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病院へ

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 今年五歳になるこうちゃんは、四月から幼稚園に通い始めました。

 毎日ママと手をつないで幼稚園のバスが来るのを待ちながら、お友達やお友達のお母さんたちとお話をしたり、言葉遊びをするのを楽しんでいました。

 バスを待つ場所は、近所から集まって来る子供が多いので、既にお友達だった子供もいましたが、知らない子供ともすぐにお友達になることが出来ました。

 幼稚園には、いろんな地域から子供が集まって来るので、知らない子供のほうが多いくらいです。

 それでも、持ち前の明るさで、どんどんお友達が増えていきました。
  
 幼稚園生活がますます楽しくなってきた夏のある日、こうちゃんは体調を崩し、幼稚園を休むようになりました。

 最初は風邪を引いたくらいに思っていたママとパパでしたが、なかなか治らないので掛かり付けの病院に行って診てもらうと、先生から、

「風邪とは違うみたいだなあ。少し検査をするから入院の準備をして、明日また来てくれますか」

と、言われました。

「入院ですか。浩介一人で大丈夫でしょうか」

ママは不安になり、思わず聞きました。

 先生は、ママの不安を感じ取った様子で、

「検査入院だけど、一日、二日かかると思うから、付き添いで一緒に泊まっても大丈夫ですよ」

と、笑顔で言いました。

「検査中は、専任の看護師が付くけど、病室待機の時はママに一緒に居てもらうようになるから、泊まりは無理のないようにね」

 ママとパパは、必要な物など入院の準備に関する説明を受けてから不安な心を隠して、こうちゃんと一緒にお家へ帰りました。
 
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