あの日の思い出 part2

那智

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①女の先生はヒステリーだから

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 私が小中学生の頃は、一般的に「女の先生は、ヒステリーだから男の先生の方がいいよ」と言われていた。

 思い返してみると、確かに女の先生はヒステリックになる人もいたと思う。

 ただし、男性教師の怒鳴り声はドスが効いていて、というより低めの声で、女性教師はトーンが高いのでヒステリックに聞こえるのかも知れないが。

 自分のクラス担任が女性だったのは小学一、ニ年と中学一年、高校一年だけで、小学生の時は持ち上がりで同じ先生だったので、実際は三人だけだ。
 
 中学入学当日、入学式のことは全く覚えていないが、クラス分け発表があり、この時の担任が女性であった。一人のお母さんが「この先生ヒステリーだよ」と言っていたが、それを受けて知り合いのお母さんが「上の子が教えてもらったけど、授業も分かりやすくて良い先生だよ」と教えてくれた。

 入学初日の進行は大概決まっているのでヒステリーも起こらないし、言葉がハッキリして良く声も通るので知り合いのお母さんのいう通りだなと思った。

 学校生活が進むにつれ、朝の機嫌の良し悪しがハッキリするようになった。

 担当教科は英語で、授業は午後の方が多く、機嫌が悪い事も生徒を怒る事もなかったが、朝のホームルームの時間は家での親子喧嘩がそのまま持ち込まれた。
 
 先生には五歳位の子供がいて先生の母親に面倒を頼んでいるらしく、先生と母親との喧嘩らしいのだが、教室を開けた時の顔ですぐ分かった。
 
 生徒の方も多少緊張するのだが、あっという間に慣れてしまった。そのうち先生の方から「出がけに親と喧嘩した」と教えてくれたり、生徒もそれを受けて軽口をたたいたり。

 今思えばヒステリーという程でもないが、先生が正直だったせいなのか、生徒が気にしないせいなのか、信頼関係は保たれていたと思う。

 そういえば、交換日記をしていたのを思い出した。クラス全員対先生なのだが、前日記入した大学ノートを朝提出し、返事を書いて帰りのホームルームに返却される。
 
 あの当時、45人~50人位の生徒がいたと思うが頭が下がる思いだ。毎日返事を読むのが楽しみで先生の大変さに気付かなかった自分が恥ずかしい。

 ホームルームと自分の教科以外で生徒に会うこともなく、生後の様子が把握しにくいので交換日記という形をとったのだろう。今更ながら素敵な先生に出会って良かったと思う。

 友達の担任は非常にヒステリックで有名だった。特に男子生徒に対してだが。「いうことを効かない」と言っては怒鳴り、「職員室でクラスの注意を受けたから大人しくして」と言っては怒鳴りの繰り返し。

 だが、職員室でクラスの生徒の文句を言われると、その生徒の良いところあげ、これまたヒステリックに反論している事はクラスの皆が知っている事。職員室から教室に帰ってきて、大泣きしていたのに出くわした事がある。

 卒業後もこのクラスだけは毎年クラス会を欠かさない。勿論先生を交えて。と言っても数年前迄の情報で今はどうか知らないが。

 女の先生はヒステリーだから駄目なんじゃなく、「なぜ」を周りが理解出来れば、そこに隠された愛情が姿を現すかもしれない。
 
 
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