俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜

明太子

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15.王妃は関わりたくない

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2人は意地の悪い笑みを浮かべている。
俺を馬鹿にしているのは明白だった。

この2人は俺のことを絶対に『王妃』と呼ばないし、敬語を使うこともない。
その上、キースのいないところでは必ず嫌味を言ってくる。
実際、俺の実家であるムニーラ伯爵家はホスミシン公爵家よりも家格が低い。
だけど、仮にも俺は王妃だ。
それなのに、こんな態度を取るのは俺を王妃として認めていない証拠。
だから、人目を憚らずにキースへ秋波を送り続けているのだろう。

「お気遣いありがとうございます。お恥ずかしい話ですが、王妃としての公務が忙しく、パーティーに出席する時間がなくて慣れていないのです」

俺はいちいち嫌味に言い返すのが面倒で、パーティーに不慣れだと正直に打ち明けるに留めた。
これ以上関わりたくないし。
けれど、2人は『王妃』という部分に引っかかったようで眉をぴくりと動かした。

「へぇーそうなの一。大変ねー」
「でもぉ、もうすぐその重責から解放されるんじゃないかしら?ねぇ、あなたもその方が良いでしょう?」

含みのある言い方に嫌な予感がした。
どういう意味かと聞くために声を発しようとした瞬間、会場にぶわっと一気に大きな歓声が上がる。

「国王陛下だ!」
「国王様がいらっしゃったぞ!」

キースの登場に出席者たちは嬉しそうに賑わう。
俺の時とはえらい違いだ。
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