱かれたいレベルで好きだよ」
『ヤバい性癖増やすな』
「てかそろそろ姿、見せてくれてもよくない?」
私の指摘にそれもそうだねと神的存在が同意したらしく、また唐突に目の前がホワイトアウトした。
あまりの眩しさに思わず目を閉じた。
しばらく目を開けられずにいた私の耳に、さっきまで頭に響いていた声が届いた。
「初めまして、如月更紗ちゃん神様です♪」
目を開けて開口一番こういわれて対応できる人、誰でもいい、私の目の前にいる自称神な変態を逮捕するためにポリスメン呼んで。
「めっちゃ目死んでるじゃん、ウケるwww」
「何一つウケねぇよてか説明しろや、ここ何処だよ!」
おー怖とかおどけてみせる目の前のパツキン蒼眼美青年だけど圧倒的不審者に鉄拳による制裁を食らわし、改めて状況を聞いたところによると、この自称神の治める世界と私がいた世界の神が賭けをしたらしい。
その時使われた賭けの材料が私達世界の住民。
「ふざけてんのかてめぇらは」
「反省はしてる、でも後悔はしてない!!」
安心してみんな、鉄拳制裁はしっかり百発ぶちこんどいたから。
で、まあ想像に固くないだろうけど、賭けに負けたのね?うちらの神様。
その賭けに使われた不幸な人間達の1人が、たまたま私だったみたいなの。
「……」
「あれ?大丈夫?更紗ちゃーん?」
「とりあえず、後五千回殴らせろ……」
「わー、神様と言えど、耐えられるかわかんなーい☆」
もとの世界の神のことは後々万死に値するレベルで殴るとして、問題は今私の尻に敷かれて何故か顔を赤らめている別世界の神についてだ。
これからどうやら私の神になるらしく、私はこの神が治める世界の住人となる事になるしかないらしい。
というのも、私をこちらの世界に連れてくるにあたって、どうしても一度魂のみの状態にしなければならなかったらしく、また私の元の世界に対する執着が想定していたよりも凄まじいものだったらしく、その執着により元の世界に戻せなくなるほどに力を消耗してしまい帰すには時間がかかるが、その年月は到底人間が過ごせるような生易しい年月ではないらしい。
ダメ元で必要な年月を聞いてみたところ、仏教で言うところの億劫に相当する年月とのこと。
(そもそも劫というのが百年に一度天女が下界に降りてきて岩山に羽衣を擦り付けて、その摩擦で岩山が消滅するまでの時間を指したのが劫、その劫の一億倍の時間という途方もない時間を指した言葉が億劫)
「確実に死んでます、本当にありがとうございました」
「ごめんねぇ、僕も頑張りたかったんだけど、こればっかりはどうしようもなくてねぇ」
「謝るんだったらもう少し、しおらしいというか、謝る態度を見せようか?」
「ごめんちゃい(´>∀<`)ゝ」
言うまでもなく、ボッコボコにしたよね。
「でね、君以外にも似たような人が居てね。鈴鹿友菜って子なんだけど」
「ゆうな……って……ワシのマブじゃねえか!?何しれっとマブ巻き込んでくれてんだ、デスペラードのブラットさんにガチ恋してる数少ない仲間の1人だってのに!!ゴキカブリ以下のゴミ野郎がフードプロセッサーで粉々にしたゴキカブリさんの粉末を口に大量に詰め込んだろか」
「ゴキカブリ以下のゴミ野郎?!仮にも神様に向かってそれ言う?!てかデスペラードのブラットにガチ恋してる子他にも居たの!?」
「当然だ、あの人マジでかっこいいから、それこそなんやかんやあって2人きりで焚き火を囲んでて強さにこだわる理由を聞かれ、理由を話したらバカにするような態度を取られた私がブラットさんにキレて一悶着やって押し倒された勢いで抱かれても文句は無いぐらいにはな……
──唐突に妄想語らないでよ……しかもまあまあ長尺だし……──
そして私は言うぞ。それが誰だろうが面と向かって言う、大事なことだから2回言うけど、人のマブまで巻き込むようなゴキカブリ以下のゴミ野郎には特に面と向かって言う。例えそれがローマ法王だとしても、神様だとしても人のマブまで巻き込むようなゴキカブリ以下のゴミ野郎には特に面と向かって言う」
私が面と向かってそう言うと、なんかいい大人が膝抱えて思いっきり地面に突っ伏してわんわん泣き始めた。
めんどくさかったから、とりあえず背中に座った、なんか下でぐえっとか言う声が聞こえた気がしたけど気の所為だと思う。
その後、なんやかんやお話した結果を要約するととりあえず私とマブは異世界のお貴族様の家に転生することが決まっている。(拒否権は当然ナシとのこと、思いっきり中指たてたった)
その転生先で私は念願の魔女に、マブの友菜は私の弟子兼専属侍女になる予定だと言うこと。
(その際、友菜が転生するお家はどう足掻いても没落するように予定を組んであるとのこと。とりあえずアイアンクローかましたった)
「あ、ちなみに2人の恋人だの婚約者だのは全くのノータッチだから」
「は?」
「つまり、君たちは自力で婚約者なり恋人なりと幸せになっていただきます!あ、でもあんまりにも恋愛的な刺激が少ないとつまんないから茶々は入れるよ。定期的に」
ということで、唐突に転生させられるだけでなく、友達の転生先の家はどう足掻いても没落、さらに私達は神の気まぐれで定期的に恋愛的に刺激的な日常を送る羽目になりました。
誰か嘘だと言ってくれ……!!
私と友菜のあの素晴らしい人生を返してくれ……あのアニメの合間にたまに鬼平犯科帳(中村吉右衛門ver.)や御家人斬九郎シリーズを観て友菜と感想を言い合い、時に殴り合いをした青春の日々を……!!
「君たちいくつよ」
「Lv21ですけど?」
「年齢をLvって言うのやめなさい、そして知ってたよ」
「なんで知ってんだよ、ストーカーかよ通報案件じゃねえか捕まれ」
「そりゃ神様だもん、知ってるよ。ていうか捕まれって酷くない?神様泣いちゃう(´;ω;`)─勝手に泣いてろ─( ;-; )ヒドイ……あの……本当に君たち21なんだよね……?なんでアニメだけじゃなくて時代劇まで観てんの……?」
「私はオジジの影響、友菜は確か推しの俳優さんが時代劇出てるのを知ってそれ観たあと、気がついたらって言ってた」
「沼にハマったってやつか……」
「友菜はなんでもない所を底なし沼する天才だから。他の友人達からは敬意を込めて"沼女”と呼ばせていただいているよ」
「敬意が欠片も感じられないね」
自称神とやらが言うには、これから私は赤ちゃん状態での転生となるので色々頑張って♪とのこと。
どうやら殴られ足りないようだからバッキバキにしてやろうと歩き出したら、急に酷いめまいに襲われた。
酷いめまいに思わずその場に座り込む、意識が薄くなって行く中あの自称神の声だけが、はっきりと聞こえた。
「とりあえず、頑張って~応援してるよ~」
その言葉を聞いた私は、決意した。
(コイツの思い通りになんぞ、絶対にさせてなるものか!!……あれ?これって幼女戦記じゃね?)
小さい頃はそりゃあ女の子らしく?お姫様に憧れたり?したよ?したけど、ある日気づいてしまったんだよね。
お姫様なんかよりも、魔法を使いこなす魔女や魔法使いの方がかっこいいんじゃね?ってことに。
魔女や魔法使いに憧れを抱き始めたのは、5歳最後の日。
私って大人が言うほど可愛くないなって気づいたんだ。齢5というあまりにも早い歳で、それを親に面と向かって言ったら全力で否定されたけどこっちも全力で信じねえって顔したら諦められた。
それまでは、周りの大人たちが言う「可愛い」に騙されてたんだって唐突に気づいた。
七五三の撮影で着た着物とドレス、今ならば声を大にして言える。私の黒歴史だと……。
6歳の誕生日を迎えしばらくしてから、私はさらに気づいた「ドレスやスカートという服は本当にそれが似合う人達の特権である」と……。
小学校を卒業し、暗黒の中学校時代(中学の頃のことはほとんど思い出せないぐらいに暗黒だから飛ばすね)を乗り越えた私はさほど抵抗感なく自然と男装にハマりだした。
男装を始めた頃、やっとしっくりきたような感覚だったのを覚えてる。
高校はインターナショナルの紛い物みたいな感じだったから服装は自由だった。
私がどんな格好をしていようが周りの生徒たちは気にしない、私の周りにいた大人たちはよく文句を言っていたから、生徒たちの反応はありがたかった。
高校を卒業するのは寂しかったけど、やりたいことを見つけ、専門学校に進んだ。
専門学校でバリバリ勉強して、絶対に夢を叶えてやる。そう意気込んでいたのが懐かしい。
今、私は謎の空間にポツンと1人で立っている。
いや、マジでどこよ?ここ。
私さっきまでマブと今週のアニメについて熱く議論Skypeしてて、時計見てみたら夜中1時で流石に寝ようずってなってコタツ(withお猫様)で寝落ちしてたよね?
え、私のコタツは?お猫様は?意味わからんどういうこと?
圧倒的に何も無い空間でとりあえず何も喋らずに過ごしてみる。
これが所謂転生モノの始まりだとしたら、大体のパターンが存在する。
例えば頭の中に誰かの声が響いてきたりしたら、転スラとか幼女戦記(コミカライズ版)とか蜘蛛ですがなにか?的な展開が予想できるけども。
……誰の声も聞こえてこないってことは転スラ的な展開はナシか……。
ちょっと残念……(´・ω・`)
ちなみに転スラはコミカライズ版をちょこっとだけ読んでた、面白いよね転スラ。
となると、幼女戦記的な展開か?でもそれらしいおじいちゃんも見当たらないし、死んだ瞬間に時止め的な演出もないし、小説版、マンガ版、アニメ版幼女戦記的な展開もナシと……。
よかった~、幼女戦記的な演出で転生だけは絶対に嫌だったからね!
神的存在にずっとストーキングされながら神的存在を崇拝するまで殺されそうになるとか悪夢でしかないじゃん?
そもそも神的存在がいるかも怪しいし、神に近い存在はいるとは思うけど、それが本当に神かわからんし、自分で神ですとかイタさMAXですやん?
てか自分から神ですとか言う時点でソイツ神じゃないの確定じゃね?
本当に神ならば、自然と崇拝されるような存在な気がするし。
とかなんとか考えてたら、急に視界が開けた。
さっきまで居た謎空間から、陽光が差し込み青々とした芝生が一面に広がる景色の中に飛ばされた。
芝生の合間に様々な花が咲き乱れているし、なんなら空には様々な形の雲が浮かんでいる。
さっきまで居た謎空間から急に飛ばされた点を、除けば随分居心地がいいと思える空間だ。
(……なんか、時間帯違うのと木が無いってだけで、呪術廻戦第7話でゴジョセンが漏斗の頭踏んずけてて花御が術式使って漏斗助け出すシーンの場所に似てんな……もしくはクロックタワー3のラストシーンの場所、咲いてる花が違うけど……)
そういえばクロックタワー3割と面白かったな、赤ん坊の泣き声がぶっ壊れたテープみたいな感じで別の意味で恐怖感じた笑。
まあ私はデメントとかサイレントヒル派だけど。
『ちょっと、ちょっと。こんな状況で考えることそれ!?前代未聞すぎるんだけど……』
「あ"ぁ"?」
前触れなく、頭に響いてきた声に対し咄嗟にガラの悪い声で返す。
転生モノの中でも割とマシな方の転スラ辺りに近い展開だな。
このまま神的存在が姿を見せなかったらの話だが……
『いや、ガラ悪っ……怖~ホント前代未聞なんだけど、ボク以外と繊細なんだよ?優しくしてよ……』
「失礼、かみました。」
『わざとでしょ』
「かみまみた!」
『わざとじゃない!?』
「神は死んだ!」
『唐突に殺された!?……てかそれ、誰の言葉だったっけ?』
「フリードリヒ・ニーチェ」
『そう……博識すぎる回答どうも(;´∀`)』
サラッと返してる見てえだろ?戸惑ってるんだぜ実は……
だってそうでしょ!?頭に直接語りかけて来てんだよ!?普通に考えてキモくない!?
「つか、アンタ誰?さっき唐突に殺された云々言ってたけど」
『今なんだね……そう、さっき君に唐突殺された存在。すなわち神様でーす☆』
「……あっ……はい……そうですか……(((¬_¬;) ススス…」
『不審者扱い!?』
「不審者扱いってか、不審者だよね?それか超絶イタい人?」
『酷い!!(T^T)』
「つか、マジでここどこ?さっきまで私、PTやってたんだけど?」
『どこで手に入れたのさ、PT……今どこでも手に入んないじゃんか』
「人生において最も重要な要素が3つある」
『いきなり何?』
「それは、"金"、"コネ"、そして"健康"そのうちのコネを活用したまでよ」
『どっかの骨ドラゴンみたいなこと言わないでよ』
「あのマンガマジで好き、魔女ちゃん可愛いし骨ドラゴンも好きすぎる」
『わかる、魔法使う時息止める仕草とか沼でしかないよね』
「性癖特殊すぎでしょ、((((((((´・Д・;)ヒクワー」
『性癖が骨格標本もしくはMMDのカルシウムと、男性の喉仏と、瞳ウッルウルなショタ、幸薄げな目にハイライトが最低限のショタ&ロリ&女の子、闇深げなヒーロー(CV中村悠一)な君に言われたくないな』
「あ、あと水彩画調の女の子&ショタとかログレスのデスペラードジョブ獲得クエに出てくるログレス内初のデスペラード、ブラットさんも(CVついてない)抱かれたいレベルで好きだよ」
『ヤバい性癖増やすな』
「てかそろそろ姿、見せてくれてもよくない?」
私の指摘にそれもそうだねと神的存在が同意したらしく、また唐突に目の前がホワイトアウトした。
あまりの眩しさに思わず目を閉じた。
しばらく目を開けられずにいた私の耳に、さっきまで頭に響いていた声が届いた。
「初めまして、如月更紗ちゃん神様です♪」
目を開けて開口一番こういわれて対応できる人、誰でもいい、私の目の前にいる自称神な変態を逮捕するためにポリスメン呼んで。
「めっちゃ目死んでるじゃん、ウケるwww」
「何一つウケねぇよてか説明しろや、ここ何処だよ!」
おー怖とかおどけてみせる目の前のパツキン蒼眼美青年だけど圧倒的不審者に鉄拳による制裁を食らわし、改めて状況を聞いたところによると、この自称神の治める世界と私がいた世界の神が賭けをしたらしい。
その時使われた賭けの材料が私達世界の住民。
「ふざけてんのかてめぇらは」
「反省はしてる、でも後悔はしてない!!」
安心してみんな、鉄拳制裁はしっかり百発ぶちこんどいたから。
で、まあ想像に固くないだろうけど、賭けに負けたのね?うちらの神様。
その賭けに使われた不幸な人間達の1人が、たまたま私だったみたいなの。
「……」
「あれ?大丈夫?更紗ちゃーん?」
「とりあえず、後五千回殴らせろ……」
「わー、神様と言えど、耐えられるかわかんなーい☆」
もとの世界の神のことは後々万死に値するレベルで殴るとして、問題は今私の尻に敷かれて何故か顔を赤らめている別世界の神についてだ。
これからどうやら私の神になるらしく、私はこの神が治める世界の住人となる事になるしかないらしい。
というのも、私をこちらの世界に連れてくるにあたって、どうしても一度魂のみの状態にしなければならなかったらしく、また私の元の世界に対する執着が想定していたよりも凄まじいものだったらしく、その執着により元の世界に戻せなくなるほどに力を消耗してしまい帰すには時間がかかるが、その年月は到底人間が過ごせるような生易しい年月ではないらしい。
ダメ元で必要な年月を聞いてみたところ、仏教で言うところの億劫に相当する年月とのこと。
(そもそも劫というのが百年に一度天女が下界に降りてきて岩山に羽衣を擦り付けて、その摩擦で岩山が消滅するまでの時間を指したのが劫、その劫の一億倍の時間という途方もない時間を指した言葉が億劫)
「確実に死んでます、本当にありがとうございました」
「ごめんねぇ、僕も頑張りたかったんだけど、こればっかりはどうしようもなくてねぇ」
「謝るんだったらもう少し、しおらしいというか、謝る態度を見せようか?」
「ごめんちゃい(´>∀<`)ゝ」
言うまでもなく、ボッコボコにしたよね。
「でね、君以外にも似たような人が居てね。鈴鹿友菜って子なんだけど」
「ゆうな……って……ワシのマブじゃねえか!?何しれっとマブ巻き込んでくれてんだ、デスペラードのブラットさんにガチ恋してる数少ない仲間の1人だってのに!!ゴキカブリ以下のゴミ野郎がフードプロセッサーで粉々にしたゴキカブリさんの粉末を口に大量に詰め込んだろか」
「ゴキカブリ以下のゴミ野郎?!仮にも神様に向かってそれ言う?!てかデスペラードのブラットにガチ恋してる子他にも居たの!?」
「当然だ、あの人マジでかっこいいから、それこそなんやかんやあって2人きりで焚き火を囲んでて強さにこだわる理由を聞かれ、理由を話したらバカにするような態度を取られた私がブラットさんにキレて一悶着やって押し倒された勢いで抱かれても文句は無いぐらいにはな……
──唐突に妄想語らないでよ……しかもまあまあ長尺だし……──
そして私は言うぞ。それが誰だろうが面と向かって言う、大事なことだから2回言うけど、人のマブまで巻き込むようなゴキカブリ以下のゴミ野郎には特に面と向かって言う。例えそれがローマ法王だとしても、神様だとしても人のマブまで巻き込むようなゴキカブリ以下のゴミ野郎には特に面と向かって言う」
私が面と向かってそう言うと、なんかいい大人が膝抱えて思いっきり地面に突っ伏してわんわん泣き始めた。
めんどくさかったから、とりあえず背中に座った、なんか下でぐえっとか言う声が聞こえた気がしたけど気の所為だと思う。
その後、なんやかんやお話した結果を要約するととりあえず私とマブは異世界のお貴族様の家に転生することが決まっている。(拒否権は当然ナシとのこと、思いっきり中指たてたった)
その転生先で私は念願の魔女に、マブの友菜は私の弟子兼専属侍女になる予定だと言うこと。
(その際、友菜が転生するお家はどう足掻いても没落するように予定を組んであるとのこと。とりあえずアイアンクローかましたった)
「あ、ちなみに2人の恋人だの婚約者だのは全くのノータッチだから」
「は?」
「つまり、君たちは自力で婚約者なり恋人なりと幸せになっていただきます!あ、でもあんまりにも恋愛的な刺激が少ないとつまんないから茶々は入れるよ。定期的に」
ということで、唐突に転生させられるだけでなく、友達の転生先の家はどう足掻いても没落、さらに私達は神の気まぐれで定期的に恋愛的に刺激的な日常を送る羽目になりました。
誰か嘘だと言ってくれ……!!
私と友菜のあの素晴らしい人生を返してくれ……あのアニメの合間にたまに鬼平犯科帳(中村吉右衛門ver.)や御家人斬九郎シリーズを観て友菜と感想を言い合い、時に殴り合いをした青春の日々を……!!
「君たちいくつよ」
「Lv21ですけど?」
「年齢をLvって言うのやめなさい、そして知ってたよ」
「なんで知ってんだよ、ストーカーかよ通報案件じゃねえか捕まれ」
「そりゃ神様だもん、知ってるよ。ていうか捕まれって酷くない?神様泣いちゃう(´;ω;`)─勝手に泣いてろ─( ;-; )ヒドイ……あの……本当に君たち21なんだよね……?なんでアニメだけじゃなくて時代劇まで観てんの……?」
「私はオジジの影響、友菜は確か推しの俳優さんが時代劇出てるのを知ってそれ観たあと、気がついたらって言ってた」
「沼にハマったってやつか……」
「友菜はなんでもない所を底なし沼する天才だから。他の友人達からは敬意を込めて"沼女”と呼ばせていただいているよ」
「敬意が欠片も感じられないね」
自称神とやらが言うには、これから私は赤ちゃん状態での転生となるので色々頑張って♪とのこと。
どうやら殴られ足りないようだからバッキバキにしてやろうと歩き出したら、急に酷いめまいに襲われた。
酷いめまいに思わずその場に座り込む、意識が薄くなって行く中あの自称神の声だけが、はっきりと聞こえた。
「とりあえず、頑張って~応援してるよ~」
その言葉を聞いた私は、決意した。
(コイツの思い通りになんぞ、絶対にさせてなるものか!!……あれ?これって幼女戦記じゃね?)
応援ありがとうございます!
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