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16.王妃は王を探さなければよかった
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「キース様ぁ!」
モネ嬢は先程まであれほど突っかかっていたのに、俺への関心は薄れたようで一目散にキースの元へと駆け寄っていく。
キースは既に別の公爵と話し始めていたが、彼女は無理矢理割り込んで会話の輪に入っていった。
リュゼ公爵夫人も娘の方へ向かったので、俺は再び独りぼっちだ。
ふぅと一息つくと、そこでようやく自分が空腹だと気付く。
俺は近くのテーブルに置いてある軽食を食しながら、退屈を凌いだ。
食べ終わってから辺りを見回すと、なぜかキースはいなくなっていた。
俺は大広間から出て、キースを探しに行く。
何も言わないまま、どこ行っちゃったんだろ?
まぁ、俺にはいちいち言わないか。
そう思ったけど、彼を心配する気持ちには勝てなかった。
10分程探し回ったところで、城内の一室からキースの声が微かに聞こえた。
部屋に入ろうとドアノブに手をかけたその時、中にもう1人いるのが分かった。
モネ嬢だ。
彼女の甘ったるい猫なで声がしたのだ。
「キース様!ようやく私を王妃に迎えてくれるのですねっ!」
「あぁ」
「でも、エスメラルダはどうするのですか?追い出してくれますわよねぇ?」
「あいつとは離婚する。適当な理由でも付けて、実家に返すつもりだ」
「ふふっ、いい気味だわっ!」
モネ嬢は先程まであれほど突っかかっていたのに、俺への関心は薄れたようで一目散にキースの元へと駆け寄っていく。
キースは既に別の公爵と話し始めていたが、彼女は無理矢理割り込んで会話の輪に入っていった。
リュゼ公爵夫人も娘の方へ向かったので、俺は再び独りぼっちだ。
ふぅと一息つくと、そこでようやく自分が空腹だと気付く。
俺は近くのテーブルに置いてある軽食を食しながら、退屈を凌いだ。
食べ終わってから辺りを見回すと、なぜかキースはいなくなっていた。
俺は大広間から出て、キースを探しに行く。
何も言わないまま、どこ行っちゃったんだろ?
まぁ、俺にはいちいち言わないか。
そう思ったけど、彼を心配する気持ちには勝てなかった。
10分程探し回ったところで、城内の一室からキースの声が微かに聞こえた。
部屋に入ろうとドアノブに手をかけたその時、中にもう1人いるのが分かった。
モネ嬢だ。
彼女の甘ったるい猫なで声がしたのだ。
「キース様!ようやく私を王妃に迎えてくれるのですねっ!」
「あぁ」
「でも、エスメラルダはどうするのですか?追い出してくれますわよねぇ?」
「あいつとは離婚する。適当な理由でも付けて、実家に返すつもりだ」
「ふふっ、いい気味だわっ!」
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