あの日の思い出 part2

那智

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⑤一つ上の同級生

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 生まれてから小学校卒業くらいまでは、一つ歳が違うだけでかなりの違いがある。

 小学六年生か中学一年生か忘れたが、病気で欠席していたという、一つ年上の男子生徒が同級生になった。

 名前とか、勉強が出来たとか、誰と仲が良かったかとか、最後まで一緒だったのかさえ覚えていないのだか、一つだけ、とても印象に残った出来事がある。

 小中ともに、女子は活発な子が多く、男子はやんちゃな子が多かった。女子をからかったり、口喧嘩をしたりは日常茶飯事の事。

 男女とも、体はそろそろ大人へと変化を遂げる時期だが、頭はまだまだ子供。ちょっとした事を見つけては、すぐにからかおうとする。

 女子は生理が始まる子が増え始め、トイレに行く度に交換が必要となる。それを、どうやって男子に見つからないようにするのかが、至難の技なのだ。

 たまたま見つかってしまった女子に対し、
 「お前生理だな」
と、言い放ち、更にからかう言葉を続けた男子生徒がいた。

 すると、年上の同級生は、
 「生理は子供を産むために必要な事なんだよ。からかっちゃいけないよ」
と、注意した。

 からかった男子は反発すること無く、気まずそうにその場を離れ、からかわれた女子も無事トイレに向かう。

 私はすぐ側にいて、一戦構える態勢だったが、思わず彼のほうを振り向き、
 「さすが、いっこ上」
と、言うと、
 「女の子は子供を産む体だから、大切にしないと」
と、真面目に言われた。

 確かに、母親世代は冬になると
 「体を冷やすな。靴下を履け。子供を産む体なんだから、大切にしなさい」
などと口うるさく言ってきたが、男子の口から聞くことになるとは思わなかった。

 彼はとても落ち着いた印象で、背も高かった事もあるが、ある意味「おじさんだ」と思った事を覚えている。

 病気で苦しんだ事も関係しているのかも知れないが、冷静で思いやりのある人だったので、素敵な大人に成長した事だろうと想像がつく。

 きっと今頃は、良きおじいちゃんになっているかもしれない。ああいう人には、「幸せでいて欲しい」とつくづく思う。

 

    ーーーーーーーーーーーーーーー

 ぼちぼちと続けて行く予定でしたが、ここで一旦、「あの日の思い出part2」は終了とさせて頂きます。
 つたない話でしたが、お読み頂きありがとうございました。
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