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検査入院

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 翌日の朝、三人は普段と同じように朝御飯を食べて病院へと向かいました。

 昨日、ママとパパは、こうちゃんが検査入院から無事に帰って来る事を願って

「明日は普段通りに過ごそう」

と決めたのです。

 入院に必要な物の他に、少しでも気を紛らすことが出来るように、旅行に必ず持っていく小さなブロックが入った籠も用意しました。

 病院へは、出勤前のパパが送ってくれて、割り当てられた病室まで一緒に来てくれました。

 会社には、こうちゃんの事を伝えていないので、パパはそのまま会社に行かなければなりませんでした。

「パパ、行ってらっしゃい。お仕事頑張ってね」

 こうちゃんの何時もと変わらない笑顔と挨拶に、パパも笑顔で

「行ってくるよ。こうちゃんも検査頑張るんだぞ。注射で泣かないようにね」

と言いながら、頭を撫でてくれました。

「大丈夫だよ。僕はもう注射で泣かないもん」

こうちゃんの返事に、パパは笑いながら手を振ると、仕事へと出掛けて行きました。

 ママが荷物を片付け終わった頃、担当の看護師さんが、病室へ入って来ました。牧野さんといって、検査の間こうちゃんのお世話をしてくれるのです。

 検査の間、ママはお留守番ですが、自分が泊まる為のお布団の手配や食事の手配など、忙しくしていたので、時間を長く感じることはありませんでした。

 お昼少し前にはこうちゃんも戻って来て、二人で一緒にお昼ごはんを食べました。

 こうちゃんは、ごはんを食べながら検査の事などを教えてくれ、

「注射もしたけど、泣かなかったよ」

と、ちょっと得意気な表情で話す姿に、ママも思わず笑みをこぼすのでした。

 お昼ご飯の後、しばらくすると牧野さんが来てくれました。こうちゃんはママに手を振って午後の検査へと向かいました。



 

 
 
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