48 / 60
47.2通の手紙
しおりを挟む
そんな彼らの元に2通の手紙が届いた。
1通にはベリルの友人である男爵令息クオーツ・オードリーが自身の誕生日パーティーにサヴィル家一同を招待する旨が幼い字体で書かれていた。
「ソニアっ!僕、クオーツのお誕生日会に呼ばれちゃった!お誕生日会なんて初めてだからドキドキしちゃうよ!とーっても楽しみだなぁ!」
「ふふっ、良かったな」
「うんっ!」
いつもはどこか諦めたような雰囲気を感じさせる大人びた少年のベリルだが、友人からの手紙1つで年相応のはじゃぎっぷりを見せた。
ソニアはそれを嬉しく思う。
「ねぇ、ねぇ!プレゼントは何にしようかなー?クオーツ、喜んでくれるといいなー!」
「そうだなぁ…、クオーツくんだっけ?俺はその子のこと知らないからな。彼は何が好きなんだ?」
「えーっとぉー、前に医学書読むのが楽しいって言ってた!」
「…ちゃんとした貴族の子はやっぱり賢いんだな。ははっ、平民の俺とは大違いだ」
「ところで、そっちの手紙には何て書いてあるのー?見せて見せてー!」
もう1通はソニアに宛てられたものだった。
ベリルはぴょんぴょんと愛らしいジャンプをして、手元を覗き込もうとする。
だが、ソニアは手紙を見られないようにサッと隠した。
宛名を見て、自分にとって都合の悪い内容だと即座に判断したのだ。
1通にはベリルの友人である男爵令息クオーツ・オードリーが自身の誕生日パーティーにサヴィル家一同を招待する旨が幼い字体で書かれていた。
「ソニアっ!僕、クオーツのお誕生日会に呼ばれちゃった!お誕生日会なんて初めてだからドキドキしちゃうよ!とーっても楽しみだなぁ!」
「ふふっ、良かったな」
「うんっ!」
いつもはどこか諦めたような雰囲気を感じさせる大人びた少年のベリルだが、友人からの手紙1つで年相応のはじゃぎっぷりを見せた。
ソニアはそれを嬉しく思う。
「ねぇ、ねぇ!プレゼントは何にしようかなー?クオーツ、喜んでくれるといいなー!」
「そうだなぁ…、クオーツくんだっけ?俺はその子のこと知らないからな。彼は何が好きなんだ?」
「えーっとぉー、前に医学書読むのが楽しいって言ってた!」
「…ちゃんとした貴族の子はやっぱり賢いんだな。ははっ、平民の俺とは大違いだ」
「ところで、そっちの手紙には何て書いてあるのー?見せて見せてー!」
もう1通はソニアに宛てられたものだった。
ベリルはぴょんぴょんと愛らしいジャンプをして、手元を覗き込もうとする。
だが、ソニアは手紙を見られないようにサッと隠した。
宛名を見て、自分にとって都合の悪い内容だと即座に判断したのだ。
152
あなたにおすすめの小説
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる