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二十四
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ストーカー行為を完全に止めてから、数日が経った。佐野は、あの日以降、弟について言及してくることはない。何もかもが普通だった。俺は、佐野の目を気にして、弟へ視線を送ることすら控えていた。俺のこんな気持ちを、万が一にでも察せられるのは御免だ。放っておくのが一番だと、頭では分かっている。
放課後、いつも通り教室を二番手で出ると、俺はさっさと自転車置き場へ向かった。そして何気なくスマートフォンを確認すると、珍しく母から連絡があった。明日の外食のお誘いである。添付されていたアドレスをタップすれば、美味しそうな洋食屋さんのホームページに繋がった。ここへ行きたいらしい。了解の返事をして、自転車に跨る。
節約のため、多くの場合を自炊で住ます泉井家だが、こうしてたまに母から外食の誘いがあった。明日は休日だ。たまには良いなと思いながら、俺は少し上向きの気分で自転車を走らせた。
そして当日、俺は店へ入った瞬間に固まった。なんと、例の弟がいたからだ。「いらっしゃいま」まで言ったところで不自然に固まり、数秒後にやっと「せ」と言い切った。
「悠ちゃん?」
俺の些細な変化を読み取ったのか、母は振り返り「どうしたの」と訊いてくる。
「いや、別に」
「二名様ですか? あちらのお席へどうぞ」
一瞬の動揺をものともせず、弟は俺たちをソファー席へ案内した。去って行く背中を見ていると、母は「噂には聞いてたんだよね」などと言う。
「何が?」
「店員さんがカッコいいんだって。もちろん、悠ちゃんの方がカッコいいけど」
「親馬鹿」
店内はそれなりに盛況で、年齢層は若く、女性客が多かった。店内の様子もそれを意識しているように思われる。弟は、客寄せパンダ的な立ち位置として採用されたのだろうか、なんてことを考えているうちに、弟は水とお手拭き、メニュー表を丁寧な動作で置いて行った。まるで他人の振りだ。双方にとって、ややこしいこともなく良いのかもしれないが、何となくもやもやとしてしまう。母はメニューをぱらぱらと眺め、「あ」と声を上げた。
「スイーツもいろいろあるんだね。パフェがあるよ、美味しそう。あ、悠ちゃんの作ってくれるケーキもいつも絶品だけどね」
「いや、いちいちそういうのいらないって」
俺は苦笑してしまう。楽しそうな母の様子を見ていると、全てがどうでも良いように思えてきた。せっかく母と食事に来ているのだ。今は弟のことは忘れようと、俺もメニューを眺める。
「職場の人が言ってたんだけど、ここのお店、カレーが美味しいんだって」
メニューを眺めながら、母が言う。
突然、俺はぴんときた。弟は、カレー好きだったはずだ。まさか、それが理由でこの店でバイトをしているのだろうか。カレーを極めるために?
「俺、カレーにする」
「デザートも食べようよ。甘いの好きでしょ?」
「じゃあ、このケーキセット」
母は、元気よく店員を呼んだ。決して大きくはないこの店で、一人せかせかと動いているのは弟だけだ。女性客に話を振られるせいで、一つ一つの動作に時間がかかっている。奥の厨房では、夫婦と思しき二人の男女が料理に専念しているようだった。
少し待っていると、「お待たせしました」と弟がやって来る。母の注文を生真面目に訊き返し、弟はすぐに厨房へと戻った。
「悠ちゃん、あの子が気になるの?」
「え」
「ずっと見てるから。カッコいいもんね」
「見てないよ」
「そう?」
母は、手を拭いて水を飲んでいる。特に気にした様子ではないが、俺としては妙に気まずい。万が一、俺が弟を見ているのだとしたら、その理由として正当な事実を白状することにした。
「あの人、俺と同じ学校なんだ」
「そうなの?」
「紀ノ川さんって子の話したことあったと思うけど、その弟」
「ああ、あの可愛い子の」
母も俺も、内緒話をする声量である。母は納得がいった様子だった。俺が見ていたのは、その弟がここでバイトをしていたことに驚いたからだよ、と内心で付け足す。
「そっか。だからみんなに人気なんだね」
母は、こともなげにそう完結した。店内の女性客の視線を集める弟は、確かに人気者である。姉ほどではないという意見も存在するが、比較する必要はない。俺は頷いて、カレーが来るのを待った。
ほどなくしてカレーは運ばれてきた。弟は、丁寧に会釈をすると「ごゆっくりどうぞ」とだけ言って去って行く。
カレーは絶品だった。俺も作ることはあるが、そこまでカレーに対するこだわりはない。これがカレー好きの弟を魅了する味かと噛み締めて味わい、完食した。食後のケーキまで堪能し、紅茶を飲んで会計へと向かう。母は満足したようだった。
レジで会計をする弟を眺めるも、目は合わない。つまらない気持ちで目を逸らすと、レジ横でクッキーを売っているのが目に入った。そういえば、弟とクッキー作りについて話をしたことがあったなと懐かしく思い出しているうちに、会計は終わったようだった。
「ありがとうございました」
店を出る。外はすでに暗かった。こんな時間まで働くなんて、みんなご苦労なことである。母は上機嫌で、「また来ようね」と俺を誘った。
その、数日後のことである。学校で、いつものように佐野と昼食時間を過ごしていた時、俺は何気なく話題に出してみた。
「たまたま行った飲食店で、あいつがバイトしてたんだよ」
「あいつって?」
「弟」
「まじで? どこ?」
佐野の食いつきは、予想以上だった。店名を告げると、さっそくスマートフォンで調べ始める。しばらく画面を眺め、「なあ」と机に身を乗り出した。
「今日、一緒に行かない?」
「今日? いや、無理」
俺には、帰って家事をするという用事がある。それに、この前行ったばかりでもう二回目とは、まるでファンである。弟だって、どう思うか。
佐野は、「そりゃそうか」と自分の額をぺちんと叩いた。
「学校と違って、思う存分観察出来るなーと思って」
ここ最近の佐野は、紀ノ川さんよりも弟に興味深々だった。望遠鏡を持ってきた日には驚いたが、真面目に弟を観察している。それほどまでして、誰からも好かれる人間になりたいようだ。弟を観察したからといって、自分が出来るかどうかは定かではないのに。
「シフト入ってるか知らないぞ。せっかく行ってもいないかも」
咎めることはもう止めた。俺が言ったところで聞きやしないのだ。
「あー……やっぱ、俺一人で行くか。だって泉井、あれだろ」
「あれって何? いいよ。休日だったら付き合ってやる。男一人じゃ入りづらいと思うし。それとも、女の子連れて行くか? 相川さんとか」
「誘ったら気があると思われるだろ。俺はみんなのアイドルなんだよ」
「ああそう」
今日は、相川さんの弁当の日ではない。ここぞとばかりに、佐野は俺のおかずをつまんでいる。その代わり、もらったのは卵サンドだ。
「そんなこと言ってる間に、年食ってじじいになりそうだな。佐野、結局彼女作ってないだろ。そのうち誰からも相手にされなくなるぞ」
言いながら、相川さんの顔が浮かんだ。それ以外にも、佐野を崇め奉る勢いの女子たちはいる。選び放題だろうに、佐野はわざわざ「みんなのアイドル」的なキャラを貫いていた。わざわざ面倒なことをする奴なのだ。
「俺だって、ずっとこんな風じゃないって。そのうち……いろいろ考える」
佐野の言う「いろいろ」とは何だろう。一瞬だけ考えて、俺は卵サンドに噛り付いた。売店で人気ナンバーワンなだけあって、とても美味しかった。
放課後、いつも通り教室を二番手で出ると、俺はさっさと自転車置き場へ向かった。そして何気なくスマートフォンを確認すると、珍しく母から連絡があった。明日の外食のお誘いである。添付されていたアドレスをタップすれば、美味しそうな洋食屋さんのホームページに繋がった。ここへ行きたいらしい。了解の返事をして、自転車に跨る。
節約のため、多くの場合を自炊で住ます泉井家だが、こうしてたまに母から外食の誘いがあった。明日は休日だ。たまには良いなと思いながら、俺は少し上向きの気分で自転車を走らせた。
そして当日、俺は店へ入った瞬間に固まった。なんと、例の弟がいたからだ。「いらっしゃいま」まで言ったところで不自然に固まり、数秒後にやっと「せ」と言い切った。
「悠ちゃん?」
俺の些細な変化を読み取ったのか、母は振り返り「どうしたの」と訊いてくる。
「いや、別に」
「二名様ですか? あちらのお席へどうぞ」
一瞬の動揺をものともせず、弟は俺たちをソファー席へ案内した。去って行く背中を見ていると、母は「噂には聞いてたんだよね」などと言う。
「何が?」
「店員さんがカッコいいんだって。もちろん、悠ちゃんの方がカッコいいけど」
「親馬鹿」
店内はそれなりに盛況で、年齢層は若く、女性客が多かった。店内の様子もそれを意識しているように思われる。弟は、客寄せパンダ的な立ち位置として採用されたのだろうか、なんてことを考えているうちに、弟は水とお手拭き、メニュー表を丁寧な動作で置いて行った。まるで他人の振りだ。双方にとって、ややこしいこともなく良いのかもしれないが、何となくもやもやとしてしまう。母はメニューをぱらぱらと眺め、「あ」と声を上げた。
「スイーツもいろいろあるんだね。パフェがあるよ、美味しそう。あ、悠ちゃんの作ってくれるケーキもいつも絶品だけどね」
「いや、いちいちそういうのいらないって」
俺は苦笑してしまう。楽しそうな母の様子を見ていると、全てがどうでも良いように思えてきた。せっかく母と食事に来ているのだ。今は弟のことは忘れようと、俺もメニューを眺める。
「職場の人が言ってたんだけど、ここのお店、カレーが美味しいんだって」
メニューを眺めながら、母が言う。
突然、俺はぴんときた。弟は、カレー好きだったはずだ。まさか、それが理由でこの店でバイトをしているのだろうか。カレーを極めるために?
「俺、カレーにする」
「デザートも食べようよ。甘いの好きでしょ?」
「じゃあ、このケーキセット」
母は、元気よく店員を呼んだ。決して大きくはないこの店で、一人せかせかと動いているのは弟だけだ。女性客に話を振られるせいで、一つ一つの動作に時間がかかっている。奥の厨房では、夫婦と思しき二人の男女が料理に専念しているようだった。
少し待っていると、「お待たせしました」と弟がやって来る。母の注文を生真面目に訊き返し、弟はすぐに厨房へと戻った。
「悠ちゃん、あの子が気になるの?」
「え」
「ずっと見てるから。カッコいいもんね」
「見てないよ」
「そう?」
母は、手を拭いて水を飲んでいる。特に気にした様子ではないが、俺としては妙に気まずい。万が一、俺が弟を見ているのだとしたら、その理由として正当な事実を白状することにした。
「あの人、俺と同じ学校なんだ」
「そうなの?」
「紀ノ川さんって子の話したことあったと思うけど、その弟」
「ああ、あの可愛い子の」
母も俺も、内緒話をする声量である。母は納得がいった様子だった。俺が見ていたのは、その弟がここでバイトをしていたことに驚いたからだよ、と内心で付け足す。
「そっか。だからみんなに人気なんだね」
母は、こともなげにそう完結した。店内の女性客の視線を集める弟は、確かに人気者である。姉ほどではないという意見も存在するが、比較する必要はない。俺は頷いて、カレーが来るのを待った。
ほどなくしてカレーは運ばれてきた。弟は、丁寧に会釈をすると「ごゆっくりどうぞ」とだけ言って去って行く。
カレーは絶品だった。俺も作ることはあるが、そこまでカレーに対するこだわりはない。これがカレー好きの弟を魅了する味かと噛み締めて味わい、完食した。食後のケーキまで堪能し、紅茶を飲んで会計へと向かう。母は満足したようだった。
レジで会計をする弟を眺めるも、目は合わない。つまらない気持ちで目を逸らすと、レジ横でクッキーを売っているのが目に入った。そういえば、弟とクッキー作りについて話をしたことがあったなと懐かしく思い出しているうちに、会計は終わったようだった。
「ありがとうございました」
店を出る。外はすでに暗かった。こんな時間まで働くなんて、みんなご苦労なことである。母は上機嫌で、「また来ようね」と俺を誘った。
その、数日後のことである。学校で、いつものように佐野と昼食時間を過ごしていた時、俺は何気なく話題に出してみた。
「たまたま行った飲食店で、あいつがバイトしてたんだよ」
「あいつって?」
「弟」
「まじで? どこ?」
佐野の食いつきは、予想以上だった。店名を告げると、さっそくスマートフォンで調べ始める。しばらく画面を眺め、「なあ」と机に身を乗り出した。
「今日、一緒に行かない?」
「今日? いや、無理」
俺には、帰って家事をするという用事がある。それに、この前行ったばかりでもう二回目とは、まるでファンである。弟だって、どう思うか。
佐野は、「そりゃそうか」と自分の額をぺちんと叩いた。
「学校と違って、思う存分観察出来るなーと思って」
ここ最近の佐野は、紀ノ川さんよりも弟に興味深々だった。望遠鏡を持ってきた日には驚いたが、真面目に弟を観察している。それほどまでして、誰からも好かれる人間になりたいようだ。弟を観察したからといって、自分が出来るかどうかは定かではないのに。
「シフト入ってるか知らないぞ。せっかく行ってもいないかも」
咎めることはもう止めた。俺が言ったところで聞きやしないのだ。
「あー……やっぱ、俺一人で行くか。だって泉井、あれだろ」
「あれって何? いいよ。休日だったら付き合ってやる。男一人じゃ入りづらいと思うし。それとも、女の子連れて行くか? 相川さんとか」
「誘ったら気があると思われるだろ。俺はみんなのアイドルなんだよ」
「ああそう」
今日は、相川さんの弁当の日ではない。ここぞとばかりに、佐野は俺のおかずをつまんでいる。その代わり、もらったのは卵サンドだ。
「そんなこと言ってる間に、年食ってじじいになりそうだな。佐野、結局彼女作ってないだろ。そのうち誰からも相手にされなくなるぞ」
言いながら、相川さんの顔が浮かんだ。それ以外にも、佐野を崇め奉る勢いの女子たちはいる。選び放題だろうに、佐野はわざわざ「みんなのアイドル」的なキャラを貫いていた。わざわざ面倒なことをする奴なのだ。
「俺だって、ずっとこんな風じゃないって。そのうち……いろいろ考える」
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