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21.国宝級イケメンはバレていました
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部屋の奥、重厚なカーテンの影に立ちながら、オーディスは静かにその光景を見ていた。
差し込む夕陽に照らされ、周囲に囲まれたセシルは嬉しそうに笑っている。
緊張から解放されたのか、僅かに肩の力が抜けたセシルの姿に、オーディスの胸の奥がじんわりと熱を帯びた。
(…やはり、誇らしい)
決して口に出すことはない。
ただ、それだけで十分だった。
セシルよりも先にカヴァラリー公爵邸を出たオーディスは用意された馬車の前で立ち止まる。
御者に合図を送ろうとした、その時だった。
「待ってください!」
少し息を切らした声。
振り返ると、セシルがこちらに駆け寄ってくるところだった。
「伯爵様、やっぱりついてきたんですね。ずっと見ていらしたでしょう?気付いてましたよ」
そう言って、セシルは照れたように笑う。
オーディスは一瞬だけ目を細めた。
「そうか、気付いていたか…」
「えぇ。一緒に帰りましょう、伯爵様」
2人並んで馬車に乗り込む。
扉が閉まり、車輪が動き出す。
暫くの間沈黙が流れていたが、揺れに身を任せるうちにセシルがぽつりと呟く。
「今日はとっても疲れました、緊張しました…」
オーディスは隣に座るセシルに視線を向ける。
それからこほんと咳をした。
差し込む夕陽に照らされ、周囲に囲まれたセシルは嬉しそうに笑っている。
緊張から解放されたのか、僅かに肩の力が抜けたセシルの姿に、オーディスの胸の奥がじんわりと熱を帯びた。
(…やはり、誇らしい)
決して口に出すことはない。
ただ、それだけで十分だった。
セシルよりも先にカヴァラリー公爵邸を出たオーディスは用意された馬車の前で立ち止まる。
御者に合図を送ろうとした、その時だった。
「待ってください!」
少し息を切らした声。
振り返ると、セシルがこちらに駆け寄ってくるところだった。
「伯爵様、やっぱりついてきたんですね。ずっと見ていらしたでしょう?気付いてましたよ」
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「そうか、気付いていたか…」
「えぇ。一緒に帰りましょう、伯爵様」
2人並んで馬車に乗り込む。
扉が閉まり、車輪が動き出す。
暫くの間沈黙が流れていたが、揺れに身を任せるうちにセシルがぽつりと呟く。
「今日はとっても疲れました、緊張しました…」
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それからこほんと咳をした。
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